光を制するものは写真を制す!写真の基本を学ぶ

監修・ライター:大貝 篤史
2022年2月17日 エンタメ

一眼ミラーレスカメラを購入した人に是非意識してほしいポイントがある。それは「光」だ。より完成度の高い写真を撮るためには、光の向きを意識するとメリハリのある写真が撮れます。

光の差し込む向きを意識する

写真:水面のイメージ

写真学校などで学ぶと最初に教わるのが「光の向き」です。写真とは光をいかに意識して撮影するかが重要なポイントになります。そもそも「色」というのは光がなくては見ることができず、光の強さに大きく左右されます。屋外では太陽光、屋内では照明光など生活の中に光というのは存在しているのです。では、写真を撮影するにあたり、どんな光の種類があるのでしょうか。

①順光
撮りたい被写体に対して正面から光が当たることを順光と言います。この光は基本の光で、もっとも写真を撮るときに多用しています。特に風景写真の撮影には向いており、光源が正面なので、均一に光があたり、メリハリのあるスッキリした色合いで撮影できます。また、ポートレート撮影においては、被写体の肌色などが自然に描け、健康的に写し出せます。指針になる光ですね。

ポートレート撮影などでもオーソドックスな手法。被写体全体に光が当たることで、細かいディテールまでしっかり写せるのがメリット。色合いも忠実だ。 ※LUMIX S5で撮影

写真:女性が景色のいい場所でで写ってるイメージ

②逆光
順光とは逆に、撮りたい被写体の背後から光が当っている状態を指します。最近のポートレート写真では積極的に「逆光」を用いる傾向があり、人気の光です。難点は背後から照らすので、被写体自体が影になるため手前が暗くなってしまいます。その反面、人物撮影では柔らかい光となり、女性らしさやエモーショナルな雰囲気を演出することができます。また、植物などは透けることで、生命の息吹を感じる撮影が可能となります。
昨今では、「RAW」という撮影データ形式が多用されているので、暗部を後から明るくするなど、逆光のシーンがより扱いやすくなっています。

落ち着いた雰囲気を醸し出しながらも、被写体をやんわりした印象に仕上げることができる。撮影時のコツは、背景の光に露出を合わせすぎないこと。でないと、手前がかなり暗くなってしまう。 ※LUMIX S5で撮影

写真:女性が逆行で暗く写ってるイメージ

逆光撮影時に光芒(こうぼう)を取り入れることで、緑の生き生きとした雰囲気を演出できる。光芒の筋をきれいに見せるためには、かなり絞り込む必要があるため、シャッタースピードの低下に注意が必要だ。 ※LUMIX S5で撮影

写真:木々に太陽の光が入ってきてるイメージ

③サイド光(斜光を含む)
被写体に対して、横から光が差し込むことをサイド光といいます。よく用いられる撮影シーンにポートレートがあり、サイドから被写体に対して光を当てるため、顔の輪郭などが強調され、よりメリハリのある印象を表現できます。人物撮影に用いることで、凛々しさを写真に加えることができます。この光の特長は「輪郭強調」にありますので、ブツ撮りやテーブルフォトにも応用できますね。真横ではなく、斜め45°からの光を「斜光」と呼ぶことがあります。これもサイド光の一種です。

サイド光の最大のメリットは陰影を付けやすいこと。輪郭強調されたコントラストが強い写真を撮ることができる。ポートレート意外にも製品撮影時にプロが使う手法のひとつです。 ※LUMIX S5で撮影

