非常が日常へ。コロナ禍をきっかけに何が変わった?家事に関するライフスタイル調査第5弾!

ライター:UP LIFE編集部
2023年4月4日 家事・くらし

コロナ禍をきっかけに、朝昼晩の食事の準備や片付けなど、1日中続く家事に疲れてしまった人は多いのではないでしょうか。2021年に実施した「家事に関するライフスタイル調査第5弾」によると、夫婦の家事に対する考え方の違いが浮き彫りに。調査結果から、その原因を探ります。

増える「家事時間」と変わらない「家事分担」

2021年4月に実施した「家事に関するライフスタイル調査 第5弾」によると、共働き世帯の在宅勤務率は、男性:42.9%、女性:30.0%でした。これはコロナ禍1年目の夏に実施した同調査(家事に関するライフスタイル調査 第4弾。2020年7月)の男性:40.8%、女性:32.2%から大きな変化は見られませんでした。

1日のうちに家事にかけている時間は、男性が平日58.4分、休日72.7分、女性が平日115.5分、休日121.4分でした。2020年7月の調査では男性が平日47.5分、休日59.8分、女性が平日107.0分、休日121.4分でしたので、男性・女性、平日・休日ともに増加傾向が見られます。女性の休日の家事時間には大きな増加はありませんでしたが、男性・女性の平日、男性の休日については、1日に約10分前後、家事時間が増加しているようです。

続いて、共働き世帯の夫婦間の家事分担比率をコロナ禍前の2017年から時系列で見てみましょう。
男女の家事分担比率について、男性視点では2017年時点で男性:43.7%、女性:56.3%であったのに対し、2021年では男性:47.1%、女性:52.9%と「男性側の家事分担率が上昇している」という認識があるようです。
一方で女性視点では2017年時点で男性:19.9%、女性:80.1%、2021年では男性:22.0%、女性:78.0%。女性の比率は少し下がったものの、依然として「女性側に負担が多くある」という結果となりました。コロナ禍前と変わらず男女間での家事分担の認識に差異があるようです。

余裕もあるけど、負担やストレスもある、“かくれ家事疲れ”状態?

現在の「暮らし」についても調査結果を見ていきましょう。
「コロナ禍前と比較して、健康的な生活ができているか」という質問に対して、男女ともに「現在の方が健康的(男性:31.5%、女性:37.7%)」という回答が「健康的ではない(男性:16.9%、女性:19.3%)」という回答を大きく上回りました。また、「コロナ流行開始直後(2020年3月〜7月頃。)と比較して心の余裕やゆとりが増えたか」という質問でも、男女ともに「心の余裕やゆとりが増えた(男性:25.2%、女性:32.0%)」が「減った(男性:18.8%、女性:23.3%)」を大きく上回っています。

「家事」についても、以前よりも「無理なく家事ができている」という回答が男性は56.3%、女性は56.8%で過半数でした。
先述の「暮らし」についての調査結果も合わせると、今は比較的ゆとりがある生活を送れており、家事についても無理なくできているということがうかがえます。

ところが、コロナ流行開始直後と比較した現在の「家事ストレス」について見てみると、意外な結果が現れました。家事ストレスが「増えた(男性:19.4%、女性:33.8%)」、「減った(男性:13.1%、女性:17.2%)」と、「増えた」と感じている人が多くいるようです。特に女性が顕著で、2倍近くの人が家事ストレスの増加を実感していることがわかります。

また「家事負担感」については、「増えた(男性:29.8%、女性:42.5%)」、「減った(男性:3.5%、女性:5.8%)」と、こちらも「増えた」と感じている人が圧倒的に上回る結果となっています。

さらに、「家事の分担をめぐってパートナー間で注意や注文をすることがあるか?」という問いに対しては、男性から女性への注意や注文が「ある」が71.8%、女性から男性への注意や注文が「ある」は80.8%という結果に。コロナの流行がはじまった直後では男性が44.1%、女性が52.1%であったことから、現在とコロナ流行開始直後を比較すると、どちらも30%近く増えていることがわかります。

これらの結果から、以前よりも生活にゆとりがあり、無理のない家事ができていると感じている一方で、実際は「家事ストレス」や「家事負担感」、パートナー間での注意や注文も増えているという“ねじれ現象”が起こっていることがわかります。
コロナ禍によって生活スタイルが大きく変わり、今もなお収束の目処が立たない現在。コロナ特有の“非常時”の家事が、“日常”になりつつある中、生活スタイルの変化をポジティブに受け止めながらも、実は自分でも気づかないうちに家事によるストレスや負担感、パートナーに対する不満を抱えている“かくれ家事疲れ”状態に陥っている人が多いといえそうです。

