一眼カメラで動画デビュー!いまさら聞けない「動画用語」を超簡単解説

ライター:CAPA編集部
2020年2月28日 エンタメ

一眼動画撮影の超入門:Part. 1 用語解説

YouTube(ユーチューブ)などの動画共有サービスの活況もあり、動画撮影に興味をもっている人は多いでしょう。ビデオカメラに限らず、最近では一眼カメラも動画撮影機能が充実しており、機材の面でも動画デビューしやすい環境になりつつあります。

しかし、動画撮影は初心者がイチから始めるにはハードルが高いイメージがありますよね。その要因の1つは、動画撮影にまつわる難解な専門用語ではないでしょうか。

そこで、ここでは最低限知っておきたい必須用語をピックアップ。これらを押さえておけば、今後の動画撮影における理解がスムーズになるはずです。

記録サイズ(FHD/4K)

画質設定画面のイメージ

現在よく使用されているサイズフォーマットは「4K」と「FHD」の2種類。この4KとFHDの違いは、記録される動画の縦横サイズです。一部の上級者向けのカメラには4Kよりもさらに高画質な「6K」や「8K」、あるいは映画などで使われる少し横長の「シネマ4K」といったフォーマットに対応したモデルも存在します。

4K(3840×2160)=約829万画素、FHD(1920×1080)=約207万画素

【FHD(フルエイチディ)】
FHDまたはフルHDと表記されます。FHDは横約1920画素×縦約1080画素(=約207万画素)の動画撮影が行えます。横サイズが約1920画素と2000画素に近いことから2K動画と省略して呼ばれることもあります。

【4K(ヨンケー)】
4Kは横約3840画素×縦約2160画素(約829万画素)の動画撮影が行えます。縦と横それぞれがFHDの2倍のため、画素数としてはFHDの約4倍となります。こちらも横サイズが4000画素に近いことから4K動画と呼ばれています。最近ではテレビも4K動画を表示できるものがウリになっており、現在の標準サイズになりつつあります。

FHDと4Kの使い分け

記録されるサイズの違いはそのまま画の緻密さ(=画質)の違いにつながります。当然、記録サイズが大きい4KのほうがFHDよりもきれいですが、そのぶんデータが重くなったり、再生や編集を行う機器に相応の高スペックが必要になったりするなどの注意点もあります。

使い分けとしては、子どもの成長記録や校内活動の記録といった記録目的の撮影であれば、たいていの機器で再生できるFHDで十分な画質。またFHD動画はDVDに簡単に焼いて保存できるという利便性もあります。一方、4K動画の場合はBD(ブルーレイディスク)に焼く必要があります。

ただし、今後は4K対応機器もさらに普及していくことが予想されますし、4K動画をFHDに変換(ダウンコンバート)することもできるので、記録メディアの容量に余裕があるのであれば将来を見越して4Kで記録しておくのもよいでしょう。

記録形式(MP4/MOV/AVCHD/XAVC S)

記録方式設定画面のイメージ MP4(AAC) PCでの再生などに適した動画を撮影できます

動画を圧縮して記録する形式にも種類があります。初心者が覚えておくべき記録形式は「MP4」「MOV」の2種類。加えて、「AVCHD」「XAVC S」の2つもカメラによっては見かけることがあるでしょう。

【MP4(エムピーフォー)】
現在最も普及している記録方式で、パソコン上で再生するのに便利な方式として開発されました。最近はこのMP4方式のなかでFHD記録や4K記録を選べるのが主流になっています。

【MOV(エムオーブイ)】
Windowsパソコンとの相性はあまりよくありませんが、動画の編集作業をMacなどで行うのには向いています。

【AVCHD(エーブイシーエイチディー)※1
ビデオカメラで撮影された動画をテレビで見ることを想定した記録方式。高圧縮されるため、記録する記録メディアの容量が少なくても撮影することができます。

【XAVC S(エックスエーブイシー エス)※2
高ビットレートのFHD記録や4K記録が行える記録方式。MP4形式記録と同じように扱うことが可能です。

記録方式の使い分け

SNSや動画投稿サイトにアップする目的なら、汎用性の高いMP4形式が安心。Macでの動画編集が前提であればMOV形式を選択してもよいでしょう。

フレームレート・ビットレート・音声記録方式

画質設定画面のイメージ

上の画像を見てください。ここまで解説してきたとおり、MP4は記録形式、1920×1080(=FHD)は記録サイズですが、残りの項目は何を表しているのでしょうか?

60pというのは「フレームレート」、28Mbpsというのは「ビットレート」、AACというのは「音声記録方式」を表します。それぞれ詳しく見ていきましょう。

フレームレート

画質設定画面のイメージ

1秒間に記録するコマ数を示したもので、fps(frames per second)という単位で表され、この数字が大きいほど動きがなめらかできれいに見えます。例えば60fpsとは1秒間に60コマ(60フレーム)で記録されることを表します。一般的には60fps、50fps、30fps、25fps、24fpsの5種類が使用されます。動きが多く、速いものを撮影する際は30pだとややパラパラ感が出てしまうため、60pを選択しましょう。

1秒間に記録するコマ数のイメージ 3コマ、6コマ、30コマ、60コマ コマが多くなるほど動きがなめらかになる

カメラの設定画面などでは「60fps」ではなく「60p」と表記されていることもありますが、これはほぼ同じ意味です(※)。
※60pの「p」は「プログレッシブ走査」という読み出し方式のこと。これとは別に「インターレース走査(i)」という方式もあり、フレームレートの数字の後ろにpやiをつけて区別しています。プログレッシブ走査のほうがきれいに見え、最近のカメラではほとんどがプログレッシブ走査方式を採用しています。

