ライカレンズ × 写真家 連載企画 Vol.2
![vol01_daimon_mina_mv](/content/panasonic/jp/ja/dc/G-series/photographer-origin/daimon-mina/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_copy_copy_c/item/c_lay002/c_gen003.coreimg.jpeg/1710825099724/daimon-mina-mv.jpeg)
12mm(24mm相当)/絞り優先AE(F2.8、1/2,500秒、+0.3EV)/ ISO 200/ WB:オート
フェリア会場のカセタ(小屋)の前で撮影。ストライプの背景と強い日差しによる陰影がL.モノクロームDの表現によく合う。何気ない瞬間もAF駆動速度が速いので逃さずに捉えられた
デジタルカメラマガジンで掲載された誌面を再構成しています
大門 美奈
横浜市出身。2011年より写真家として活動を始める。無印良品と写真のコラボレーションや、国内アパレルブランドとのコレクションを2013年より展開。 International Photography Awards 2017にてHonorable Mention受賞
【スペイン/アンダルシア】
アルハンブラ宮殿をはじめとしたイスラム統治時代の文化を伝える史跡が多く存在する。卒論制作を通じて初めて写真撮影に目覚めた場所であり、以来何度も通い続けている
![daimon_mina_profile](/content/panasonic/jp/ja/dc/G-series/photographer-origin/daimon-mina/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_copy_copy_c_134849763/item/c_lay002_50138207/c_gen003_copy.coreimg.jpeg/1714983920777/daimon-mina-profile.jpeg)
被写体にもう一歩踏み込み光と影が紡ぐ造形を描き出す
アンダルシアを初めて訪れたのは大学3年の頃。イベリア半島を巡るツアーに参加したのがきっかけだ。そこで出合ったのがアルハンブラ宮殿とセビージャの強い日差しが生み出す光と影だった。とりわけアルハンブラ宮殿に強く惹かれ、造園学を学んでいた私はアルハンブラ宮殿と造園学をテーマに卒論執筆を決めた。当時はデジタルカメラがないため、卒論を発表するにはスライドが必要。そこで手に入れたのがフィルム一眼レフカメラだ。研究を名目に1カ月ほどアンダルシアに滞在することになったのだが、見たままの絵を切り取れることが楽しく、毎日歩き回っては写真ばかり撮っていた。私が写真の楽しさに目覚めたのがアンダルシアだった。
今回はLUMIX G9 PROとLEICA DG SUMMILUX 12mm / F1.4 ASPH.で旅したわけだが、カメラ1台にレンズ1本という制約が、当時の緊張感と高揚感を私に思い出させた。普段使用するレンズは35mmか50mm前後。24mm相当で思い通りの絵を得るにはいつもより一歩、いや二歩三歩踏み出す必要がある。いつもと違うシチュエーションは面白いものだ。それなら思い切り楽しもうと日本を後にした。
![daimon_mina_img](/content/panasonic/jp/ja/dc/G-series/photographer-origin/daimon-mina/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_434717760_c/c_lay011/c_gen003.coreimg.jpeg/1710826453828/daimon-mina-img01.jpeg)
12mm(24mm相当)/絞り優先AE(F1.4、 1/2,000秒、±0EV)/ ISO 200/ WB:オート
セビージャのフェリア会場にいた親子を開放絞りでぐっと寄って撮影。背景はきれいにぼけつつも、ショールの刺繍の質感やまつ毛の1本1本まで緻密に描写している
![daimon_mina_img](/content/panasonic/jp/ja/dc/G-series/photographer-origin/daimon-mina/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_434717760_c/c_lay011_copy/c_gen003_copy.coreimg.jpeg/1710826473472/daimon-mina-img02.jpeg)
12mm(24mm相当)/絞り優先AE(F2、1/6,400秒、±0EV)/ ISO 200/ WB:オート
わずかに絞ってノーファインダーで撮影したもの。普段はほとんどノーファインダーでの撮影はしないが、正確かつ素早くフォーカス駆動するので、とっさのシャッターチャンスに強い
まず向かったのはアルハンブラ宮殿のあるグラナダ。建造物の撮影がメインとなる。広角レンズでゆがみが心配だったが、画面周辺部でも収差が補正され、細密な壁面芸術を損なうことなく写し出してくれた。セビージャではちょうどスペイン三大祭りのひとつ、FERIA DE ABRILが開催されていた。ここではスナップをメインに撮影。陰影をしっかり描き分けてくれる性能が日差しの強さとマッチする。
![daimon_mina_img](/content/panasonic/jp/ja/dc/G-series/photographer-origin/daimon-mina/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_286883130_c_787154965/item_1682418277059/c_gen003.coreimg.jpeg/1710826691241/daimon-mina-img03.jpeg)
正確で素早いAFで、広角ならではのノーファインダー撮影もフラメンコのリズムに乗るようにテンポ良く楽しめる。G9 PROのシャッターフィーリングの良さも手伝って、改めて撮る喜びを感じられる旅となった。広い画角を使いこなすために一歩踏み込んだ撮影スタイルが、アンダルシアへの距離さえも縮めてくれた気がする。
![daimon_mina_img](/content/panasonic/jp/ja/dc/G-series/photographer-origin/daimon-mina/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_copy_copy_c_1015388033/item/c_lay002/c_gen003.coreimg.jpeg/1710826944385/daimon-mina-img04.jpeg)
12mm(24mm相当)/絞り優先AE(F2.8、1/4,000秒、-0.7EV)/ ISO 200/ WB:オート
セビージャの闘牛場の出入り口。地元のファンだろうか。夏のジャケットと帽子が良く似合っていた男性。鉄のゲートとジャケットの柔らかな質感の違いを良く写し出している
![daimon_mina_img](/content/panasonic/jp/ja/dc/G-series/photographer-origin/daimon-mina/_jcr_content/root/main/componentContainer1/c_lay001_copy_copy_c_223431478/item/c_lay002/c_gen003.coreimg.jpeg/1710826984286/daimon-mina-img05.jpeg)
12mm(24mm相当)/絞り優先AE(F3.2、1/160秒、±0EV)/ ISO 200/ WB:オート
アルハンブラ宮殿内にいた子猫と地元の高校生。すでに暗くなりかけていた時間帯だったが、自然な立体感を描き出している。子猫の柔らかい毛の感触まで伝わってくるようだ
使用機材
DC-G9
大型で高精細のファインダーがスナップに最適 。ファームウェアVer.1.1で新搭載されたL.モノクロームDはディテールを残しつつもコントラストが際立ったクラシックなモノクロ設定で、光と影を描くのに最適だった。
LEICA DG SUMMILUX 12mm / F1.4 ASPH.
金属ならではの質感の良さと高級感はLEICA DGレンズならでは。鏡筒部に絞りリングがありファインダーをのぞきながら直感的に操作できるのでスナップレンズとして非常に優秀。光と影を丁寧に紡ぎ出し、あのとき見た感動を細部まで再現してくれる。取り回しの良いサイズで日常使いできる広角レンズだ。