省エネ性能・冷暖房能力…エアコン選びのためのカタログの見方
ライター:UP LIFE編集部
2021年7月26日
空気
最新のエアコンは冷暖房能力はもちろん、機能が豊富で選び方がわからないということもあるかもしれません。そこで今回は、カタログで目にする「省エネ」や「冷房・暖房能力」「APF(通年エネルギー消費効率)」など、エアコンを選ぶうえで、重要なカタログの見方のポイントを解説します。
エアコン選びはカタログの「お部屋の広さ」「エアコンのパワー」「省エネ性能」「冷房・暖房能力」から考える
エアコン選びで見るべきポイントは、大きくは4つに分けられます。 カタログ表示を見るうえでは、この4つの項目ごとにチェックしながら絞り込んでいくことで、自分の部屋にピッタリのエアコンを選んでいくとよいでしょう。
「適用畳数」「冷房・暖房の目安」など、カタログでチェックする表示項目
では実際に、カタログの表示項目例を参考に何が書かれているかを見ていきましょう。
① 適用畳数
② 品番
③ 冷房・暖房の目安
④ 期間消費電力量
⑤ 省エネ基準達成率・通年エネルギー消費効率(APF)
⑥ 低温暖房能力
次から実際の見方について詳しく解説していきます。
【①部屋の広さ】畳数の目安は「木造」「鉄筋」などの構造で変わる
部屋に適したエアコンのサイズ(容量)を選ぶには、まず「畳数の目安」を最初に参考にします。例えば「冷房6~9畳」「暖房6~7畳」という畳数表示は、どういう意味かご存知でしょうか?もしかしたら多くの方が、「6畳~9畳の部屋に適したエアコン」という意味だと思っているかもしれません。でも実は違うのです。
冷暖房の畳数の目安は「木造平家南向き(和室)」と「鉄筋マンション南向き(洋室)」でも違う!
「6~9畳用」と書いてある場合、「木造平屋南向き(和室)なら6畳」「鉄筋マンション南向き中間階(洋室)なら9畳」という意味になります。これは木造住宅よりも鉄筋住宅のほうが密閉率が良いため、部屋の種類によって畳数の目安が異なります。例えば木造住宅にお住まいの方が9畳の部屋用にエアコンを使うには、冬場の暖房としての使用を想定しているのであれば 「暖房9~12畳」など畳数の目安が9畳以上のものを選ぶ必要があるということになります。
冷房よりも暖房の数値を目安にして選ぶ
また、一般的に暖房のほうが適用畳数が小さくなります。エアコンを効率良く使用するには、冷房よりも暖房の数値を目安にして選ぶことがポイントです。
さらに注意したい部屋タイプは3つ
① 戸建の2階やマンションの最上階
② 天井が高い
③ 西向きに窓がある
このようなお部屋は夏は暑くなりやすく、冬は寒くなりやすいお部屋です。
通常より1~2クラス上のエアコンを選ぶとよいでしょう。
【②エアコンのパワー】能力(kW)と消費電力(W)の数値をチェックする
広さの次にチェックするといいのは、エアコンのパワー(能力)です。
エアコンの運転中にお部屋が冷えすぎたり、暑すぎたり、コントロールがうまくいかないな、と思ったことはないでしょうか?これは、「エアコンが出せるパワー(能力)の範囲」に由来するものの可能性があります。
「能力(kW)」はふり幅が大きいほど能力が高い!
