どうしても室内に入れたくない! 花粉に悩まされない室内環境にするコツ

室内に侵入した花粉の原因と対策、掃除のコツについての監修:藤原 千秋(ふじわら ちあき)
ライター:UP LIFE編集部
2024年4月1日 空気

いまや一年を通して、様々な植物から飛散する花粉。特に春先は、悩まされる人も多いのではないでしょうか。屋外に出る際の対策はもちろんですが、実は室内にも多くの花粉が潜んでいるのだそう。そこで、今回は花粉の侵入を防ぎ、快適な居住空間にする方法を、住生活エキスパートの藤原千秋さんに教えてもらいました。

花粉が家の中に入り込むのはナゼ?

写真:マスクと花粉

密閉されていると考えがちな家の中ですが、生活の中で人や空気の出入りが頻繁に行われています。日常の暮らしの中で、花粉はどのように家に入っているのでしょうか。

実は家の中に花粉を多く持ち込んでいるのは「人」

できるだけ窓を開けないようにするなどの工夫はしていても、気づかないうちに花粉は家に侵入しているのだそう。そのもっとも大きな要因は、そこで生活している人だと藤原さんはいいます。

「花粉が飛散している季節には、身体に多く付着しています。よく、髪や顔、上半身の衣類に付くと言われますが、パンツやスカートの裾にも地面に落ちた花粉が多く付着しています。特に羊毛など、天然素材でできたウールやレザーなどの衣服は付きやすい傾向が強いもの。逆に表面がツルっとした化繊などの素材は付着しにくいと言えます」

藤原さんによれば、身長の低い子どもやペットは特に地面に落ちている花粉が付着しやすいのだとか。また、スギの植林地が近いような郊外に出かけた場合は全身に花粉を多く付着している可能性があり、帰宅後によく除去する必要があるのだそうです。

換気システムからの侵入にも注意

花粉が屋内に入る要因は、人の動きだけではありません。家の開口部、いわゆるドアや窓も屋内に花粉が侵入する大きな要因です。そして最近の住宅ならではの、こんな侵入ポイントが。

「ドアや窓はもちろんですが、最近の住宅は24時間換気システムがスタンダードになっているため、自然の流れで空気を取り入れる自然給気タイプの給気口が付けられているケースが多くなっています。ここから空気に乗って花粉が入ってきます。なお、換気扇は吸排気の両方をするタイプもありますが、多くは排気のみですので、そこから花粉が入ってくることはまずありません」

写真:自然給気タイプの給気口

ちなみに、エアコンからも花粉が入ってくるのでは…と考えがち。ですが、エアコンはお部屋の空気を吸い込んで、暖めたり冷やしたりし、再び室内に吹き出すのが基本動作。そのため一般的にはエアコンから花粉が入ってくる心配はないので、使用を控える必要はありません。

実は家の中のこんな所に花粉は潜んでいる

外から入ってきた花粉は、家のどんな場所に溜まっていくのでしょうか。ここでも人や空気の動きが影響してくるようです。

「屋内に入った花粉は人や空気の動きで舞い上がり、そして上から落ちてきます。ですので、ホコリと一緒で、面の部分に溜まっていることがほとんどですね。また自然と部屋の隅に花粉が溜まっていくほか、静電気が発生しやすい家電製品の裏も集まりやすいポイントです」

玄関や屋内の床、家具の上面や裏に加え、窓サッシや網戸、そしてカーテン、ソファー、ラグマットなどの布製品にも付着しやすいので注意が必要です。

花粉の屋内への侵入、どうやって対策すればいい?

