雷で家電やパソコンが壊れる「雷サージ」とは?今すぐやっておきたい雷対策

ライター:UP LIFE編集部
2021年8月16日
防災

全国的に夏場がピークの落雷。停電など広範囲に及ぶ被害をもたらしますが、「雷サージ」により家庭のパソコンや家電などが壊れてしまうこともあります。この記事では、雷サージとは何か、また雷サージ対策や停電時の家電製品の取り扱いについてご紹介します。

家電が壊れる「雷サージ」とは?「直撃雷」「誘導雷」についても解説

「雷サージ」とは、落雷時に一時的に発生する過剰な電圧・電流のことで、家電やパソコンの故障の原因となります。雷サージは、「直撃雷」や「誘導雷」から発生します。

「直撃雷」は対象物に直接落ちて「誘導雷」は誘導電流を起こす

  • 直撃雷…雷が直接対象物に落ちるもので、落雷被害をなくすことはほぼ不可能
  • 誘導雷…落雷した際に発生した電圧が誘導電流を起こし、周囲に影響を及ぼすもの

この雷の電圧が、電線・電話線・TVアンテナ線など外部とつながるケーブルをつたって屋内に流れこみ、家電やパソコンに誤作動や故障をもたらす原因となります。

画像:落雷時に一時的に発生する過剰な電圧・電流の流動イメージ

特に最近では、パソコンやテレビなどインターネット回線とつながったネットワーク家電が増えてきています。これらネットワーク家電はコンセントだけでなくアンテナ線、ケーブルなど様々な配線で結ばれているので、雷の被害でネット接続ができなくなる、電源が入らなくなるといったトラブルに巻き込まれる可能性も高く、実際被害にあった際の修理や買い替えの手間も大きくなります。

雷鳴がとどろく前に雷対策を!

雷被害を防ぐには、電源と家電やパソコンを遮断すること。ただ、都度の抜き差しは手間になりますし、そもそも落雷が迫っている時に電源に触れるのは大変危険です。

備え① 雷をブロックする雷サージ保護機能付きの電源タップを利用する

いちばん簡単な対策は、雷サージ保護機能付きの電源タップを利用することです。完全には雷サージの被害を防げませんが、被害にあう確率を下げることはできます。

雷サージ保護機能付きの電源タップは、雷の過剰な電圧を吸収して家電の故障を防いでくれます。ただし、ずっと利用できるわけではありませんので要注意。一度、過電圧を吸収した電源タップは保護機能を失います。雷サージ保護機能付き電源タップが正常に機能しているときはランプが点灯しているので、ランプが消えたら買い替えが必要です。また「タコ足配線しない」「雷が鳴っているときは抜き差ししない」といった点にも注意してください。

画像:電源タップイメージ

備え② 雷保険で修理や買い替えの出費をカバーする

もう一つの対策は雷保険への加入です。故障を防ぐ方法ではありませんが、修理や買い替えの出費を補うことができます。落雷は天災なので、雷で家電が故障、損傷してしまった場合、メーカーの無料保証期間内であっても修理は有償になります。販売店の延長保証や火災保険(家財)によっては落雷被害の補償を付けられるものもあるので、事前に調べておくとよいでしょう。

「雷が鳴り始めた」「停電になった」「家電が故障した」時の正しい対処法

では、実際に雷が発生したときは、家電をどのように取り扱えば良いのでしょうか。

雷が鳴りはじめたら電源には触らない!

画像:電源コードに触れることを禁止している様子

雷が鳴りはじめたら、感電の恐れがあるので家電やパソコンの電源には触れないでください。特に電話機やファクス、ネットワーク家電など複数のケーブルで接続されている通信機器は被害を受けやすくなっています。テレビの電源やアンテナ線、電話機・ファクスの電源や電話機コード・子機用充電台・電源プラグには触れないように注意しましょう。

停電になったら電源プラグを抜く!

画像:停電時の夜景

停電してしまった時は、家電製品の電源プラグをコンセントから抜くことをおすすめします。これは復帰の際に、電源につないでいる家電製品が一斉に運転を再開してヒューズやブレーカーが飛ぶ恐れがあるためです。特にエアコンや電子レンジなどは電力を多く使用するので、優先的に対応しておくと良いでしょう。

また、タイマー設定をしている製品は、復帰後に設定が取り消しになるものがあります。例えばテレビやブルーレイレコーダーの録画予約はそのまま残りますが、エアコンのタイマー予約は解除されます。タイマー機能が動かない!と後で困らないように、以下のサイトや各製品の取り扱い説明書を確認しておくと安心です。

落雷後に故障?と思ったらまずは本体の電源を確認する

もし落雷後に家電が使えなくなっていたら、雷が去って安全な状態かご確認の上、一度電源を切り、本体の電源プラグを入れ直してみてください。停電があった場合はご自宅のブレーカーもご確認を。それでも電源が入らない場合は、販売店やメーカーの相談窓口へ点検・修理を依頼しましょう。

画像:固定電話

電話機・ファクスの場合は、接続している他の機器やアンテナ線の不具合の可能性もあります。まずはどこに原因があるのか、こちらのフローチャートでご確認ください。

画像:ドアホンイメージ

また、落雷後にドアホンが使えなくなるケースも少なくありません。電池式かどうかなど、機種によって対応が異なりますのでこちらでご確認ください。

まとめ

雷といえば夏だけではなく、冬雷、春雷という言葉があるように、地域によっては夏以外の季節も備えが必要です。「うちだけは大丈夫」と思い込まず、雷の被害を受ける前に気象情報などを事前に確認して対策しておきましょう。
気象庁では10分ごとの発雷予報も発表しています。こちらを参考に雷が発生する前に家電やパソコンの電源プラグ・各ケーブルを抜いておく、雷の被害が大きくなりそうな場合は安全な場所に避難するなど、早めの対応を心がけたいですね。

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2021年8月16日 防災

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