能力(kw)を例で見ていきましょう。
カタログの「能力(kW)」を見てみましょう。Aシリーズ 6畳用の暖房能力を見ると「2.5」と書いてあります。この数値は、エアコンの標準のパワー※を示しており、これが大きいほど冷暖房能力が高いことを意味しています。
そして(0.3~5.7)という( )の中の数値がパワーの範囲を表しています。
最小数値が小さいほど細やかな温度調整がしやすく、最大時の数字が大きいほどエアコンのパワーが大きく素早く冷暖房ができます。
最小時と最大時の数字に差があるほど、エアコンが出せるパワーの範囲が広く能力が高いということになります。
※JIS規格に基づき連続して運転した場合に、その機器が安定して出すことの出来る能力のこと。
「消費電力(W)」とは標準パワーで運転したときの消費電力のこと
能力を発揮しているときの消費電力を例で見てみましょう。
「能力(kW)」の隣には、「消費電力(W)」があります。 Aシリーズ 6畳用の暖房の消費電力は「440」と書かれていますね。これは、標準パワーで運転したときの消費電力を表しています。
この暖房の標準出力能力は「2.5」になるので、 Aシリーズ 6畳用のエアコンは「暖房2.5」の能力を発揮しているとき440Wの電力を消費するということになります。また、(105~1,480)の数値は、最小出力運転時は105W、最大能力運転時は1,480W電力を消費することを表しています。もちろん、消費電力が小さいほど電気代の節約にもつながります。
「期間消費電力量(kWh)」とは1年間に消費する電力量の目安のこと
期間消費電力量を例で見てみましょう。
電力についての表示は、もうひとつ「期間消費電力量(kWh)」というのもあります。この数値は、1年間にエアコンが消費する電力量の目安です。「期間消費電力量(kWh)」は数値が小さいほど省エネ性能が高く優秀といえます。
Aシリーズ 6畳用のエアコンには「586kWh」と書いてありますね。これに1kWあたりの電気料金をかけると、およその年間の電気代を計算することができます。
ただ、この数値は試算値となるので、実際には住んでいる地域や気象条件、ご使用条件によって電力量は変わることがあります。参考までにチェックしてみるとよいでしょう。
【③省エネ性能】「省エネ性能達成率」や「通年エネルギー消費効率」を比較する
最近のエアコンはどれも省エネ性能が高くなってきています。
省エネ性能に関しては機種によって少しずつ異なるので、比較してみてください。
「省エネ性能達成率」は省エネ目標基準に対してどれくらい達成しているかを見る!
省エネ基準達成率を例で見ていきましょう。
エアコンの機能や形態、能力・寸法によって定められた省エネ目標基準に対して、どれくらい達成しているかを表しています。
「通年エネルギー消費効率(APF)」は高いほど、エネルギーの消費効率が良い!
通年エネルギー消費効率(APF)を例で見ていきましょう。
「通年エネルギー消費効率(APF)」というのは、1のエネルギーを何倍にできるか?というエアコンのエネルギ―性能を表したものです。この数値が大きいほどエネルギー消費効率が優れている省エネエアコンということになります。
100Vと200Vはどう違う?
エアコンによっては、同じ畳数でも100Vタイプと200Vタイプがあります。
どちらを選んだらよいのか悩みそうですが、一般的に、200Vタイプの方がパワーがあるのでその分目標温度に早く到達します。
ただし、その横に書いてある電源プラグをよく見てみましょう。
ご自宅のエアコン専用コンセントが100V用の場合は200V用への変換工事が必要となりますので、エアコン設置工事前に相談するなどしましょう。
【④暖房能力】寒い季節の使用も想定して「低温暖房能力」を確認する
「低温暖房能力」も重要なポイントです。
夏にエアコンを購入する場合にも冬の使用のことを考えて「暖房能力」をチェックすることをお忘れなく。1年間ずっと使えるエアコンだからこそ、とても重要な数値です。
「低温暖房能力(kW)」が大きいほどパワーが大きい
「低温暖房能力(kW)」は、外気温が2℃のときに、最大どれくらいの能力をだせるかといったもの。
この数値が大きければ大きいほどたくさんの熱エネルギーを生み出せるので、外気温が低い冬でも高い暖房能力を発揮します。
10年ほど前と比べると、そのパワーはとても上がってきているので、夏にエアコンの購入をご検討の方も、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
エアコン選びのカタログの見方のポイントは、まずは「部屋の広さ」「エアコンのパワー」「省エネ性能」「冷房・暖房能力」の4つで考えれば失敗も少なくなるでしょう。
カタログ表示をしっかりと見て、理解しておきましょう。購入した後に設置できないということがないように、自分の部屋にあっているかどうかも確認してピッタリのものを選びたいものです。
2021年7月26日 空気
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