写真:カーペットを掃除機で掃除している様子

生活の中で知らず知らずのうちに、家に入ってきてしまう花粉。その悩みから解放されるには、「落とす」「除去する」の2つがポイントになると藤原さん。具体的な掃除方法を教えていただきました。

身体に付いた花粉は、玄関先で十分に落とす

室内への花粉侵入を防ぐ第一のポイントは、身体や衣服に付着したものを玄関先で十分に落とすということ。

「衣服やバッグなどの携行品に付いた花粉は玄関先で、コロコロと回す粘着ローラーや衣類用ブラシで落としましょう。ブラシは樹脂製のものだと静電気が発生して、かえって花粉を呼んでしまうことがあるので注意して。靴もブラシで、しっかりはらっておきます。また、お散歩から帰ってきたペットは、濡れたタオルで毛を拭いてあげましょう」

ちなみに髪や顔など人体についた花粉は、入浴やシャワーでしっかりと落とすのがよいそうです。化粧品や皮脂と結び付いた花粉も簡単に除去できないため、気になる人はまず入浴するのがベストなのだそう。

「事前の付着防止策には、静電気防止スプレーを使うのがよいと思います。最近は消臭スプレーの中にも静電気防止効果が得られる商品があり、これらを衣服に吹きかけておくことで、花粉やPM2.5などの付着を防ぐ効果があると言われています」

室内掃除をする時は花粉を舞い上げない方法を

花粉に悩まされない室内環境を整えるには、やはり定期的なお掃除が大切。でも、ただ掃除をすればいいというわけではありません。

「まず掃除をするタイミングですが、できれば早朝など朝一番の時間帯に。人や空気の流れがなければ花粉は自然に落ちてくるので、人の動きがない早朝は掃除におすすめです。もしくはできるだけ人がいない時間帯も、掃除に適していると言えます」

掃除をする時には窓をおもいっきり開けて換気をする…という人がいますが、せっかく除去した花粉が屋外から入ってきてしまうので、これは避けたいところ。換気扇や空気清浄機を併用するようにします。

では、家の中の臭いや空気の汚れが気になるなど、どうしても一気に換気をしたいという場合は?

「花粉の飛散は気温上昇し始める午前中から始まり、完全に地面に落ちるのは夜半と言われています。ですから、大気中に花粉が飛散していない時間帯は、夜中から早朝にかけて。換気をする場合は、この時間帯に行いましょう」

屋内の花粉掃除には水拭きがベスト

掃除の方法についても、場所ごとに道具を使い分けたいところ。

「やはり水拭き掃除が、花粉除去にはおすすめです。木製のフローリングや樹脂製の床材、畳などであれば、まずウェットシートを付けたフロアワイパーやスポンジモップで拭き掃除を行い、その後に掃除機を使用しましょう。カーペットが敷いてある場合は掃除機を初めから使いますが、どちらかといえばスティックタイプがおすすめ。床を転がして使うキャニスター掃除機は排気が後ろに出るため、動かすと花粉が舞い上がってしまうからです」

家具や家電に付いた花粉やホコリは、ハンディワイパーが便利。もしくはタオルに万能洗剤を少しスプレーして、拭き取ってもOK。布製品は、掃除機か粘着ローラーを使います。

ホコリが溜まりがちな給気口は、掃除機に隙間ノズルかブラシノズルを付けて掃除を。また、あらかじめ給気口に専用フィルターを付けておくと集じんができ、掃除の労力も大幅に省くことができます。サッシや網戸の掃除も定期的に行いましょう。

ちなみに、藤原さんによれば最も花粉が落ちやすいのは、洗面所(脱衣所)とトイレなのだそう。どちらも衣服の着脱回数が多い場所です。この2カ所は、まめにに掃除しておきましょう。

空気清浄機や加湿器で花粉対策

HEPAフィルターで花粉をキャッチ

日常的な空気清浄機の使用も対策のひとつ。空気中のごく小さな粒子を捕集することができる「HEPAフィルター」を使った空気清浄機なら、直径およそ30µmと言われている花粉をしっかり捕集。さらに、ほこりや黄砂、ウイルスなど、空気中の汚れをしっかりキャッチします。

