子どもや高齢者、おうち時間が増えた人も要注意! 室内でもできる熱中症対策

室内でできる熱中症対策についての監修:清益 功浩(きよます たかひろ)
ライター:UP LIFE編集部
2020年8月7日
空気

夏になるとよく耳にするのが、熱中症関連の話題。室内で熱中症にかかったというニュースを聞くこともあり、自宅で過ごすことが増えた昨今は特に注意したいものです。そこで、原因や起こりやすい状況、室内でもできる対策など、熱中症に関するさまざまなことを医師の清益功浩さんに聞きました。暑い夏を乗り切るためにも、ぜひご一読ください。

注意すべきは気温…だけじゃない! 熱中症にかかる過程と原因

注意すべきは気温…だけじゃない! 熱中症にかかる過程と原因

清益さんによると、熱中症を起こす過程には、私たちの体に備わる体温調節機能が関わってくるのだそうです。

「人は一定の体の温度を調節している恒温動物。常に熱を産生することから、異常な体温上昇を抑えるための体温調節機能が備わっています。たとえば、暑いときには自律神経が末梢血管を拡張することで、皮膚に多くの血液を流して熱を体外へ放散。さらに、水分の蒸発時に熱が奪われる気化熱を利用し、汗をかくことでも体温を低下させています」

こうしたメカニズムがうまく働かずに大量の汗をかくと、体から水分や塩分(ナトリウムなど)が失われてしまい、脱水状態となることもあるとか。

「症状が進めば筋肉が硬直してこむら返りを起こしたり、脳への血液が少なくなって酸素の届く量が減り、クラクラしたり失神を起こしたりすることも。また、熱の産生と放散とのバランスが崩れてしまえば、体温が急激に上昇して熱中症を起こすことになります」

熱中症と聞くと「気温が高くなければ大丈夫」と思うかもしれませんが、それは間違い。実は「同じ温度でも、湿度によって変わってきます」と、清益さんは語ります。

「熱中症による死亡が増え始めるのは、1日の最高気温が30℃を越える辺りからですが、湿度が高ければ熱中症の危険性はさらに高まります。そこで、目安としたいのが“暑さ指数(湿球黒球温度=WBGT:Wet Bulb Globe Temperature)”。これは、人体と外気との熱のやりとりに着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい “湿度”“日射・輻射(ふくしゃ)など周辺の熱環境”“気温”の3つが取り入れられています。この数値が28℃を超えると、熱中症患者が著しく増加することになるので、懸念されるときは暑さ指数予報や市販の暑さ指数計などで確認するのも良いでしょう」

熱中症が最も起きやすい場所は? テレワークでも注意が必要?

熱中症が最も起きやすい場所は? テレワークでも注意が必要?

熱中症が発生しやすいのは、夏、晴れた日の屋外……だけではありません。東京消防庁によると、平成30年6月から9月までの間に救急搬送され、熱中症(疑いを含む)と診断された人のうち、救急要請時の発生場所が「住宅等居住場所」だったのは40%以上にも上っています。

東京消防庁 令和元年の熱中症による救急搬送状況「発生場所別の救急搬送人員(令和元年6月~9月)」より作図

東京消防庁 令和元年の熱中症による救急搬送状況「発生場所別の救急搬送人員(令和元年6月~9月)」より作図

これに対し、「屋内であれ、屋外であれ、熱中症の危険因子があれば熱中症を起こすことになります」と、清益さん。

「熱中症になりやすい因子のある人は以下の通りです。

  • 脱水状態にある人
  • 高齢者、乳幼児
  • からだに障害のある人
  • 肥満の人・過度の衣服を着ている人
  • 普段から運動をしていない人
  • 暑さに慣れていない人
  • 病気の人、体調の悪い人

屋外に比べ、屋内では熱中症予防に注意がいかない可能性もあるかもしれませんが、上記のような因子がある場合は場所を問わず気をつけるようにしましょう」

なお、熱中症による死亡数を年齢別に見たとき、最も多いのは高齢者。厚生労働省の調べでは、2013年の熱中症死亡数1077人のうち、およそ77%となる833人が65歳以上となっています。

