面倒でもお手入れをサボるのはNG! 加湿器に菌を繁殖させないためには

監修:清益 功浩
ライター:UP LIFE編集部
2021年11月25日 空気

加湿器に日常的なお手入れはつきものですが、もし、きちんとできていないなら注意が必要。つい後回しにしていると、菌が繁殖してしまう可能性もあるのです。では、どんな菌が繁殖して、私たちにどんな影響を及ぼすのでしょうか? 医師の清益功浩さんに聞きました。

ご存知ですか? 加湿器にお手入れが必要な理由

乾燥が気になる季節、大活躍なのが加湿器。自宅はもちろん、オフィスでも手放せないという方も多いことでしょう。にもかかわらず、意外と怠りがちなのが日常的なお手入れです。

水道水に含まれる成分を放置すると、いずれ汚れの原因に

水を蒸気にしているため、不衛生というイメージが浮かびににくい加湿器ですが、思った以上に汚れていることがあります。加湿に使う水道水には消毒のための塩素などが含まれておりますが、カリウム、ナトリウムといったミネラル成分が含まれているので付着したまま放っておくと汚れとして蓄積されてしまうもの。時には、加湿フィルターが目詰まりすることもあるんです。目詰まりしたフィルターは水を吸い上げにくくなるため、加湿能力が低下。それを補おうとして加湿器が風量を上げれば消費電力が大きくなり、ムダな電気代もかかってしまいます。

タンクやフィルターに水分が残っていると、菌が繁殖しているかも!

さらに怖いのが、衛生面でリスクがあること。医師の清益さんによると、「加湿器に残った水分やタンク内の水をそのままにしておくと、真菌(カビ)や細菌が繁殖することがある」そうです。

「ある研究※1で気化式加湿器の微生物汚染について調べたところ、水を入れたタンクや濡れた状態の加湿フィルターには、1日から3日ほどで多くの細菌が繁殖したという結果が出ています。特に数の多かった細菌は自然界に広く存在する種類で、髄膜炎や尿路感染症を引き起こす可能性があり、免疫不全患者に影響を及ぼしたりするものでした。

同じように細菌が繁殖するかどうかは、種類や温度などの条件によっても異なるとはいえ、やはり加湿器の日常的なお手入れは必要。さらに、タンクに残った前日の水も翌日に使い回したりせず、必ず新しい水道水に入れ替えるようにしてください」

 

※1 勝井則明 他 気化式加湿器の微生物汚染に関する実験的研究。空気調和・衛生工学会論文集No.61,1996年4月。

加湿器で繁殖し、集団感染を引き起こしたレジオネラ菌

「また、加湿器に繁殖したレジオネラ菌という細菌が原因で、実際に集団感染が起こったケースもあります」と、清益さん。

「2018年1月、大分県の高齢者施設において80代~90代の男性3名がレジオネラ菌に感染しました。この原因となったのが、加湿器。タンク内で増殖したレジオネラ菌が、加湿された空気と共に放出されて室内に広がり、これを吸い込んだことで感染したと見られています。こうしたことからも、加湿器を使用する際はタンクの内部を洗浄するなど、常に清潔な状態にしておくことが重要です」

身近なところにも生息する! レジオネラ菌ってどんな細菌?

加湿器という身近なところから感染が報告されたレジオネラ菌。ドキッとしてしまいますが、そもそもレジオネラ菌とはどのような細菌なのでしょうか?

「レジオネラ菌は土壌や河川などの自然環境に生息していますが、本来その数は多くありません。問題となるのは人工的につくられた水環境で繁殖してしまうこと。循環設備が不十分な場所や、かけ流しではない温浴施設、冷却塔や噴水、そして加湿器などで見られます。レジオネラ菌に汚染された水環境からのエアロゾル(空気中に浮遊する微細な粒子)を吸い込むことで、レジオネラ症と呼ばれる感染症となる可能性があります。ちなみにレジオネラ症は人から人にうつることはありません」