ビットレート

画質設定画面のイメージ

ビットレートはbpsという単位で表示される、動画の情報量や大きさをデータ量で示す数字。数字が大きくなればなるほど高画質記録になります。前のフレームレートの選択によって同じ記録方式でも30コマと60コマではデータ量が変わり、当然ながら60コマ記録のほうが高ビットレートになります。

音声記録

画質設定画面のイメージ

動画撮影時の音声記録方式にも種類があります。ここでは一般的な3種類を簡単に紹介しましょう。

【AAC(エーエーシー)※3
現在一番多く使用されている録音形式です。アナログ信号をデジタルデータに変換し録音する形式の1つで、一般的にはFHD記録や4K記録での音声録音はAAC録音が一番多く使用されています。

【LPCM(リニアピーシーエム)】
こちらもアナログ信号の音声をデジタルデータに変換して録音する方式の1つですが、変換時に圧縮せず録音されるのでAACに比べ音質の劣化が少なく、クリアな録音が行えます。

【ドルビーデジタル※4
アナログ信号の音声をデジタルデータに変換して録音する方式の1つです。映画やDVD、BDなどに使用されています。

フレームレート・ビットレート・音声録音のまとめ

動画記録ではフレームレートや音声録音方式により、同じ時間記録してもデータ量の大きさであるビットレートが異なります。カメラでは、記録サイズ・記録形式にこれらを組み合わせたものから設定を選択して撮影することになります。

高ビットレートでの撮影は画も良く音も良いぶんデータ量が大きくなるため、大容量で読み書き速度が速い記録メディア(SDカードなど)が必要になります。

仕上がり設定

シネライクDのイメージ

カメラでの写真撮影時には、「風景」や「ヴィヴィッド」、「モノクローム」といった「仕上がり設定」を選びますよね。これは色合いやコントラストの強弱の傾向をモード選択で簡単に切り替える機能です。動画撮影でも同様に専用の仕上がり設定が存在します。メーカーによって名称などは異なりますが、ここではパナソニックの仕上がり設定「フォトスタイル」より、代表的な2つを紹介します。

【シネライクV】
シネライクVはコントラストを重視しており、簡単な編集作業だけでテレビやSNSで美しく再生できます。初心者に向いたフォトスタイルといえるでしょう。

【シネライクD】
シネライクDはパソコンなどで色や画質を調整することを前提に開発された、ダイナミックレンジ優先のモード。編集に向いており、中級者以上が使用するフォトスタイルといえるでしょう。

ワンランク上の動画機能

ここまでは基本的な用語を解説してきましたが、最後にワンランク上の動画撮影機能について触れておきましょう。これらは上級者向けモデルや動画特化モデルなど一部の機種にのみ採用されているので、初級者がいきなりすべて覚える必要はありません。

【4:2:2 10bit記録(フォートゥートゥーテンビットキロク)】
暗部から明部までの階調を表すもので、通常は4:2:0 8bit記録ですが、より高画質を求めて色情報を多く取得できるようになったのが4:2:2 10bit記録です。

動画の色空間は本来専門的にはYCbCr(YUV・YV12など)ですが、ここではわかりやすくRGBに置き換えて簡単に説明します。通常の8bit記録の場合、RGBそれぞれを256階調で記録しているので256×256×256で約1,677万通りの情報量になるのに対し、10bit記録ではRGB1024×1024×1024なので約10億通りの情報を記録できるようになっています。単純に考えても桁違いの情報であることがわかるでしょう。

【Log記録(ログキロク)】
通常よりも広いダイナミックレンジの動画が記録できる方法で、「V-Log」や「S-Log」など、メーカー各社で呼び名が異なります。編集を前提とした記録方式であり、また非常に広い範囲の情報を記録するため大容量のデータサイズになるので一般用途には向きません。

【HDR動画(エイチディーアールドウガ)】
基本的にはこちらも広いダイナミックレンジの動画を撮影できますが、再生するテレビや液晶モニターを選びます。HDR対応の液晶パネルを搭載してないと再生はできません。

おすすめミラーレス一眼カメラ

【その1】
LUMIX G99

写真:LUMIX G99

パナソニック LUMIX Gシリーズの静止画ハイエンドモデル「G9 PRO」の操作性、画質、信頼性を継承したミラーレス一眼カメラ。ミドルクラスモデルながら、動画に関しても4K30pに対応するなど一眼デビューに必要十分な機能を備えています。長時間の動画撮影時に重宝するUSB給電にも対応。

【その2】
LUMIX GX7 Mark III

写真:LUMIX GX7 Mark III

コンパクトなフラットデザインのエントリー向けミラーレス一眼カメラ。連続撮影時間が約30分という制限はあるものの、4K30pの動画記録にも対応します。約450gと軽量かつスリムボディのため、持ち運びが容易なのもうれしいポイント。

【その3】
LUMIX GH5S

写真:LUMIX GH5S

高感度性能と動画記録性能を強化したミラーレス一眼カメラ。映画制作で用いられるシネマ4K(4096×2160)サイズでの60p動画記録や4:2:2 10bit記録にも対応するなど、プロの映像制作現場のニーズに応える動画記録機能を搭載しています。

※1 AVCHDはパナソニック株式会社とソニー株式会社の登録商標です
※2 XAVC Sはソニー株式会社の登録商標です
※3 AACはドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイションの登録商標です
※4 ドルビーデジタルはドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイションの登録商標です

「ライター/CAPA編集部」
プロフィール:1981年創刊のカメラ&写真雑誌。新製品解説記事におけるユーザー本位の深い考察と、性能がよくわかる比較テスト企画が幅広い世代から支持されている。ウェブ版「CAPA CAMERA WEB」では日々の新製品ニュースやフォトコン・写真展情報、撮影テクニック、撮影地ガイドなどの情報を配信中。

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