厚生労働省「熱中症の死亡数の年次推移-平成6~25年-」より一部抜粋して作図

厚生労働省「熱中症の死亡数の年次推移-平成6~25年-」より一部抜粋して作図

清益さんによると、この背景には「高齢者の特徴」が関わってくるのだとか。

「老化に伴って皮膚の温度センサーの感度が鈍くなり、暑さを感知しにくくなることがあります。これにより、体温調節機能の発動が遅れることも。また、発汗能力の低下や身体の水分量の減少などに加え、脳での察知能力が低下することで喉の渇きを感じにくくなり、脱水症状が進みやすいともされています。このほか、“体の冷えがイヤ”“節電したい”といった理由から、エアコンをなかなか使わないのも理由のひとつと言えそうです」

確かに、高齢者の方はエアコンを敬遠するという話はよく聞こえてきます。そんな方が身近にいる場合は、ぜひともエアコンの利用をオススメし、注意を促してあげましょう。もちろん、気をつけるべきは高齢者だけではありません。テレワークや外出自粛などでおうち時間が増えた昨今は、年齢にかかわらず注意したいもの。

「テレワークだと休憩のタイミングを逃したり、長時間労働になったりして、水分補給のタイミングを逃すこともあるかもしれません。また、外出が減って運動不足に陥ることもあるので気をつけましょう」と、清益さん。皆さんも室内だからと油断せず、体に負担の掛からない環境や行動を心がけてください。

環境を整えてエアコンも活用…。室内での熱中症予防でできること

環境を整えてエアコンも活用…。室内での熱中症予防でできること

では、室内での熱中症を防ぐには、具体的にどのような対策を施せば良いのでしょうか? 清益さんに聞きました。

「まずは暑さを避ける工夫として、室内環境を整えましょう。玄関に網戸を設置したり、向き合う窓を開けたりして風通しを良くするのもオススメです。また、窓にブラインドやすだれを取り付けるほか、緑のカーテンや日射遮断フィルムなどを利用し、窓から射し込む日光を遮るのも良いでしょう。このほか、気化熱を利用するために夕方に打ち水をしたり、反射率の高い屋根材や屋根裏の換気口などを使用して外部からの熱を断熱したりするのも良いと思います」

さらに、「エアコンの冷房は我慢せずに入れ、扇風機やサーキュレーターも利用するとムラがなく室温を調節しやすいので良い」とのこと。

「なお、クールビズとして、冷房時の室温28℃で快適に過ごせる軽装への取組を促すライフスタイルが推奨されていますが、室温28℃はあくまで目安。冷房時の外気温や湿度、“西日が入る”といった立地、空調施設の種類など建物の状況、室内にいる方の体調など、さまざまなことを考慮し、無理のない範囲で冷やし過ぎないための温度です。冷房の設定温度を28℃にしても、室内が必ずしも28℃になるとは限りません。また、28℃で暑いと感じる場合は湿度を下げると不快さも低下するので、自分のいる場所で気温、湿度を測定するものを置いておき、湿度が高い場合は除湿運転を行うのも良いでしょう」

こうした温度と湿度のコントロールも得意なのが、パナソニックの『エオリア』です。『エオリア アプリ※1を使えば温度・湿温が一目でわかりますし、リモコンでの表示も対応しています※2。またリモコンの“AI快適おまかせ”ボタンを押すと、季節や室内外温度のほか、住宅の気密性・断熱性や気象情報、各曜日の生活パターン、ユーザーの好みなど、さまざまな情報をAIが分析。“冷房”“暖房”“冷房除湿”から最適なモードを自動選択し、より快適な自動運転を行います。これなら、テレワークにも安心して没頭できますね。

「熱中症は予防できる病気ですが、重症になると死に至ることもあります。普段から日常生活に気をつけて、適度な運動で体温調節機能を維持すること。そして、喉の渇きだけにこだわらず、定期的に水分、塩分を摂取するように心掛けたいですね。水分は成人の場合、食事の分を除いても1日1ℓ程度は欲しいところ。ドリンクは利尿作用のあるお茶やコーヒーより、ナトリウムやカリウムなどを含むスポーツドリンク、水分の多いフルーツなどをオススメします」

※1 エオリア アプリのご利用には、ご家庭内のインターネット環境との接続が必要となります。
※2 気温・室温のリモコン表示は「エオリアX・AXシリーズ」適応。

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室内でできる熱中症対策についての監修

清益 功浩(きよます たかひろ)

清益 功浩(きよます たかひろ)

小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院小児科・アレルギー科で診療に従事。論文・学会報告多数。インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。総合情報サイト『All About』家庭の医学ガイド。

2020年8月7日 空気

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