肺炎を引き起こすこともあるレジオネラ症

肺炎を引き起こすこともあるレジオネラ症

レジオネラ菌の感染で引き起こされるレジオネラ症。病気のタイプとしては、主に「レジオネラ肺炎」と「ポンティアック熱」のふたつが知られているそうです。

「レジオネラ肺炎は細菌性肺炎と同じように、38℃以上の高熱のほか、頭痛や全身の倦怠感、食欲不振、筋肉痛、寒気、胸痛といった症状が起こります。ポンティアック熱は1968年、アメリカのミシガン州ポンティアックで起きた集団感染事例に由来して名づけられたもので、一過性の症状を起こします。症状は突然の発熱、寒気、筋肉痛のみなどですが、すぐに治るため、風邪を引いたと思ったら実はポンティアック熱だった、ということもあるかもしれません。発病率は95%と、感染してから発症までの潜伏期間は1日から2日とされています」

加湿器内のレジオネラ菌を防ぎ、レジオネラ症を予防する方法は?

「レジオネラ菌は60℃の環境なら5分で死滅するため、タンク内の水を加熱するスチーム式の加湿器は、レジオネラ汚染のリスクが低いとされています。また、前述のとおり、水を使い回さないことに加え、自然由来の菌のため塩素処理がされている水道水を使い、正しいメンテナンスをこまめに行うことが大切です」

また、菌は自分より小さな粒子には乗ることができません。気化式の加湿器は水蒸気の粒子がごく小さいため菌が乗れず、空気中に放出されづらいという報告もあります。

こまめにお手入れし万全な状態で加湿器を使おう!

写真:お手入れをがんばる女性のイメージ

レジオネラ菌のような細菌の繁殖を防ぐだけでなく、効率良く加湿するためにも、加湿器は万全の状態で使いたいもの。製品の取扱説明書に記載された各部のメンテナンス方法に添って、こまめなお手入れを心掛けましょう。

タンクの水を替える頻度はどれくらい?

清益さんのお話にもあったように、タンクの水は毎日取り替える必要があります。その都度、水洗いしておけばより安心な上に、汚れが蓄積されにくくなるのでおすすめ。

タンクや加湿フィルターだけではなく、吹き出し口もお手入れが必要

タンクや加湿フィルター、トレーなどは気を付けていても、意外と見落としがちなのが吹き出し口のお手入れです。清益さんによると、「水分のあるところは細菌が繁殖しやすいので、吹き出し口に水滴が付着したタイプなら注意が必要」とのこと。使用後はそのままにせず、しっかりと水分を拭き取るようにしましょう。

 

【パナソニック製 加湿機用 各種フィルター】

加湿フィルターの「汚れの落ちにくさ」、「加湿能力の低下」、「強いにおい」が気になってきたら、加湿フィルターごと交換することをおすすめします。加湿フィルターを購入される際は、加湿機本体品番と対応しているか、加湿フィルターの形がどうなっているかを確認するようにしてください。

*パナソニック製以外の加湿機や加湿機本体品番と対応していないフィルターは使用できませんので、ご注意ください。

お手入れしやすいのはこんな加湿器!

しっかり加湿と省エネを両立したパナソニックの加湿機『FE-KXU07』は、お手入れしやすいことも自慢のひとつ。凹凸の少ない加湿トレーや、手首まですっぽり入って洗いやすい広口タンクのほか、手でサッと拭きやすい吹き出しルーバーなど、面倒なお手入れを簡単にするさまざまな工夫を施しています。

加湿トレー
凹凸が少ないフラットな構造で、お手入れがラクに行えます。

加湿トレー

広口タンク
手首まですっぽり入る広口タンクだから、しっかり奥まで洗えます。

広口タンク

吹き出しルーバー
ルーバーはお手入れしやすい構造で、手でサッとふけます。

吹き出しルーバー

タンクや加湿フィルターだけではなく、吹き出し口もお手入れのしやすい加湿器ならより万全な状態で使っていただけることでしょう。

この記事で紹介した商品

清益 功浩

レジオネラ菌についての監修:清益 功浩

小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院小児科・アレルギー科で診療に従事。論文・学会報告多数。インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。総合情報サイト『All About』家庭の医学ガイド。

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