あかりの歴史LED電球第1号 誕生秘話

Episode 03 省エネへの飽くなき探求 “あかり”の新時代 2009年 LED電球第1号 Episode 03 省エネへの飽くなき探求 “あかり”の新時代 2009年 LED電球第1号

2009年10月、パナソニックは白熱電球に代わるLED電球を発売しました。LED自体の歴史は半世紀以上と長かったものの、照明として結実するまで多くの課題がありました。
新たな“あかり”であるLED電球の開発エピソードをご紹介します。

進化するLED─「光る」ものから「照らす」ものへ

LEDとは「Light Emitting Diode」の略で、光る半導体(発光ダイオード)と呼ばれています。
登場は1962年、赤色のみでした。その後、黄緑や橙色と続きましたが、当時は歩道の誘導灯など「光る」こと自体が目的の限定された用途でした。
1993年、青色LEDが発明され、それを応用した白色LEDが登場すると、照明用途として注目されるようになります。

しかし、家庭用の電球として応用する場合、「光る」だけでなく、部屋を「照らす」ことが重要になります。十分な明るさ、照らされたものの見え方、従来の電球と同等のサイズなど、実用化への難易度は高く、開発に時間がかかりました。

LEDの構造

家庭用LED電球市場への参入

2007年、電球市場に一般家庭用のLED電球が登場します。その背景には省エネ意識の高まりがありました。
家庭で使用する電気機器の中でも照明の消費電力量は大きく、改善すべき問題でした。
2005年の京都議定書、2008年の洞爺湖サミットで地球環境への関心が高まる中、政府は各メーカーに対して白熱電球の製造を2012年までに中止するよう通達しました。
そのため、新たな「あかり」の開発は急務となったのです。

パナソニックは白熱電球、蛍光灯などの「あかり」を作り続けてきた長年のノウハウを生かし、LED電球の開発を加速させます。

省エネ意識の高まり

目指したのは従来の電球に代わる新たな「あかり」

白熱電球と電球形蛍光灯にはそれぞれ特長と課題がありました。
白熱電球はサイズが小さく調光可能ですが、消費電力は大きく短寿命。電球形蛍光灯は光色が豊富で省エネ・長寿命ですが、蛍光灯の特性上、調光性能には限界もありました。
そこでパナソニックは白熱電球と電球形蛍光灯の特長を包括しながら課題を解決し、LEDの特長である省エネ性能を最大限に活かす形で開発に取り組むことにしたのです。

「明るく省エネでサイズが小さく、調光可能で光色が豊富」…まさに万能ともいえるLED電球ですが、その開発は決して順風満帆なものではありませんでした。

LED電球試作モデル

LED電球試作モデル

寿命40,000時間への難関、電源・制御回路の放熱問題

LEDは長寿命…しかし、これは光源である半導体のことでした。この特長を活かし、LED電球自体を長寿命にするには電源・制御回路の特性に悪影響を及ぼす「熱」の問題を解決しなければなりません。
2009年当時、LED電球の放熱方法としてフィン型ヒートシンクを設ける方法が一般的でした。このヒートシンクはアルミダイカスト製で重く、フィン形状にすると回路の設置スペースが狭くなるという課題がありました。
従来の電球サイズと質量に近いヒートシンクはできないか…そこで開発陣が目を付けたのが「やかん」「弁当箱」などのアルミ製品の表面仕上げに使用されているアルマイト処理でした。
この処理をすることで、放射率が向上し、放熱性能が高まります。熱伝導率の高いアルミを薄くプレス、アルマイト処理を行うことで、軽くて放熱性能に優れた画期的なヒートシンクが誕生しました。
また、アルマイト処理は耐食性、耐摩耗性、デザイン性に優れており、パナソニックのLED電球は「ホコリがたまりにくいクリーンボディ」で見た目の美しさを保ちながら長寿命を可能にしたのです。

※鋳型に流し込み成型したもの

LED電球のヒートシンク構造

省エネNo.1※1を実現、
初代LED電球の登場

2009年10月、パナソニックは遂に第1号となるLED電球を発売。大きな課題であった放熱問題をクリアすることで、業界No.1※1となる省エネ、業界最軽量※2、さらに業界最小※2※3サイズを実現し、小形電球タイプもラインアップに入りました。LED電球という新たなあかりが世の中に受け入れられ、売れ行きは当初の予想を大きく上回る結果となりました。
パナソニックのLED電球はさらに開発が続けられ、その技術の進化は、パルックLEDへと引き継がれています。

2009年当時のカタログ

※1 LDA7D-A1 LED電球一般電球タイプ(ランプ単体で電球40形相当の明るさ)において82.6lm/wのエネルギー消費効率。LDA4D-A1 LED電球一般電球タイプ(ランプ単体で電球30形相当の明るさ)において85.0lm/wのエネルギー消費効率。 2009年9月10日当時(当社調べ)
※2 LED電球一般電球タイプにおいて。 2009年9月10日当時(当社調べ)
※3 長さ・外径において。 2009年9月10日当時(当社調べ)