湿度と体感温度の関係は? 快適な室温・湿度の目安とエアコンの使い方
湿度と体感温度についての監修:清益 功浩(きよます たかひろ)
ライター:UP LIFE編集部
2026年8月31日
空気
室温が同じでも、暑さや寒さの感じ方が変わる場合があります。その理由に大きく関わるのが、湿度。「気温がそれほど高くないのに蒸し暑い」「暖房をつけているのに寒い」などと感じるときは、湿度をコントロールすることで快適に過ごせることもあるんです。そんな「湿度と体感温度の関係」を、医師の清益功浩さんに教えてもらいました! 快適な湿度の目安や、上手なコントロールの方法も聞いたので、ぜひ参考にしてください。
エアコンの温度設定だけでは快適にならない理由
人が暖かい、涼しいと感じる要因は温度だけではありません。清益さんによると、「たとえ同じ温度でも、湿度などの条件が変わると体感温度が異なってくるため、人によっては快適に感じられない場合もあるかと思います」とのこと。では、体感温度とは、どのようなものなのでしょうか?
「体感温度とは、名前の通り、人が暑さや寒さをどのように感じるかの温度のこと。温度、湿度、空気の流れ、地面からの放射熱、運動などの代謝量、衣類の状態によって変わってきます」
これらの要素の中でも、「体感温度を左右する大きなひとつの要因と考えられるのが湿度」なのだとか。
「湿度が高いと不快に感じますが、これは、湿度が70%を超えると汗の蒸散が妨げられるため。夏の蒸し暑さを表す指標として、気温と湿度で計算される”不快指数”という指標もあり、日本人の場合、不快指数85で93%の人が蒸し暑さから不快感を覚えるとされています」
夏はより暑く、冬はより寒く感じてしまう「湿度」と「体感温度」の関係
湿度の増減は体感温度に大きく影響を及ぼし、湿度が高ければ蒸し暑く感じ、湿度が低ければ寒いと感じやすくなります。
そのため、快適な室温で過ごすためには、温度だけではなく湿度も把握することが大切。もし、エアコンの設定温度を適温にしているのに「暑い」と感じたり「寒い」と不快感を覚えたりする場合は、室温だけを見るのではなく、湿度計や温湿度計で湿度を確認し、除湿や加湿を行うこともひとつの方法です。
湿度と体感温度の関係性とは
では、なぜ湿度の増減で快適さが変わってくるのでしょうか? 清益さんに聞いたところ、これには私たちのかく汗が大きく関わっていることがわかりました。
「暑いときは、皮膚の血管が拡張して汗が出ます。これは体温調節のためで、汗が蒸発する際に発生する気化熱で体温を下げようとしているんです。このとき、湿度が高いと汗が蒸発しにくいため、気化熱で下げることが難しくなって暑く感じることに。反対に、湿度が低いと汗が蒸発しやすくなり、気化熱で体の熱が奪われるので寒く感じることになります」
快適に過ごせる室温と湿度の目安
「一般的に、人が快適に感じる温度と湿度には目安があります。温度は夏なら25℃〜28℃、冬なら18℃〜22℃で、湿度は年間を通して40%〜50%。なお、高齢者は筋肉量が少なくなるため暑さ、寒さに弱く、子どもは体温が高めですが、どの年齢層も基本的にはこの範囲の中で微調整することになります」
もちろん、暑さ・寒さの感じ方は人それぞれ。そのときの服装や部屋の日当たりなどによっても変わってくるため、体調や体感を確認しながら調整することが大切です。また、エアコンの設定温度や除湿機、加湿機の設定湿度と実際の室温、湿度はイコールではありません。設定温度、設定湿度はあくまでその室温や湿度に近づけるためのものなので、実際の温度、湿度は温湿度計などで確認するようにしてください。
夏と冬で異なる室温・湿度コントロールのコツ
基本的に、暑い時期は除湿、寒い時期は加湿を行いながら室温をコントロールすれば、快適に過ごすことができます。夏と冬、それぞれの季節で室温や湿度はどうコントロールすればよいか、具体的な方法をご紹介しましょう。
夏の蒸し暑さにはエアコンの除湿運転や除湿機を使って体感温度を下げる
「エアコンの冷房運転は、室内の温度を下げるのと同時に、空気中の水分もある程度取り除いてくれます。そのため、基本的には冷房のみでよいと思われますが、うまく湿度をコントロールできないときには除湿運転にしたり、除湿機を使ったりするのもひとつの方法。なお、除湿しすぎると静電気が発生したり、皮膚や粘膜の乾燥が起こったりする場合もあるので注意しましょう」