写真:女性がベンチに座ってるイメージ

トップ気味のサイド光をいれることで、果実の生き生きとした新鮮さを演出。また、立体感も同時に強調できます。 ※LUMIX G100で撮影

写真:ミニトマト

光をコントロールすることで印象の違う写真が撮れる

写真:海辺で撮影された女性のイメージ

光の向きを理解し撮影することで、同じ場所にいても印象の違う写真を撮ることができます。下の写真のように、モデルがいる場所が同じでも光の当たり方が違うことで、微妙に印象が変わります。少し意識することで写真のバリエーションが増え、撮影がもっと楽しくなりますよ。そのためにも撮影前に心がけたいのが「イメージを持つ」ことです。
本格的な作品づくりではなく、友人か家族の撮影、旅の記録…。どんな撮影でもシャッターを切る前に自分自身がどんな写真を撮りたいのかを脳内でしっかりとシミュレーションしましょう。そうすることで、意図的に状況をつくることができ、撮影スキルが格段にアップします。コンテストなどに応募している人からよく聞かれる質問が「どうしたら写真がうまくなるのか」です。この答えがまさに「イメージを持つこと」で、どんどんうまくなります。光を読むことで、よりイメージしやすくなり、さらにそれを具現化するのにも光をコントロールする…。まさに光は写真の「原点」です。

写真左:逆行気味での斜光で撮影することで、被写体は若干アンダーになったが、ほほの部分には光があたりメリハリのある写真になった 写真右:順光気味に撮影することで、被写体全体に光が当たり、明るい雰囲気に。生き生きとした被写体のイメージを演出できる

さらに光量を意識して撮影する

写真:LUMIX S5のレンズを絞るところのイメージ

次に気を付けたいのは「光量」です。これはシャッタースピードと絞り値、ISO感度の3つの要素でコントロールします。ISO感度をあまり上げてしまうと、ノイズが目立ちますので、まずはシャッタースピードと絞り値で調整します。LUMIX S5は1/8000秒までメカニカルシャッターが使用できますが、それでも光量を抑え込めないなら、レンズを少し絞込むことで、光量を減らすことができます。一般的に絞り値は、ポートレートの場合にはf2前後、風景写真の場合にはf5.6前後で使用することが多く、後は自分のイメージに合わせてセレクトするのがいいでしょう。
この2つの項目でも調整ができなくなったらISO感度を上げ下げすることでさらに光量を調整します。

写真:LUMIX S5の動画を撮る画面のイメージ

また動画撮影にも光を読むことが応用できます。タイムラインがある動画こそ継続した視覚的変化を要求される分、効果てきめんです。しかし、気をつけたいのは光量を調整するのが写真よりも少し厄介な点です。そこでおすすめなのが「可変式NDフィルター」です。
このフィルターは光量を調整するために必要なフィルターで、「サングラス」のような役割を果たします。可変式のメリットは、一枚のフィルターで濃度を細かく変更できることです。製品にもよりますが、ND3~400程度まで光量をコントロールできるものが多く、光の向きによって変化する光量をリアルタイムに調整が可能です。

写真のようなKenko可変NDフィルター PL FADER ND3-ND400を使うことで、レンズに入るこむ光の量をコントロールすることができる。動画を本格的にやるなら必須アイテムだ。 ※LUMIX S5で撮影

Kenko可変NDフィルター PL FADER ND3-ND400

「光を制するものは写真を制す!」とよく言われていますが、何気なく撮るのではなく、少しでも意識することでまた違った写真ライフが楽しめるかもしれませんね!

LUMIX S5で撮影したイメージ動画「Hideaway」

モデル:安倍 萌生

写真:大貝篤史さん

監修・写真・ライター:大貝 篤史

大阪府生まれ、横浜育ち。東京学芸大学を卒業後、数々の出版社で編集業務を行うかたわら、誌面写真の撮影も行う。
2011年からスナップシーンでのポートレート作品を撮りはじめる。17年に朝日新聞出版を退社後、フリーディレクターとして活躍しながら、作品づくりも鋭意実施。20年6月まで写真誌「アサヒカメラ」のディレクターとして業務を行う。15年には個展「安倍萌生写真展」、17年、18年、19年と「育ち盛りの写真家写真展」に参加。それ以外にもポートレート写真展「HUMAN COMPLEX」を実施。

2022年2月17日 エンタメ

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