HEPAフィルターが、0.3㎛の粒子を99.97%以上集じん

画像:HEPAフィルター

ナノイーXの効果が発揮されるパナソニックの『加湿空気清浄機』なら、集じんフィルターの性能の高さに加えてナノイーXの効果で花粉を抑制することができます※1

※1※2:ナノイーX(4.8兆)では、約24時間かかっていたところ
※3:ナノイーX(9.6兆)では約12時間で99%以上抑制
※4★1:ナノイーX(48兆)では約3時間で99%以上抑制し、抑制時間が1/4に
(約6畳空間での評価、パナソニック調べ)

グラフ:スギ花粉の抑制時間が1/4

加湿で花粉対策

室内を加湿することも、花粉の飛散防止に一役買うのだとか。花粉は水分が付着するとその分重くなり、下に落ちやすくなるのだそう。そういった点でも、加湿空気清浄機は花粉に役に立つと言えそうです。

また、パナソニックの次亜塩素酸空間除菌脱臭機『ジアイーノ』も、集じんと加湿を同時に行えるので花粉対策に。

画像:ジアイーノ

ちなみに空気清浄機は、空気の循環を促進できる場所に置くと効果が高くなると藤原さん。エアコン設置場所や窓の対角線上に置くのがいいようです。ただし使用する際は、定期的なフィルターの掃除、交換を忘れずに。

洗濯物や寝具などの花粉対策はどうする?

花粉が付くから外には干さない

写真:洗濯物の部屋干し

日常の中で頻度の高い、洗濯も実は花粉を室内に入れてしまう要因。「天気がいいから」「日光に当てたいから」と何気なく屋外に干した洗濯物には、大量の花粉が付着しているといいます。

「衣類や布類は濡れることで繊維の隙間が広がり、そこに花粉が入り込みやすくなってしまいます。一度繊維にからんだ花粉は乾燥後も残り、パッとはらうくらいでは落ちません。洗濯物は外に干さない、これが鉄則です」

部屋干しする際は、除菌効果のある消臭スプレーを吹きかけたり、扇風機などで洗濯物に風を当てて、いやな部屋干し臭対策を。

ちなみに部屋干し臭は長時間干すことによる雑菌の繁殖が原因と言われています。ニオイが気になる場合は、パナソニックの衣類乾燥除湿機がオススメ。洗濯物をすばやく乾かす送風機能に加え、ナノイーXの効果で部屋干し臭を脱臭しながらニオイの原因菌を除菌※5。そして「花粉ケアモード」で花粉を抑制※6します。

また、寝具も同様に、外干しは避けたいところ。布団乾燥機を使って乾燥させ、表面に付いたホコリや花粉などは粘着ローラーや掃除機で取り除きましょう。

 

※5 約6畳空間での約7時間後の効果です。
※6 吹き出し口から約40cmでの約6時間後の効果です(スギ花粉での検証)。【試験機関】パナソニック ホールディングス(株)プロダクト解析センター【試験方法】布に付着させたアレル物質をELISA法で測定【抑制の方法】ナノイー放出(ケア・花粉モード)【対象】花粉(スギ)【試験結果】6時間で87%以上抑制 No.1V332-170508-F04。

室内への侵入を減らすことで、花粉リスクは低減できる!

「春のスギやヒノキ、秋のブタ草など、今や花粉の飛散は一年中となっています。家の中での生活において、そのリスクを減らす一番の対策は“花粉を家に入れない”ということ。まず花粉の屋内の侵入防止を心がけた上で、清掃を行い、さらに空気清浄機などを使用すれば、家での花粉の悩みは大幅に減らすことができると思います」

藤原 千秋

室内に侵入した花粉の原因と対策、掃除のコツについての監修:藤原 千秋(ふじわら ちあき)

主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆して20余年目。現在はライティングの傍ら監修、企画、広告、アドバイザリーなどの業務に携わる。プライベートでは三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著書監修、マスコミ出演多数。総合情報サイト『All About』家事・掃除・子育てガイド。

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