家事はすべて妻まかせだった夫が専業主夫に。シングルファーザーの家事事情。
ライター:UP LIFE編集部
2023年4月4日
家事・くらし
「しない家事」の雑誌広告にご出演の木本努さんは、3人の子どもたちを育てるシングルファーザー。2009年奥様をガンで亡くされたその日から、主夫としての生活が始まりました。2014年には自らが苦労した「料理・裁縫」などを学ぶ場としてNPO法人を設立。
そして今は、シングルファーザー向けのサポートや講演活動を多数行なわれています。主夫歴10年以上。父子家族としてくらす自宅にお邪魔して、家事に関する話を伺いました。
家事はできなかった。すべて妻まかせでした。
2009年ガン告知から僅か12日後に妻、富美子さんを亡くした木本さんは、当時会社の代表取締役でした。仕事と子育て、家事を両立させるために奮闘しましたが、4年後に代表を辞任し専業主夫として子どもと向き合うことを決意されました。
木本さん:妻が亡くなってしばらくは、社長という立場もありましたから仕事は続けていました。疲れやイライラが積もる日々でした。そんな私の精神状態は、子どもたちにも影響が出てしまいました。身体の調子を崩し、常に寂しそうな様子の子どもたち。これではダメだ。本気で子どもたちと向き合わないといけないのではと思いました。社長の代わりはいる。でも、親の代わりはいない。今、子育てをとらないと一生後悔するとの結論に至り、迷いはなくなりました。仕事を辞め、家事と子育て中心の専業主夫になると決めました。
最初に覚えた家事は、洗濯でした。
木本さん:とにかく家事は妻まかせだったので、ほとんど何もできない状態でした。でもやらないといけない。まず始めたのが、子どもの衣類の洗濯です。洗濯機に洗濯物を入れるだけという簡単なことではないんです。手順が分からない。洗剤や柔軟剤をどう入れたらいいのかが、まず分からないんです。そこからのスタートでした。洗濯をする、干す、取り入れて畳む。できなかった家事が少しずつできるようになると嬉しくなって、次は自分で考えるようになりますよね。どうしたら家事が早く終わるか、効率を考えるようになったんです。時短を気にすることで、家事が少し楽しくなった気がしました(笑)。
家事は想像以上に大変。家事には終わりがない!
木本さん:主夫となって気付いたことは、家事には終わりがないということでした。家事をする習慣がなかった私は、とにかく目の前にある家事を1つずつやっていくしかありません。「手を抜けば」と言われても、抜いたら誰がするのだろう?私がやるしかない。抜いたら抜いた分溜まる気がして、家事って終わらないなあ~と日々思っていました。生前の妻の大変さを理解できたのもこの頃です。思い返せば、食後の後片付けを手伝った際も「手伝ってあげた」と上から目線だったように思えます。手伝うのではなく、家事は一緒にやるものなんだと10年以上主夫をやってみてようやく分かりました。
※本記事はパナソニックから、「しない家事」の雑誌広告にご出演の木本努さんに、「食器洗い乾燥機」を提供した上、インタビューを依頼し、コメントの内容を編集して掲載しております。
食器の手洗いを「しない家事」に。食洗機は最高のパートナー!
3人の男の子を1人で育てる木本さん。毎日の料理作りは大変だったそうです。けれども喜んで食べてくれる子どもたちの笑顔を励みに、料理の腕は日に日に上がっていったと言います。でも好きになれないのが食後の後片付け。そんな木本家に食洗機がやってきました。
これぞ究極の、時短家電!
木本さん:むちゃくちゃ時短です。時短を考えることで家事の楽しさを見つけた私が言うんですから(笑)。自分の代わりのようにも思っています。凄く助かっていて毎日使いまくりです。食器の手洗いをする時間が他のことに使えるから、生活が変わりました。講演の仕事も増えてきたので、資料作りや準備も結構大変なんです。食後の後片付けをしなくてはいけないというプレッシャーからの解放は、思っていた以上に嬉しいものですね。
溜まっている汚れた食器を見て思わず溜息…。それがなくなった!
木本さん:365日家事をして思ったのは、私は料理を作るのは苦痛ではないけれど後片付けは嫌いということですね。料理は作った後に達成感がある。子どもたちが喜んで食べるのを見るのは嬉しい。でもその後、汚れた食器はシンクの中でそのままです。1回手を抜いたら溜まり、その溜まった食器を見ただけで溜息が出るんです。家事に対してのモチベーションが下がる瞬間です。もちろん子どもたちも手伝ってくれますけど、毎日じゃない(笑)。
使わない食器まで、ピカピカに!?
