おさえておきたいカメラの基礎知識

カメラの基礎的な使い方についての監修・写真・ライター:大貝篤史
2022年3月17日 エンタメ

どんな事でも「基礎が重要」と言いますが、カメラも同じです。基礎をしっかりと理解していれば、自分の意図に合った写真を撮れるようになります。ここでは理解しておきたいカメラの基礎的な使い方についてお話します。

カメラの撮影モードをよく理解する

写真:カメラの撮影モードを変更する箇所のイメージ

※本記事はパナソニックから、大貝 篤史さんに「LUMIX」を提供した上、本記事の作成を依頼し、内容を編集して掲載しております。

カメラにはたくさんの撮影モードがあります。カメラを購入して真っ先に思うのは、どのモードで撮るのがいいのか?ではないでしょうか。結論から言うと、まずは「Pモード」がおすすめです。これは一般的には「プログラムモード」といい、シャッタースピードと絞り値(f値ともいう)を適正露出に自動で合わせてくれます。本来なら、撮影者がシャッタースピードと絞り値を自分で設定し、適正露出にするのですが、それをカメラ側がオートで行います。カメラの知識がそれほどなくても、とにかく「すぐ撮りたい」人におすすめです。

絞り優先AEモード プログラムAEモード

さらに表現力を付けたい人は「Aモード」をおすすめします。これは一般的には「絞り優先モード」といい、絞り値のみ自分好みに設定し、シャッタースピードはカメラ側が考えるというモードです。なぜこのモードが「表現力」につながるかと言うと、写真表現においてもっとも変化がわかりやすいのが絞り値の変更だからです。

【代表的な撮影モード】※LUMIXの場合

撮影モード できること
P(プログラムAEモード)被写体の明るさに応じて、シャッタースピードと絞り値の設定をカメラが行う。
A(絞り優先AEモード)絞り値を手動で設定して撮影する。シャッタースピードはカメラが自動で設定。
S(シャッター優先AEモード)シャッタースピードを手動で設定して撮影する。絞り値はカメラが自動で設定。
M(マニュアル露出モード)絞り値とシャッタースピードを手動で設定して撮影する。
iA(インテリジェントオートモード)被写体や撮影状況に合わせてカメラが最適な設定を自動で行う。カメラまかせで気軽に撮りたいときにおすすめ。

絞り値の変化で写真は変わる

写真:カメラの絞り部分のイメージ

よく写真雑誌などのレンズレビューページなどで見る「絞り開放値」や「被写界深度」というワードがあります。レンズには絞り羽というものが付いており、これを開いたり閉じたりすることで、光の量をコントロールしています。その絞り羽をもっとも大きく開いた状態を「開放」と呼びます。その状態の時にどれだけ光が入るかを数値化したのが「開放値」だと思ってください。この数値が低いほど、たくさんの光を取り込むことができます。

左:開放気味 右:絞り込み気味
レンズの「絞り羽」は開いている場合には、たくさん光を取り込み、閉じている場合は少ししか光を取り込みません。

左:開放気味 右:絞り込み気味

カメラ内のセンサー部へ届く光の量をコントロールする要素には「絞り」と「シャッタースピード」の2つがあります。シャッタースピードでコントロールしきれなくなった場合には、絞りで調整するなど、撮影者の意図に合わせて設定していきます。ではどちらを調整すると、より変化が得られるかというと、「絞り値」を調整するほうが得られやすいです。
それは、背景コントロールがしやすくなるからで、絞りを開放にする(f値を小さくする)とボケやすくなり、逆に絞り込む(f値を大きくする)と写真全体により解像感が生まれます。この変化は、非常に視覚的にわかりやすいため、プロカメラマンもよく使う手法です。

絞り値と被写界深度の変化 f1.4 ピント面は非常にシャープだが、被写界深度が浅いため周辺はかなりボケる。注目させたい部分を際立たせることができるので、ブツ撮りやポートレート撮影などによく使われる表現方法だ f8 かなり絞り込むことで、写真全体にピントがあり、より「面」での情報量が多くなる。広い範囲をしっかりと見せたいのであれば、絞り込むことをおすすめする。風景写真などはかなり絞り込むことが多い

先程のAモードで撮影すれば、絞り値は任意で設定でき、カメラがシャッタースピードを自動で調整してくれます。操作に慣れてきたら両方を手動で設定する「Mモード」(一般的にマニュアルモードと呼ばれる)でより作品性の高い写真を撮ることができます。

