ダニに刺されてかゆいは勘違い!? 家にひそむダニの正体とは…
家にひそむダニの特徴や対策についての監修:藤原 千秋(ふじわら ちあき)
ライター:UP LIFE編集部
2021年6月18日
空気
梅雨時、暮らしのお悩みと言えばカビ……だけじゃありません。高温多湿の室内にはカビが生えやすいものですが、実はダニも梅雨が大好物。気付かないうちに大繁殖していた……なんてことにならないために、家にひそむダニの特徴や対策術を、掃除のエキスパートである藤原千秋さんに聞きました。
梅雨時は特に気を付けたいダニ! 繁殖条件を知っておこう
肉眼では見えづらくても、実は家の中にひそんでいるダニ。繁殖しやすい環境を藤原さんに聞いたところ、「温度25℃から30℃、湿度60%から80%くらい」との答えが返ってきました。
人が快適な温度&湿度は、ダニにとっても暮らしやすい…
「少し湿度は高いですが、私たちにとっても快適な環境ですよね。ふとんにいることが多いと言われるのも、人が一晩、眠っている間にコップ1杯以上の汗をかくから。さらに、フケやアカ、髪の毛、食べカスといった有機物をエサとするので、ふとんの上でお菓子を食べる……なんて習慣があれば、もはやダニを養っているようなものと言えるでしょう。また、ダニは暗い場所を好むので、冬に使っていたふとんをきちんと手入れせずに押し入れにしまい込んだりすると、ダニにとっては格好の住み処となります」
こんなところにも! 家の中でダニがひそみやすい場所
寝床の中や押し入れ以外にも、ダニはさまざまな場所にひそんでいます。
「畳の上にカーペットを敷いた和室は、ダニが繁殖しやすい環境ですね。湿気がこもる上に、暗い場所ができて過ごしやすくなりますから。同じように、布張りソファの上に布を掛けるといったことも、布をこまめに洗濯すれば多少は抑えられるものの、避けた方が良いでしょう。床で言うと、カーペットが敷き詰められているとダニが繁殖しやすいもの。また、畳の場合、今は内部が発泡スチロールのものが多いのでそれほど問題ありませんが、昔ながらのワラ床の畳や畳の下にはダニが生息しがちです。このほか、クッションやぬいぐるみ、しまい込んだ衣類なども注意が必要。ダニの種類によっては、小麦粉やカツオ節といった食品につくこともあります」
不快なだけじゃない。ダニの繁殖で起こること
では、家の中で繁殖したダニは、私たちの暮らしにどのような影響を及ぼすのでしょうか?
「ダニによっては体液を吸うために刺す種類もいるので、刺されてかゆくなることもあります。でも、それより怖いのはアレルゲンとなる可能性。生きているものだけでなく、死骸が乾燥して砕かれたものやフンなどの微粒子もアレルゲンとなり、くしゃみや鼻水、喘息などを引き起こすことがありますね」
ひと口に「ダニ」と言っても種類はいろいろ。家の中にいるのは…?
藤原さんによると、家の中に生息するダニは主に3種類いるそうです。
「室内のさまざまな場所に生息するのが、ヒョウヒダニ類。“表皮”と名が付くだけあってフケやアカなどを好みます。コナダニ類は小麦粉などの食品を好むため、密閉されていない容器に食品を入れているとその中で繁殖してしまうことも。どちらのダニも、人を刺すことはありません。
そしてこの2種類の増殖に伴って増えるのが、これらの体液をエサとするツメダニ類。ツメダニは誤って人を刺すことがあり、刺されるとかゆみを伴います。なお、吸血してかゆみを与える種類には、ネズミや鳥などに寄生するイエダニ類がいますが、近年はネズミがいる家もあまりないのでそれほど多くは見られません」
気にならない人も不安な人も実践したい、ダニの繁殖を抑える方法
聞けば聞くほど不安になるダニですが、実際にわが家で繁殖しているかどうかはわかりづらいもの。そこで、お困りレベルに合わせた対策を、藤原さんに教えてもらいました。
「ダニ? いるのかいないのか、わからない」と言うなら…
「特に困っていないという場合でも、今後、繁殖する可能性はあります。これを抑えるには、最低でも週に1回は掃除機をかけるようにしましょう。先ほどからお話している通り、寝室は特に注意が必要。みんなが過ごすリビングと違って、眠るだけだからと怠りがちですが、滞在時間は決して短くはありません。睡眠中は、寝返りをうって髪やフケが落ちたりするので、できればリビングと同じ頻度で掃除機をかけてください。
なお、自分では“ダニアレルギーはない”と思っていても、花粉症シーズンを終えて6月になったのに症状がなかなか治まらない場合や、何となく体調が優れないなどの不定愁訴が見られる場合は、ダニやカビのアレルギーという可能性があるので注意しましょう」
「たまにかゆかったり、くしゃみが出たりする」と言うなら…
「かゆいということは、ツメダニが発生している可能性があります。つまりツメダニのエサとなる、ヒョウヒダニやコナダニもそれなりに繁殖しているということ。朝、起きて症状に気付いた場合は、寝具を整えることが大切です。
週1回くらいでふとんにも掃除機をかけましょう。また、おさまらないようなら、洗えるものは1週間から2週間くらいの間に1度は洗濯を。コインランドリーなどの乾燥機で乾燥まで行うと、布団の中の湿気が減るので繁殖しづらくなります。
