除湿機の電気代って、どのくらい? 洗濯物を早く&安く乾かす方法を知って、部屋干しの悩みを解消しよう

洗濯物を早く&安く乾かす方法と部屋干しの悩みについての監修:和田 由貴(わだ ゆうき)
ライター:UP LIFE編集部
2024年6月19日
空気

除湿機を使うと、部屋干しの洗濯物がカラッと乾く……。それは知っていても、電気代が心配で購入や使用をためらってしまう人もいるのでは? そこで実際に、除湿機を使うことでどのくらいの電気代がかかるのか、他の乾かし方とはいくら違うのかを試算してみました。除湿機の賢い使い方も節約アドバイザーの和田由貴さんに教えてもらったので、部屋干しのお悩みを抱えている方も、ぜひご一読ください。

除湿機のタイプは主に3種類。それぞれの特徴とかかる電気代は?

除湿機にかかる電気代は、除湿方式によって変わってきます。除湿機の主な除湿方式は“コンプレッサー方式”“デシカント方式”“ハイブリッド方式”の3つ。

表:3つの除湿方式

コンプレッサー方式は、空気を冷やすことで湿気を水に変えて取り除く方式です。消費電力は抑えられる反面、気温が低い時期は除湿能力が低下してしまうのがデメリット。

デシカント方式は、取り込んだ水分をヒーターで暖めて取り除きます。ヒーターを使う分、電気代は高めですが、低温でも除湿能力はキープできるのが特徴。

そして、上記ふたつのいいとこ取りをしたのがハイブリッド方式です。気温に合わせて、自動でコンプレッサー方式とデシカント方式を使い分けるため、1年を通じて電気代を抑えながら高い除湿能力をキープ。一方で、本体価格は他の方式に比べて高くなりがちです。

電気代だけを考えるなら、コンプレッサー方式やハイブリッド方式に分がありますが、使う季節や予算などによってはデシカント方式のほうが向いている場合も。こうしたメリットとデメリットを踏まえたうえで、自分の使い方に合ったタイプを選びたいですね。

どれがおトク? 除湿機以外の乾燥方法と電気代を比較!

写真:部屋干しした洗濯物を見つめる女性

部屋干しの洗濯物を乾かす方法は、除湿機を使う以外にもさまざま。そこで、それぞれの乾燥方法にかかる電気代のめやすを、和田さんが自身の家庭の環境を踏まえ試算。なお、和田さんは7〜8年ほど前にも一度比較してみたことがあるとのことで、その経験も踏まえ、おすすめの方法についても教えてもらいました。

★約4kgの洗濯物が乾くまでの時間で試算。電気代の計算式は以下のとおり。
1時間あたりの消費電力(kW)×1kWhあたりの電力料金単価(31円/kWh)×使用時間=電気代

部屋干し+扇風機で乾かす:約8時間でおよそ10円

部屋干しをした洗濯物に、扇風機の風を当てて乾燥させる方法。

・想定電気代…10円
・想定乾燥時間…約8時間

※パナソニック リビング扇 F-C324B ※ノッチ強(消費電力…60Hz:40W)で試算

「電気代は格段に安くなりますが、ただ風を当てているだけで、湿気を取り除くわけではありません。何もせずに干すよりはいいですが、他の乾燥方法と比べると乾くまでにかかる時間はだいぶ長くなるのと、長い時間湿った状態でおくことによる部屋干し臭などの懸念も」

浴室乾燥機を使って乾かす:約3時間でおよそ116円

電気式の浴室乾燥機を使って乾燥させる方法。

・想定電気代…116.25円
・想定乾燥時間…約3時間

※パナソニック 浴室換気乾燥暖房機 1室換気 FY-13UG7E(消費電力…50Hz/60Hz:1250W)で試算

「電気代がかなり高くなるので、日常的にとなると使いにくいかも。子どもの体操着や突然の雨で濡れた上着など、急いで乾かしたいものには向いていると思います。浴室自体も乾燥させられるため、カビの発生を抑えられるのはメリット。家電ではなく住宅設備なので、置き場所に悩むことがないのもいいですね」

全自動洗濯乾燥機で乾かす:約2時間でおよそ52円

ドラム式洗濯乾燥機の主流となる、ヒートポンプ式で乾燥させた場合。電気を熱に換えて乾かすヒーター式に比べ、電気代は安くなります。

・想定電気代…52円
・想定乾燥時間…定格洗濯乾燥時(標準乾燥モード):119分

※パナソニック ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX113CL(消費電力…定格洗濯乾燥時※標準乾燥モード: 960Wh)で試算

「今回、紹介した乾燥方法の中では、2番目に電気代が高くなります。また、シワになりやすい衣類には不向きという面もありますが、干す手間がかからず、乾燥までにかかる時間が短めというメリットも。小さいお子さんがいたり、家族が多かったりして洗濯物の量が多い場合も助かりますね。一方で、本体価格が高めで、スペースを取るので、気軽に購入しにくいかもしれません」

衣類乾燥除湿機で乾かす:約72分でおよそ13円

部屋干しした洗濯物の近くで、衣類乾燥除湿機を使用する方法。

・想定電気代…12.72円
・想定乾燥時間…標準:72分

※パナソニック ハイブリッド方式 衣類乾燥除湿機 F-YHX200B(消費電力…60Hz:340W)で試算

「電気代を抑えながら、スピーディーに乾かせるのが衣類乾燥除湿機。乾かすために必要な“除湿”に特化しているため、部屋干しした洗濯物がなかなか乾かないといったお悩みを抱えている人には、特にオススメの方法です。持ち運びができるため、洗濯物の乾燥だけでなく、部屋全体やクローゼットのように湿気がこもりやすい場所の除湿にも使えるのもポイントですね」