ISO感度は「調整幅」

写真:カメラのISO感度を設定するイメージ

カメラの設定項目を見ていると、気になるのがISOだと思います。これはフィルム時代でいうところの「感度」に該当します。よく「ISO」、「ISO感度」と呼ばれています。これは、センサー部が光に対してどれだけ敏感なのかというイメージで捉えるとわかりやすいです。数値が高いほど「敏感」に、低いほど「鈍感」だという感じです。「じゃ敏感なほうがいいのでは?」と思われがちですが、そうでもなく、ISO数値が高くなるほど「ノイズ」が発生したり、シャープさが失われます。それは写真自体の劣化を意味するので、やはり適正に選ぶ必要があります。

一般的には、晴天時はISO200前後、曇天時はISO400前後、室内はISO800前後、夜間はISO1600前後が目安になります。最近のデジタルカメラはとても優秀でISO3200前後でも目立つノイズはあまり出ないものがほとんどです。

ISO100に設定し、JPEG(スタンダード)で撮影したが、背景のボケにノイズはなく、ディテールもしっかり出ている ※LUMIXS5で撮影

ISO100

ISO6400に設定し、JPEG(スタンダード)で撮影。ISO100での撮影と比べると、ややノイズが増え、ディテールも少しぼやけてしまう ※LUMIX S5で撮影

ISO6400

仮に、ISO200にセットし、絞りを自分好みにしたときにシャッタースピードが、遅くなってしまい手ブレしてしまうなら、ISOをより高い数値に設定することで、シャッタースピードがより速くなります。その結果、手ブレが軽減されます。この原理を覚えていくとカメラを操る楽しさが倍増します。

写真の記録形式は自分に合ったものにする

写真:カメラのRAW設定画面のイメージ

いざ写真を撮ろうと思ったときに、迷いがちなのが記録形式です。デジタルカメラを購入すると、ほとんどのモデルに、JPEGもしくはRAWというワードが出てきます。メーカーの初期設定では、JPEGになっていることが多く、なんとなくそのままで撮影している人が多いと思います。簡単に解説すると、JPEGとは圧縮された形式でフォトスタイルなどの効果が反映された画像データです。逆にRAWとは非圧縮なデータでフォトスタイルなどの効果が反映されていない「生(RAW)」データです。

JPEGとRAWのデータ量を比較してみると、ファイルサイズがかなり違うことがわかる。それほどRAWには豊富なデータ量が記録されている

写真左:JPG設定で撮影した写真の詳細イメージ 写真右:RAW設定で撮影した写真の詳細イメージ

まだ初心者なら、迷わずJPEGを選択するのをおすすめします。JPEGはカメラ側の「画像エンジン」の効果が反映されているため、ライブビューファインダー(LVF)で見たものに近いデータになります。RAWデータはさらにパソコンなどの「現像ソフト」を使用してより高度な調整を行いたい人が使用します。
RAWは非圧縮なため、豊富な色データと色階調を持っており、プロカメラマンなどはRAWデータを調整し、自分の世界観を表現したりします。筆者は「RAW+JPEG」を選択することが多く、フォトスタイルが反映されたもの、そして後で微調整が必要になったときのための保険としてRAWデータも同時に記録します。
ここで気をつけたいのは、同時記録の場合にはデータ容量が大きくなるため、SDカードの容量は最低でも64GB程度のものを使用することをおすすめします。

最後に

最近のデジタルカメラはとても多機能になっています。すべての機能を最初からフル活用するのは難しいと思います。まずはしっかりとカメラの基礎的な使い方をマスターし、その後フォトスタイルで写真に効果を付けたり、超高画質な写真が撮れるハイレゾモードなど一歩進んだ使い方をしてみるともっと写真を撮るのが楽しくなりますよ。

この記事で紹介した商品

写真:大貝篤史さん

カメラの基礎的な使い方についての監修・写真・ライター:大貝篤史

大阪府生まれ、横浜育ち。東京学芸大学を卒業後、数々の出版社で編集業務を行うかたわら、誌面写真の撮影も行う。
2011年からスナップシーンでのポートレート作品を撮りはじめる。17年に朝日新聞出版を退社後、フリーディレクターとして活躍しながら、作品づくりも鋭意実施。20年6月まで写真誌「アサヒカメラ」のディレクターとして業務を行う。15年には個展「安倍萌生写真展」、17年、18年、19年と「育ち盛りの写真家写真展」に参加。それ以外にもポートレート写真展「HUMAN COMPLEX」を実施。

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