エアコン冷房と
除湿の違いや仕組み、
使い分け方を解説

雨が多い梅雨の時期は、それほど暑くないのに肌がべたつき、不快感を感じる事がよくあります。そんなジメジメする梅雨を乗り切り、快適に過ごしたいですよね。今回は、エアコン機能の使い分け方など、今すぐできる湿気対策をご紹介します。

室内の梅雨のジメジメを解消したい

梅雨の時期って、まだ暑くはないけど、湿度が高くてジメジメするなあ。 今年は、家の中で過ごすことが多くなりそうだし 例年より、しっかり湿気対策していきたいかも。

みんなはどれくらい梅雨の対策をしているのかな?

悩ましい表情をしている女性のイラストです。

エアコンを使って梅雨の湿気対策をしている人は6割以上

パナソニックにて、男女551名に「梅雨の湿気対策」の調査を実施!なんと6割以上の方がエアコンを使って湿気対策をしているという結果に。その中でも、7割近くの方が「冷房」と「除湿」のどちらを使うべきか迷ったことがある、と回答しました。

Q1:
梅雨の湿気には、どのように対策をしていますか?

n=551

エアコンを使う(冷房/除湿/ドライ)63.2%、窓を開けて風通しを良くする42.1%、扇風機を使う28.9%。6割以上がエアコンでジメジメ対策。

Q2:
エアコンの冷房と除湿、どちらを使うべきか迷ったことがありますか?

n=71

いつも悩んでいる17.3%、時々悩んでいる50.9%、あまり悩んだことはない25.4%、悩んだことはない6.4%。※2021年4月パナソニック調べ。7割近くの人が迷った経験あり。

調査結果から、梅雨対策にエアコンの需要がある一方で、その多くの人が、どの機能が湿気対策に適しているのか、悩んでいることがわかります。 ここからは、エアコンの「冷房」と「除湿」、どのように使い分けるべきか、わかりやすく解説していきます。

家事アドバイザーが教える!エアコン以外にも身近なものでできる湿気対策

エアコンの活用以外にも、身近にあるものが除湿対策グッズに。

新聞紙の画像です。

新聞紙

クシャクシャっとしてから広げた新聞紙は、湿気や臭いを吸着する力が高く、優しい作用の吸湿グッズに変身!

コーヒー豆の残りかすの画像です。

コーヒー豆の残りかす

炒った豆には、炭のような吸湿と脱臭の効果があり、ドリッパーごと乾燥させるとどこでも置ける便利な除湿剤の出来上がり!

霧吹きと重曹を手に持った女性の画像です。

重曹

重曹は臭いを取り除く除湿剤にもなり、ハーブや精油を混ぜて玄関や洗面所などに置くのがおすすめ!

家事アドバイザー 毎田 祥子(まいだ しょうこ)さんプロフィール

家事アドバイザー、ライター&コラムニスト。企業広報や生協で生活用品や全国の食品生産者へ取材を重ね、独立。ハウスクリーニングやハーブ、アロマ等の資格も生かしたmix家事を提案。著書『ラクしてちゃんとした暮らしができる“朝だけ家事”』、監修『おばあちゃんの歳時記暮らしの知恵』等。新聞雑誌等マスコミ出演多数。

毎田祥子さんのプロフィール画像です。

「冷房」と「除湿」の違い

そもそも、「冷房」と「除湿」にはいったいどんな違いがあるのでしょうか。

温度を優先的に下げるのが「冷房」、そして湿度を優先的に下げるのが「除湿」です。「冷房」は「除湿」よりも強い風を出し、部屋の温度を大幅に下げるのに向いています。「除湿」には、冷やされた空気がそのまま噴出される「冷房除湿」と、暖めなおした空気が吹き出される「再熱除湿」の2つの方式があります。

エアコンの「冷房」と「除湿」の3つのタイプ

この「冷房」「冷房除湿」「再熱除湿」、3つのタイプを解説します。

風量:大、温度変化:大、除湿量:中

冷房

・冷たい空気を強く吹き出し、温度を優先的に下げる
・お部屋が暑く、すばやく冷却したいとき、温度と湿度を両方下げる(設定温度になると湿度は大きく下がらない)

風量:小、温度変化:中、除湿量:中

冷房除湿

・室温を下げすぎないよう風量を抑えながらの運転のため、弱い冷房としても使える
・長時間のエアコン運転でも省エネ

風量:中、温度変化:極小、除湿量:大

再熱除湿

・冷えた空気を再び暖めてから吹き出すため室温が下がりすぎない

エアコンが空気中の湿度を下げる仕組み

エアコンの「除湿」機能の仕組みをわかりやすく解説します。

エアコンの「除湿」機能は、まずお部屋の湿った空気を本体に取り込み、その空気を本体内部の熱交換器で急激に冷やします。 すると、空気中に含まれていた水分が結露して熱交換器に水滴が付着し、冷やされた空気が部屋に戻されます。

エアコンが空気中の湿度を下げる仕組みを解説したイラストです。水滴、熱交換器、水受け皿(ドレンパン)、送風ファン、ドレンホースそれぞれの働きと位置関係が分かります。

エアコン内部の湿度を下げる仕組みは、「冷たい飲み物を入れたグラスに水滴がつく現象」に例えることができます。 グラスに入った冷たい飲み物が、まわりの空気を冷やし、空気中の水分がグラスの表面に結露します。気温とグラス(=エアコンでは熱交換器にあたる)の温度差が大きいほど、グラスにつく水滴が増えやすく、周りの空気は除湿されます。

空気は急激に冷やすほど大幅に湿度も下がるため、じつは設定温度によってはエアコンの「冷房」の方が「除湿」よりも除湿量が多い場合があるのです。

グラス周囲の空気中に水蒸気が漂っているイラストです。

通常の状態

・空気中には水蒸気が含まれている
・空気の温度が高いと、含むことのできる水分量が多く、温度が低いと少なくなる

空気中の水蒸気が減り、グラスに結露が現れているイラストです。

空気が冷やされた状態

・空気中に蓄えられる水分量が減る
・減った空気中の水分は水に変わり、グラス周辺に結露として付着する (=除湿)

空気中の水蒸気が更に減り、グラスの結露が多くなっているイラストです。

空気がさらに冷やされた状態

・空気中に蓄えられる水分量がさらに減る
・水が冷やされるほど、グラス周辺に多く結露する

各方式のまとめ

エアコン内部を冷やして室内から熱や湿度を取るという仕組みは「冷房」と「除湿」で同じです。

暑かったらまず冷房。前述のとおり冷房は「温度を下げることを優先」、除湿は「湿度を下げることを優先」した運転になります。冷房か除湿か迷ったときは、外気温の環境も考えて運転する「自動」モードを使うといいでしょう。

ただし除湿には室温を下げずに除湿する「再熱除湿」という方式があり、再熱除湿は冷房よりも電気代が高くなるので、電気代を気にされている方は方式を確認しましょう。

各方式の違いをまとめた表です 各方式の違いをまとめた表です

快適除湿モード

室内外の温度環境に合わせて熱交換器の除湿部分をかしこく自動でコントロール。室温低下を抑えながら、設定湿度になるように除湿します。

快適除湿モード

冷房と除湿の使い分けがわかったから、
ジメジメした梅雨や、暑い夏の時期を快適に乗り切れそう!

エアコン以外にもできる湿気対策も一度試してみようかな。

スッキリとした表情の女性のイラストです。