女性のニーズは「家族時間」より「ひとり時間」。男性は「家事の苦手意識」が増加

次に現在の「ストレス発散」について質問したところ、コロナ流行開始直後(2020年3月〜7月頃)と現在を比較すると「ストレス発散できている」と答えた男性は23.7%、「発散できていない」は22.0%でした。一方で、女性は「ストレス発散できていない」という回答が36.8%。「発散できている」の27.2%を上回る結果となりました。現在の「ストレス発散」においても、男女にギャップがあるようです。
「新しいことをする機会」についても同様の傾向が見られています。コロナ流行をきっかけに「新しいことをする機会」があった男性は23.3%で、そうでない男性の21.3%を上回りました。一方で女性は「新しいことをする機会がなかった」という人が36.0%。「あった」という人は25.7%で10ポイント以上の差が出る結果となりました。

「家族の時間」についてはどうでしょうか。2020年7月に実施した調査では「増やしたい」が男性:47.5%、女性:55.9%だったのに対して、現在は「増やしたい」が男性:41.7%、女性:48.2%で、男女ともに「家族時間の増加」を望む人は減少傾向にあるようです。コロナ流行によって在宅時間が増え、そしてその状態が2年以上にわたって続いていることで、家族時間は十分にもてるようになったと思う人が増えたのかもしれません。

「ひとり時間」についても男女で違いが見られます。男性は「以前よりもひとり時間をもてるようになった」人が22.8%で「もてなくなった」人が21.2%。ところが女性は「以前よりもひとり時間をもてなくなった」という人が40.2%にのぼります。「もてるようになった」と答えた人は22.3%なので、その数値を大きく上回っています。
また、「もっと増やしたい時間」について聞いてみたところ、男女ともに「家族の時間(男性:52.1%、女性:47.3%)」よりも「ひとりの時間(男性:55.5%、女性:74.8%)」が多い結果となっています。特に女性はおよそ4人に3人が「ひとりの時間をもっと増やしたい」と回答していることから、女性の「ひとり時間」ニーズの多さが垣間見えます。

「家事に関するライフスタイル調査」では以前から、男性が家事をしない理由についてヒアリングしています。2017年4月に行った調査では、男性が家事をしない理由の1位は「時間がないから」でした。しかし2021年4月の調査では「時間がないから」は6位に陥落、割合も2017年の57.4%から43.1%とポイントを下げました。
逆に順位を上げたのが「家事が好きではないから」です。2017年の9位から2021年は3位にランクイン。割合としても36.8%から46.8%に大幅アップしています。同じく「家事が苦手だから」も38.1%から41.7%に上がっています。そのほかにも「きちんとこなせる自信がない」「家事のやり方がわからない」も上昇しています。
ここから読み取れるのは、コロナ禍による在宅時間の増加で、男性が家事をする時間や機会が増えたものの、いざ家事をやってみると上手にできないことがわかり、それが「家事の苦手意識」「家事嫌い」に結びついてしまっていると推測できます。

「家電に任せられることは任せよう」これが家事のニューノーマル!

2017年と2019年の調査データを比較すると、共働き世帯の妻が「専業主婦と同等以上の家事の質を目指している」率は50.7%から32.5%と大幅にダウンしました。
また、「家事の時短をしても、空いた時間でついつい家事をやってしまう」「やるべき家事の量は際限なく山とある」といった、こなしてもこなしても終わらない“無限家事地獄”状態にあるという結果が見られました。

2020年以降は、コロナ禍で在宅時間が増え、普段はあまり家事を行うことがなかった家族やパートナーも家事に参加する機会が増加しました。しかし、「家事は無理なくできている」と回答している人が多いにも関わらず、女性のストレスや家事負担感が増加しているのは、先述のような“無限家事地獄”状態が強まっているのかもしれません。その結果、「ひとり時間がもてなくなった」「もっとひとりの時間が欲しい」という結果の高さにつながっていると思われます。

また、家事を家電に任せて負担を減らしたい人も、2017年4月から現在に至るまで増加傾向に。2021年は82.2%と過去最高になりました。家事を家電にまかせる「しない家事」ニーズが近年さらに高まっていることがわかります。

家事負担軽減、家事時間削減のために購入したい家電の1位は「食洗機」、2位「ロボット掃除機」、3位「洗濯乾燥機」で、この順位は以前から大きく変わりません。この3つの家電が「令和の“しない家事”三種の神器」といえそうです。

まとめ

せっかくできた時間でさらに家事をこなしてしまうと、いつまでも“無限家事地獄”状態から抜け出すことはできないかもしれません。例えば、子どもの世話をしている間に食器洗い乾燥機を稼働させたり、在宅ワークの合間にロボット掃除機を走らせるなど、家電に任せられる家事は任せてみるのもひとつの手です。負担やストレスに感じる家事を、工夫して少しでも減らしてみる。そうすることで、自分の時間を作ることにも繋がり、もっとゆとりの時間が生まれるかもしれません。

「食洗機をまずは試してみたい」という方におすすめします!

調査概要
2021年【家事に関するライフスタイル調査・第5弾】
調査対象:関東(1都6県)・関西(2府4県)に在住の30〜49歳既婚男女 計1,346人
調査方法:インターネット調査
調査期間:2021年4月16日(金)~4月20日(火)

※ 調査結果の数値は小数点以下を適宜四捨五入して表示しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合があります。

2023年4月4日 家事・くらし

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