スポーツトレーナー直伝!トレーニング前の正しい「おしりケア」

近年、おしり周りのトレーニングがブームになっていますが、より効果的に鍛えるために欠かせない“重要なポイント”があるのをご存知ですか?そこで今回は、スポーツトレーナーで「美コアトレーニング」創始者の山口絵里加さんに、トレーニング前の正しい「おしりケア」についてお話をうかがいました!

スポーツトレーナー直伝!トレーニング前の正しい「おしりケア」スポーツトレーナー直伝!トレーニング前の正しい「おしりケア」

山口絵里加さんプロフィール

(株)ライフストリームジャパン代表取締役社長。美コアトレーニング創始者。スポーツトレーナー。2014年に、独自のメソッド「美コア」を考案。美コア東京スタジオを中心に、日本だけでなく海外でもレッスンを開催している。

写真:山口絵里加さん

おしりの構造を知ろう!

山口さん「女性特有のラインは、腰のくびれに対しておしりが3割増し、そして脚に対しておしりが3割増しに見えるラインがもっとも魅力的と言われています。くびれに対してキュッと引き上がったおしりはたしかに素敵ですが、だからといって、ただ大きくするだけではNG。大切なのは、骨盤おしり周りの筋肉のトレーニングと、トレーニング前の正しいマッサージです。それにはまず、おしりの構造を知ることが大事だと私は考えます。」

写真:山口絵里加さん

キーワードは「梨状筋」

山口さん「図Aは、おしりの筋肉と骨盤をイラストにしたものです。向かって左は外側にある大きな筋肉=“表層筋”を表しています。おしりに手を当てたときに触れられるいちばん大きな筋肉が『大臀筋』。そこから繊維が走行して、腱が骨盤に付着しています。一方、向かって右は、奥にある見えない筋肉=“深層筋”を表しています。深層筋は『中臀筋』『小臀筋』『梨状筋』と大きく3つに分かれていて、私がもっとも注目しているのはピンク色に塗ってある『梨状筋』という筋肉です。この梨状筋が張ってしまうと、神経が圧迫され、腰などにしびれや痛みが出ることがあります。ですから、トレーニング前は梨状筋をしっかりマッサージすること。そうすることで、外側にある大臀筋がパフォーマンス良く使えるようになります」

左図:表層の筋肉、右図:深層の筋肉

現代人の多くは、おしりの筋肉を正しく使えていない!?

山口さん「股関節を起点に、しっかりとおしりの筋肉を伸ばす。日常生活の中でこれができていれば、特に鍛えなくてもおしりの筋肉は維持できます。しかし、現代人の多くは、筋肉をうまく使えていません。その代表的な要因として、パソコン作業などによる“姿勢の悪さ”と、長時間座り続けることによる“圧迫”があります。おしりの疲れをほうっておくと、おしりの筋肉が凝り固まって腰が反り、その結果、背中の筋肉を使いすぎて腰が痛くなるという悪循環が生まれてしまいます。」

写真:山口絵里加さん

正しい「おしりケア」は、まず“ほぐす”こと

山口さん「筋肉が正しく使えていないと、疲れや痛みにつながります。正しい『おしりケア』のポイントは、まず、奥にある梨状筋を“ほぐす”こと。おしりの筋肉をほぐして、骨盤を整える。おしりや下半身に筋肉をつけたいという人こそ、最初におしりをほぐすことからはじめてください。私が主宰する『美コア』トレーニングでも、最初におしりの筋肉をほぐすことを推奨しています」