ちなみに、エアコンの冷房や除湿の運転方式は、製品によって異なる場合があります。温度と湿度を下げたい場合、湿度だけを下げたい場合などに対応できる機種もあるので、使っているエアコンの取扱説明書などで確認するようにしましょう。
なお、それほど暑いと思わないからと、酷暑日でもエアコンを使わないのはおすすめできません。たとえ暑さを感じなくても、室内が高温になっていることも少なくないので、室温を確認しながら冷房を使うようにしてください。
「また、体感温度を考える際に参考となるものとして、熱中症リスクの指標であり“暑さ指数”とも呼ばれるWBGT(Wet Bulb Globe Temperature:湿球黒球温度)があります。温度、湿度、輻射熱を考慮して算出されたものなので、この指標を参考に行動するのもよいでしょう」
冬の暖房の乾燥には加湿機で湿度を上げる
では、冬の乾燥による寒さを防ぐにはどうすればいいのでしょうか。
「暖房を使うと、室内の空気はさらに乾燥してしまうので、加湿機の利用もよいと思います」と、清益さん。そうやって湿度を上げることで体感温度が高まるため、エアコンの設定温度を変えなくても、より暖かく感じることができるそうです。ただし、「湿度が70%を超えるとダニやカビが増える可能性があるため、加湿のしすぎには注意が必要」とのこと。
温湿度計で室内の状態を確認する
ここまでにもたびたびお伝えしているように、室内の温度と湿度は体感だけでなく、実際の数値を温度計や湿度計で確認することが大切です。
「温度計や湿度計は、複数の場所に置いておくのがおすすめ。普段、過ごしている場所のほか、寝ているときにエアコンを使用することが多い場合は枕元に近いところに置いておくのもよいと思います。ただし、水回りや直射日光・風がよく当たる場所は、温度や湿度が局所的に変わりやすいため注意が必要です。そこにいるときにピンポイントで測るのには有用ですが、普段から置いておく場所としては避けたほうがよいでしょう」
設定温度になると自動で快適な湿度をキープするエアコン
室温のコントロールと除湿を同時に行える家電と言えば、やっぱりエアコン。
高湿時には自動で温度をシフトして快適性をアップ!
パナソニックの『エオリア Xシリーズ』は、季節や使い方によって選べる3つの除湿モードを搭載。”快適除湿モード”は、エアコンが室温と湿度をチェックしながら上手にコントロール。冷えすぎを抑えるので、梅雨や秋雨シーズンにぴったりです。湿度設定は50%・55%・60%の3つがあり、リモコンで気軽に選べるのもポイント。
また、室温が設定温度に近づくと、ごく弱く冷やしながら除湿し続ける“冷房除湿モード”は、夏の就寝時や少しだけ暑いと感じるときに便利な機能です。このほか、洗濯物を部屋干しした際に活躍する”衣類乾燥モード”も搭載しています。
まとめ:湿度と体感温度の関係を理解して快適な室内環境を整えよう
室内で快適に過ごすには、温度だけではなく、湿度をコントロールして、体感温度を心地よくすることが大切。湿度が上がれば暖かく感じ、下がれば涼しく感じられます。夏の冷房では湿度を下げる工夫を、冬の暖房では湿度を上げる工夫をしながら、室温を賢く適温にキープしていきたいですね。
「体感温度には個人差があるため、一般的な目安の範囲内で自分に合う温度や湿度に調整していきましょう。エアコン、除湿機、加湿機などは上手に使用しないと、かえって悪影響が出てくることがあるため、注意が必要です。また、昨今、よく耳にする屋内熱中症は、エアコンを使用していないことでもリスクが高まります。最近のエアコンは省エネで多機能になっているので、15年以上経過しているような古いエアコンは早めに買い替えをしたほうがよいかもしれませんね」
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湿度と体感温度についての監修
清益 功浩(きよます たかひろ)
小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院小児科・アレルギー科で診療に従事。論文・学会報告多数。インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。総合情報サイト『All About』家庭の医学ガイド。
2026年8月31日 空気
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