災害時に心強い食料品の備え「ローリングストック法」って?

災害に備えた保存食の備蓄法についての監修:澁川 真希(しぶかわ まき)
ライター:PHPくらしラク~る♪編集部
2020年3月10日
防災

地震や台風などの災害に備えて保存食を用意していても、使う機会がないまま賞味期限切れになるのはもったいない!食料品も収納スペースも無駄にしない、かしこい備蓄法をご紹介します。

持ちすぎず、無駄がない食料品の備蓄「ローリングストック法」

水、野菜、卵のイラスト

災害に備えて食料品を備蓄するとなると、真っ先に思い浮かぶのが、賞味期限が3~5年と長く、水や熱を使わなくても食べられる非常食です。でも、そうした非常食は種類が限られているうえ、食べなれていないために口にあわないことがあります。
そこで、おススメしたいのが、「ローリングストック法」です。これは、家族がいつも食べている食材・食品や、好きなものを多めに買っておき、普段の食事で消費したら、使った分を補充し、つねに一定量を家庭に備蓄するというものです。
ローリングストック法には、以下の3つのステップがあります。

【STEP1】食べなれた食品を備蓄する
家庭で日ごろ食べなれている食品を中心に、災害時に必要とされる目安の「家族の人数×7日分」の食料品を備蓄する。

【STEP2】日常的に料理に使用する
備蓄した食品が賞味期限切れにならないように、日常的に消費し、新しいものに入れ替える。

【STEP3】消費した分を補充する
食べて消費した分は忘れずに買い足して補充し、必要量を下まわらないようにする。

ローリングストック法で覚えておきたい3つのポイント

では、ローリングストック法では具体的にどのようなことをするのか、ポイントは3つです。

 

【POINT1】ストックするのは「食べなれた食品」

パスタ、レトルトカレー、トマト缶、ツナ缶、玉ねぎ、じゃがいも、バナナのイラスト

災害対策用に備蓄した食料品は、普段は目にすることがないので、いざというときに賞味期限が切れていたり、数や量が足りなかったりすることがあります。
そうならないために、いつも食べているものや好きなもの、すぐに食べられるものを買い置きして保存・備蓄することが大切です。つらい災害時にも、簡単な調理でいつもと同じ食事ができるのは、とても心強く、気持ちが落ち着きます。
ここで、備蓄しておきたい、おもな食品をあげておきましょう。

  • 米(2kg×2袋 大人2人の場合7日分)
  • 水(1人1日3L×家族の人数×7日分)
  • 肉・魚……ランチョンミート、(魚肉)ソーセージ、焼き鳥の缶詰、サバの水煮缶、ツナ缶など
  • 野菜類……トマト缶、コーン缶、切り干し大根、野菜ジュース、豆乳など
  • くだもの……バナナ、みかんなど
  • レトルト食品……カレー、中華丼など、冷蔵できるものと常温保存できるものの両方
  • 乾物類……わかめ、お麩、ひじきの乾物、豆のドライパック、高野豆腐など
  • その他……チーズ、フリーズドライの味噌汁、カップスープ、食パン、シリアル、栄養補助食品、ゼリー飲料など
  • お菓子……ようかん

【POINT2】備蓄した食品は普段から食べる

ツナ缶をおかずにご飯を食べる女性のイラスト

冷蔵庫や冷凍庫に入れてある備蓄食品は、賞味期限や保存した日付の古いものから順に、日常の食事で食べることが大切です。常温保存できる缶詰などの加工品は、緊急避難グッズと一緒に収納するのではなく、必ず管理しやすい場所に収納し、賞味期限切れにならないように注意しましょう。
災害が起きて停電した場合は、冷蔵庫や冷凍庫に入れてあるものから食べるようにします。長時間にわたって停電すれば、中に入っているものは間違いなく傷むので、生鮮食品や冷凍食品は早めに食べることを心がけましょう。

【POINT3】食べた分は早めに補充する

備蓄メモを見て、食パンと豆乳の補充が必要なことを確認する女性のイラスト

災害用に食品を備蓄する場合、家族の人数×7日分が目安といわれています。これをもとに、食品ごとに必要な数量をメモし、キッチンの目につきやすい場所に貼っておきましょう。普段の食事で食べたら、必要な数量を下まわらないうちに、すぐに買い足しておくことが大切です。食品の補充には、通販や宅配サービスの定期便を利用するのもおススメです。

「ライター/PHPくらしラク~る♪編集部」
プロフィール:月刊誌「PHPくらしラク~る♪」は、料理、掃除、収納、お金管理、段取り術といった家事から、人間関係やストレスなどの心理問題、開運方法など、何気ない毎日をラクに楽しく過ごせるように応援する生活情報誌です。

災害に備えた保存食の備蓄法についての監修

澁川 真希

澁川 真希(しぶかわ まき)

整理収納コンサルタント。整理収納・家事代行サービス「コンフォートスタイル」代表。
NPOハウスキーピング協会の整理収納アドバイザー1・2級認定講師として活動中。最近は2011年3月に起きた東日本大震災での被災経験をもとに「減災整理セミナー」や日常から備える「備蓄食材管理セミナー」を開催し、日ごろの備えの大切さを伝えている。

2020年3月10日 防災

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