Interview 平塚真康 | LAMDASH DNA
ラムダッシュの剃り味を磨きつづける超絶技巧。
金型製作 平塚真康
ラムダッシュ外刃の進化を支える「匠の技」
「超絶技巧」、やはりそう表現するしかない。
技能社員養成所を経て、彦根工場へ。彼は30年以上、刃の金型製作一筋に打ち込んできた。
外刃の金型の場合、12×38ミリの狭い空間に1,300もの凹凸がひしめく。温度、湿度まで完全管理された作業空間。1000分の1ミリ単位の誤差を正確に削り取り、超硬の金型を完璧に仕上げるのはダイヤモンド微粒子を付着させた針状の工具「エンドミル」、そしてそれを精妙に操る熟練の技巧。この超絶技巧あってこそラムダッシュの外刃のデリケートかつ着実な進化は可能になった。
特に、最良の削り味を得るためにエンドミルを研磨調整する技術において、彼は文字通りの第一人者である。試行錯誤を繰り返し、ようやく理想に近いエンドミルを得たのはラムダッシュが誕生する少し前。この時削り上げたリニアスムーサーの金型は「光り輝いて見えた」という。
より高みを目指す「モノづくりの心」
ひとつの型を仕上げるには実に3ヶ月を要する。超硬といえども摩耗・劣化するため何度もつくり直さなければならない。 彦根品質は「世界一」、そしてラムダッシュは「技術のカタマリ」と彼はいう。その重みのすべてが彼の見つめるエンドミルの先端に集中している。
より高みを目指すモノづくりの心を先輩にたたき込まれ、仲間たちと磨き抜いてきた。技能五輪、国家試験にもチャレンジしクリアしてきた。 こうしたハードルを超えることで人は着実に育ってゆく。
ただ、彼が走り続けてきたのはマニュアルのない領域。ミクロのさじ加減、皮膚感覚の測定能力まで伝えていくことは確かに難しい。
でも、だからこそ「取り組むべき課題は、人材の育成」と言い切る。不可能にも思える難しいことを可能にするからこそ無二の価値が生まれる。
その体現者の思いは、人という光り輝く素材にも向けられている。