痛くない、でも効果を実感できるEMSの実現。
「今、美容機器に求められるすべてを高いレベルで叶え、世界中の人に『美容機器といえばパナソニックビューティ』と言われるようになりたい」と意気込むエンジニア、橋本夏海。
入社して9年、フェイス&ボディケアの商品を数多く担当し、この数年はEMSについて知見を深めてきました。
理想のEMS機器について、さらにパナソニックビューティの目指すべき場所まで熱い情熱と冷静な客観性を併せもつ独自の視点をインタビュー。
ものづくりと人に関わる仕事がしたい、という夢が実現
大学では、医療と工学を専攻していました。医師でもある教授から外科や内科などの医療を教わりながら、流体力学などの工学も学ぶという環境で4年を過ごし、自分がつくったものが人に対して影響を与える仕事をしたいと思うように。
卒業後はパナソニックに入社しました。そして、奇跡的に夢が叶ってパナソニックビューティの担当となり、最初はボディケア商品の設計に4年半携わりました。
設計とは、技術開発のチームがつくった技術を量産に向けて設計する仕事。発売までの納期を守ることも重要な任務です。さまざまな立場の人と関わり、美容機器の開発において知っておくべきことをたくさん学ぶことができました。
その後、設計を担当しているだけでは見えてこない、人に対する効果をもっと深く知りたいと考えて技術開発に異動し、現在に至ります。
美容機器は使い続けることが大切だから、使用感にはこだわりたい
この数年はEMSを搭載した美容機器をメインに担当し、EMS(注:電気で筋肉に刺激を与えて、引き締めやリフトアップ効果を期待するもの)について多くの文献を調査したり、効果の確認、安全性の検証、エビデンスの取得などを行っていました。
EMSのチクチク刺すような刺激が苦手という方もいらっしゃると思います。でも、波形や電圧の設定を工夫することで、通電時の痛みを緩和させることは可能です。EMS機器でしっかり効果を得るための何よりのコツは使い続けることなので、使用感の良さは大事にしたいと考え、工夫を重ねてきました。
筋肉刺激がありながらもチクチクしないEMSの実現
EMSの電気によってしっかり筋肉を動かすことによる、深い部分がピクピクするような感覚は効果につながります。ですが、表面のチクチク、ピリピリする刺激は効果につながるものではないので、できるだけ抑えたいところです。
電圧を上げると筋肉刺激が強まるものの、同時にチクチク感が出やすくなるという面はあります。そこで、電圧を上げ過ぎずに波形の幅を増やしたり、筋肉刺激の頻度を高めたりして、表面の刺激を抑えつつ筋肉を効率よく動かす設定にたどり着きました。
インテリアになじむデザインの実現にもトライしていきたい
美容機器づくりにおけるこだわりをあげれば数え切れないのですが、設計出身の技術開発担当者として、機能だけでなくデザインをよくすることにもこだわりたいと思っています。
実はこれ、本当に大変なことなんです。例えばデザインチームに「ここの角を丸くしたい」と言われると、たかが角ひとつといえど、それにより性能が担保できない、中身の構成がくずれるという問題が生じたりします。とはいえ、今後はそのデザインを実現するために、内部の部品を変えるという発想ももっていたいです。
もちろん、効果や安全性ファーストであることは変わらないのですが、デザイン向上のために中身の構成を変えて、かつ、効果もしっかり担保するという新しい作業です。
それで喜んでくれる、パナソニックを選んでくれる消費者の方が増えるなら、やらないという選択肢はありません。
重ねてきた歴史はもちろん大切にしつつ、新しい工夫を盛り込みたいですね。今働いているチームにもそんなメンバーが多くいます。安心安全を担保しながらもデザインと即効性をできる限り高め、世界中の人に「美容機器といえばパナソニックビューティ」と言われるような未来を目指したいです。
プロフィール
橋本夏海(はしもと なつみ)
1991年生まれ。子供のころは白衣を着た薬剤師になりたかった。大学で医学と工学を専攻したことをきっかけに、人に関わるものづくりがしたいと思うようになり、卒業後はパナソニックへ入社。脱毛器や電動かみそり、かっさ、RF美顔器、イオン美顔器などさまざまなニーズに応える商品を手がけている。
- インタビュー内容は2022年5月現在のものです
- 「Panasonic Beauty Laboratory」に掲載の情報は、当社の研究や開発の取組み内容です