状が出るのがリビングなら、ラグやソファの掃除機がけは念入りに。こちらも洗えるものはすべて洗濯し、乾燥機までかけられると良いですね。また、寝室、リビングのどちらも、生きているダニを誘引し、乾燥させて退治するダニ捕獲用マットといった製品を使うのもオススメです」
「起きるたびにどこか刺されている!」と言うなら…
「上記の対策に加え、部屋全体に作用するダニ用の燻煙剤を使用しましょう。最近は煙が出ないタイプもあるので、集合住宅に住む方でも使いやすいと思います。このほか、畳用やカーペット用なども市販されているので、床で刺されてしまう場合はこれらを選ぶのも良いでしょう。
なお、吸血するイエダニが発生している場合は、ネズミが繁殖している可能性があります。ネズミは病気を媒介する生き物なので危険。早めに駆除業者に依頼することをオススメします」
何をおいても行うべきは湿度コントロール! 特に梅雨時は必須です
困り具合に合わせた対策はもちろんですが、「どの段階でも大事なのが湿度コントロール」と、藤原さん。湿度60%から80%を維持しなければ、ダニの繁殖は抑えられるそうです。
「湿度コントロールを上手にしたいなら、家の中のあちこちに温湿度計を設置するのがオススメです。どこが湿気やすいかを知れば、対策もしやすいもの。100円ショップで販売されている簡易的なものでも誤差は5%程度なので、トイレや浴室などは安価なもの、リビングや寝室などは正確なものを置くのが良いと思います」
雨の日が続く季節は「隙あれば乾燥」をモットーに
「たいていの家庭にあるものとなると、エアコンの除湿モードを利用するのが良いでしょう。気温が低めの時期だと寒く感じるかもしれませんが、湿度70%以上の日が続くようならぜひかけていただきたいですね。特に天気の悪い日など、洗濯物を部屋干ししたときは湿度がより上昇するので利用したいもの。また、晴れた日は家中の窓を開け、自然換気を行いましょう。“隙あれば乾燥”を心がけることが、梅雨時のダニ繁殖を抑えるコツです」
ふとん乾燥機を活用するのもオススメ!
「『ふとん乾燥機』も布団がためこんでしまった湿気を削減できるため、繁殖抑制につながります。掛けふとんと敷きふとんの間だけではなく、敷いているふとんやマットレスの下にも使うようにすると良いでしょう。除湿機も、ふとん乾燥機もいちいち使う度に物置から、よいしょとだすのは大変。できるだけコンパクトなものを選び、出しっ放しにして、いつでも使えるようにしておくようにしましょう。
どこからともなくやって来るダニは、家の中にいるものをゼロにするのはほとんど不可能。でも、気にしすぎるにも良くないものなので、こうした気軽に利用できるアイテムも取り入れましょう」
どんなものがある? 最新のふとん乾燥機をご紹介
湿度コントロールを第一に考えるなら、藤原さんのお話にもあったふとん乾燥機はぜひとも検討したいアイテム。最近は使いやすさに一層磨きがかかっており、毎日運転させたくなる梅雨時でも手軽に利用できるものが揃っています。
マットいらずでセットかんたん! ふとん乾燥機『FD-F06X2』
マットなしタイプの『FD-F06X2』は、ふとんの間にマットを入れて、ノズルをセットして……という手間が不要のふとん乾燥機。本体に収納されたノズルをさすだけと手軽なので、こまめに使う習慣が身に付きます。50℃以上の温風を発生させることで、ダニの繁殖環境の抑制として心強い存在。パナソニック独自の「ナノイー」機能も搭載しており、気になる枕(枕カバー)のニオイや頭皮臭の対策※1にもオススメです。
梅雨時からの高温多湿の環境でのダニの繁殖を防ぐためには、何をおいても湿度コントロールが重要。快適な暮らしのためにさまざまなアイテムを取り入れながらぜひ「こまめに除湿」を実践してみて下さい。
※1 吹き出し口から約15cmでの約20分後の効果です。脱臭効果は、周囲環境(温度・湿度)、運転時間、臭気、繊維の種類によって異なります。【試験機関】(株)環境管理センター 【試験方法】掛けふとんと敷きふとんの間に枕を入れ、ノズルを差し込み、吹き出し口から約15cmの位置で、6段階臭気強度表示法により検証 【脱臭の方法】「ナノイー」放出と、ふとん暖め・ふとん乾燥運転 【対象】枕カバーに付着した中高年模擬体臭(頭皮臭) 【試験結果】20分間で臭気強度が2低減 H147388003000DA(実使用空間での実証効果ではありません。)
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家にひそむダニの特徴や対策についての監修
藤原 千秋(ふじわら ちあき)
主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆。現在はライティングの傍ら監修、企画、広告、アドバイザリーなどに携わる。プライベートでは三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著監修書、マスコミ出演多数。総合情報サイト『All About』家事・掃除・子育てガイド。
2021年6月18日 空気
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