洗濯物をもっと効率良く乾かすために。除湿機の賢い使い方

写真:除湿機

部屋干しした洗濯物を早く乾かせば、当然ながら除湿機の稼働時間を短くして電気代をさらに抑えられます。効率良く乾かすコツを、和田さんに教えてもらいました。

できるだけ狭い空間で使う

「浴室や脱衣所など、狭い場所のほうが効率良く除湿できるので、洗濯物も早く乾きます。ドアは閉め切っておくのもポイント」

風が洗濯物に当たるように置く

「除湿機から出てくる風は乾燥しているので、しっかり洗濯物に当てることが大切。送風口の位置やルーバーの向きを確認して、最適な場所に置きましょう」

洗濯物の干し方を工夫する

「除湿機を使うときだけに限ったことではありませんが、洗濯物は間隔を空けて干すことで乾きやすくなります。また、厚手の衣類は裏返す、フード付きの衣類はフードが乾かしやすい形状のハンガーを使うといった方法も。フード付き衣類用のハンガーは100円ショップなどでも手に入るので、気になる方は探してみてください」

省エネ性アップ! 新開発の“エコ・ハイブリッド方式”衣類乾燥除湿機

冒頭で「除湿方式は主に3つ」とお伝えした除湿機ですが、実は新たな方式が加わったことはご存じでしょうか? その名も“エコ・ハイブリッド方式”。ふたつの冷却機構を搭載し、結露の仕組みを利用して空気中の湿気を除去。さらに、冷却器を通った冷たい空気も活用することで、高い省エネ性を実現しています。

グラフ:ハイブリッド方式715W エコ・ハイブリッド方式225W

この方式が採用されたパナソニックの衣類乾燥除湿機『F-YEX120B』は、ハイブリッド方式の従来モデルに比べ、消費電力を約1/3★1にまで抑えた1台。連続排水に対応しており、ホースをつないで排水が可能なので、タンクにたまった水をいちいち捨てる手間がないうえ、長時間使い続けることができます。また、ナノイーX(48兆)を搭載しており、部屋干しした衣類の除菌※1や部屋干し臭の抑制※2も実現。

★1 F-YEX120Bと当社従来品F-YHVX120における消費電力の比較(JIS基準による)。ただし乾燥時間は長くなります。

この『F-YEX120B』に対し、「送風域が広いのはいいですね!」と、和田さん。

「送風できる幅が約165cmということで、大量の部屋干し衣類にも対応してくれそうです。当然ながら、消費電力が削減されているのもうれしいポイント。1/3ともなれば、電気代もかなり抑えられると思います。すっきりしたデザインも魅力ですね」

*吹き出し口より高さ50cmにおいて

写真:衣類乾燥除湿機

この『F-YEX120B』以外にも、パナソニックではさまざまな衣類乾燥除湿機をラインナップ。コンパクトなハイブリッド方式の『F-YHX90B』やデシカント方式の『F-YZXJ60B』など、使い方に合わせて選べます。衣類や寝具、クローゼットなど、布製品の湿気をしっかり除湿してナノイーXでケアができるモードも搭載しているので、ぜひチェックを!

お財布にもやさしい除湿機を活用して、部屋干しのお悩み解消を!

花粉シーズンや梅雨時など、外に洗濯物を干せないときはありがちです。でも、和田さんによると、「部屋干しにしようと割り切ることで、生活のストレスはグンと減らせる」のだとか。

「近年はゲリラ豪雨なども発生しているので、安心して外に干しておくのは難しいですよね。それならいっそ部屋干しにすれば、雨続きで洗濯できないというストレスもたまらなくなります。部屋干しは、いかに早く乾かすかが肝心。時間がかかれば部屋干し臭が発生しますが、除湿機を使えば早く乾いてニオイも気にならず、部屋干しのお悩みからも解放されるので、ぜひ活用していただきたいですね」

部屋干しの乾燥方法として、コストパフォーマンスに優れた除湿機。自分にあった製品を選んで、上手に活用して部屋干しのお悩みを解消しましょう!

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洗濯物を早く&安く乾かす方法と部屋干しの悩みについての監修

和田 由貴

和田 由貴(わだ ゆうき)

洗消費生活アドバイザー、家電製品アドバイザー、食生活アドバイザーなど、幅広く暮らしや家事の専門家として多方面で活動。日常生活に密着したアドバイスを得意としており、「節約は、無理をしないで楽しく!」がモットー。耐える節約ではなく、快適と節約を両立したスマートで賢い節約生活を提唱している。総合情報サイト『All About』節約ガイド。

※1 約6畳空間での約7時間後の効果です。実使用空間での実証効果ではありません。実際の効果は、周囲環境 (温度・湿度)、運転時間、衣類の素材、形状などによって異なります。
※2 風呂上り後に使用⇒洗濯脱水の後の自然乾燥と、「ナノイー」放出・衣類乾燥運転を10回繰り返した後の洗濯後の衣類の効果です。

2024年6月19日 空気

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