一眼動画デビュー前に知っておきたい動画と写真の決定的違い

ライター:CAPA編集部
2020年3月23日
エンタメ

一眼動画撮影の超入門:Part. 2 動画と写真(静止画)の違い

一眼動画をはじめたばかりの頃は、なんでもかんでも“なんとなく”で撮ってしまいがち。ともすると「これなら写真でもよかったのでは?」といったものばかりができあがり、見返すのが億劫になってせっかく湧き上がった撮影意欲が失せてしまうこともありますよね。

そうならないために理解しておきたいのが、動画と写真(静止画)の違いです。大雑把に言ってしまえば動画は文字通り“動く画”で写真は“静止した画”、ということになるのですが、実はほかにも異なる部分はたくさんあります。

本稿では動画の特徴や適したシーンなどを解説。これらを踏まえた上で、動画ならではの撮影を楽しみましょう。

前提条件:横縦比(アスペクト比)の違い

※本記事はパナソニックから、CAPA編集部に「LUMIX」を提供した上、本記事の作成を依頼し、内容を編集して掲載しております。

写真撮影時は、カメラによって初期設定ではアスペクト比が4:3や3:2などに設定されていますが、メニュー画面からその他のアスペクト比にも変更可能なことが多いです。一方、動画については基本的に使用できるのは16:9のみ。写真ではあまりなじみのないアスペクト比なので、少し感覚のズレを感じるかもしれません。

以下、代表的なアスペクト比を並べて比較しています。同じシーンでも受ける印象が少し異なることがわかります。

4:3比率

4:3比率で撮った写真のイメージ

一眼カメラではLUMIX Gシリーズなどマイクロフォーサーズ機がデフォルトとして設定しているアスペクト比。スマートフォンでもよく使われます。SNSやレポート書類の中に入れる写真サイズとして適した形をしています。

3:2比率

3:2比率で撮った写真のイメージ

ライカ判とも呼ばれるサイズで、フィルム時代から写真サイズといえばこの3:2比率が多く用いられてきました。一眼カメラでは主にAPS-C機やフルサイズ機のデフォルト設定となっています。

16:9比率

16:9比率で撮った写真のイメージ

主に動画で使用される比率で、テレビの画面いっぱいに表示できるメリットがあります。写真でもテレビで鑑賞することを前提とした場合には使用されることもあります。

1:1比率

1:1比率で撮った写真のイメージ

SNSなどで見かけることの多い、正方形スタイル。最近ではプリントして飾ってもオシャレだと人気で、専用の写真額なども登場しています。

狙いと撮影スタイルの違い

狙いと撮影スタイルの違い

写真は「一瞬」を切り取るものなので、動きや光などを上手く利用し、1枚だけ見た場合でもインパクトやストーリーを感じる作品に仕上げることが重要です。そのため、より良い構図やタイミングを狙って撮影場所をこまめに変えながら撮影していくことが多いですよね。

一方、動画は最高の一瞬を常に狙うというよりは「変化」をどう見せていくかが大切なので、いったん構図を決めたら撮影者(カメラ)はあまり動かずどっしり構え、画面の中が動く様子を記録していくのが基本です。

また、音声が記録できるのも動画の強みで、上の動画でも徐々に大きくなるエンジン音によって飛行機が近づいてくる様子が臨場感たっぷりに伝わってきます。こうした動きや音の変化を見せるのが動画のコツです。

そのほか、動画は複数シーンを編集によって組み合わせて仕上げる場合も多く、写真では単体で作品になりづらいような周辺の様子も積極的に撮影しておくとよいでしょう。

動画で撮影したいシーン

ここからは、普段よくあるシチュエーションのなかで、特に動画撮影がおすすめのシーンを3つご紹介します。

被写体が動いているシーン

前述の通り動画は“変化”を見せるものなので、当然ながらメインの被写体が動いているような撮影シーンと相性が良いです。動き回るペットや子ども、移動する乗り物などはもちろん、自然風景であっても花が風で揺れている様子や水が流れる様子など、ちょっとした動きでも捉え方しだいで面白い作品になります。

写真の場合、動きが速かったり不規則だったりする被写体のベストな瞬間を捉えるのはなかなか難しいもの。その点、動画であれば被写体の動きにあわせてカメラを動かすことで動きや表情などを“流れ”で捉えることができ、撮り逃しがありません。動画では動き全体を捉えながらカメラを被写体と同じ方向に動かすのがコツです。

写真だと物足りない日常シーン

写真だと物足りない日常シーン

上の写真は、シャボン玉遊びをしているシーン。ポートレート撮影などでも定番のシチュエーションで、シャボン玉がキラキラしていてきれいではあるのですが、どことなく物足りなさも感じます。

一方、同じシーンを動画で撮影すると、シャボン玉が動いて画に変化が出たほか、人物の表情や仕草さなどから人柄や楽しげな雰囲気が伝わり、自然と引き込まれる作品となりました。

このように、写真1枚で語るには少し物足りない日常シーンでも、動画であれば場の雰囲気で見る人を引き込むことができます。特に動きが可愛らしい子どもやペットの撮影と相性がよいでしょう。

ブレやすい室内での撮影

ブレやすい室内での撮影

室内での写真撮影、特に人物やペットなどの生き物を撮影する場合、野外ほど光が明るくないので被写体がブレてしまうことがよくあります。上のようなブレブレ写真、経験はありませんか?

ストロボなどを使用することでブレを回避することは可能ですが、非日常的な光になり雰囲気を壊すこともあります。また、ISO感度を上げる方法もありますが、今度は画面のノイズが気になってきます。

その点、デジタル一眼を使用しての室内での動画撮影では、高感度撮影になるものの静止画のように一瞬を記録するわけではないので比較的きれいかつブレずに記録することができます。

モデル/江川 もにか(シェリーズ・エンタテインメント)

「ライター/CAPA編集部」
プロフィール:1981年創刊のカメラ&写真雑誌。新製品解説記事におけるユーザー本位の深い考察と、性能がよくわかる比較テスト企画が幅広い世代から支持されている。ウェブ版「CAPA CAMERA WEB」では日々の新製品ニュースやフォトコン・写真展情報、撮影テクニック、撮影地ガイドなどの情報を配信中。

2020年3月23日 エンタメ

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