木本さん:食洗機を使うと、びっくりするくらいキレイに洗えるので、食器棚で眠っている食器も全部洗いました。ピカピカです(笑)。妻が使っていた食器や調理器具、それら全部です。キレイになって今度は私が使う。どんな料理に使おうか、これは何に使う器具だろう?と妻の顔を思い浮かべながら、新しい料理にチャレンジしてみようと思う瞬間は楽しいです。「しない家事」効果がこんなところにも出てきました(笑)。
家事は勉強。子育ては親育て。
「シングルファーザーだから、大変ですね」「よく頑張ったね」そう言われることが今もあると語る木本さん。孤軍奮闘したのは事実だけれど、年月を経るにつれ経験値も上がり、家事も子育ても視点が変わってきたという木本さんに現在の心境を語っていただきました。
木本さん:シングルファーザーとしては、まだ進行中。正直大変なことはあります。でも逆にそれを楽しんでいる自分が今はいます。家事についても工夫をするようになって、男性脳から女性脳に変わってきた感じがしています(笑)。視点が変わりました。1つの事をやりながらいろんな事ができるのが女性なのかも。10年以上主夫をしたおかげで、今は妻の、母親としての気持ちが分かる気がしています。
子どもたちのおかげで成長できた!
木本さん:妻が亡くなって、いきなり11歳、6歳、2歳という3人の子育てが始まりました。初心者が一から経験していくわけです。悪戦苦闘の日々を重ねていくうちに、子育てとは実は親育てだということに気付きます。それ以降我が家は1つのチームであり、リーダーは私なんだと思うようになりました(笑)。男子寮の寮長のイメージです。家事も面白おかしく家族みんなができるよう、ジャンケンで決めるなど工夫しました(笑)。「子どもにガミガミ言ってはいけません。家はくつろぐ場所です」というママ友のアドバイスも真摯に受けとめましたよ。子どもたちを信頼しつつ、寮長としての距離感を考えました。
家事はできないのではなく、やったことがなかっただけ。家電も有効活用!
木本さん:家事や子育てって、やってみないと分かりませんよね。私もそうでした。母や妻がやってくれるのを当たり前として受けとめていました。けれどもシングルになり、すべて自分でしなければいけなくなった。当たり前のことが当たり前でないことにようやく気付いたんです。子育てはさておき、家事は方法を知れば対応ができます。工夫だってできる。面倒に思える家事は家電にどんどん頼ればいいんです。食洗機がいい例です。掃除も面倒ですよね。毎日するのが苦手で、ついつい週末に一気に掃除するようになっています。ロボット掃除機もいいかも知れません(笑)。
我が家は男子寮みたいなものです。と繰り返す木本さん。お父さんで先輩であり、リーダーでもある木本さんとお子様との会話は、とても楽しそうで自然な感じが漂い、父子時間の蓄積を感じさせられます。そんな木本さんに「今一番欲しい時間」「したいこと」は何かを聞いてみました。
木本さん:「もっと遊べよ」とか友達から言われるんですけど、今は、子育てを楽しんでいるので、私はこの毎日があればいいんです。末っ子が高校を卒業するまでは家事の勉強の時間と思っています。まだまだできていないことが多いので(笑)。子どもが全員独り立ちをして本当に自由な時間ができたら?妻とよく行っていたアメリカに野球を観に行くかなあ(笑)。その後は、私のようなシングルファーザーのお役に立てることを考えていきたいです。プランはありますよ(笑)。
男子寮の寮長と自負する木本さんには、3人の男の子がいます。独り立ちをした長男、一緒にくらす2男3男です。お子様にはシングルファーザーとして頑張る木本さんはどう映っているのでしょうか。3男の孝太くんにお父さんについて、またお父さんの家事について聞いてみました。
孝太くん:好きなところは優しいところ。苦手なところは大きな声を出すところ。凄いなと思うところは家事を1人で全部してくれるところ。僕も家事全般を手伝います。食器洗い(食洗機が来る前)、お風呂洗い。ご飯を運んだり、他にもいろいろなことをしています。
笑顔で答える孝太くんを優しく見つめる木本さんは、家事も子育ても勉強中と常に謙虚な姿勢が印象に残ります。主夫として家事をすることで、子どもたちとの距離が近くなったという、木本さんの想いはしっかりお子様にも届いているように見えました。いつも話しかけているという天国の奥様も、ご家族の様子を見守るかのように写真の中で微笑まれていらっしゃいます。
たくさんの素敵な話をありがとうございました。
「食洗機をまずは試してみたい」という方におすすめします!
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2023年4月4日 家事・くらし
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