乾かすだけで美髪が叶うヘアードライヤー ナノケアの最新技術に迫る
在宅時間の増加に伴い、美容院の利用回数も減るなか、髪のケアが十分でなくなる「宅バテ髪」に悩む人が増えている。そこで注目されているのが、“乾かすだけで美髪”を実感できるヘアードライヤー ナノケアだ。その最新技術に迫るべく、パナソニック「髪の基礎研究所」を日経BP総研の米川瑞穂氏が取材した。
パサつき髪や退色ヘアでは印象もダウン
ホームケアの鍵は、美髪に導くドライヤーにあり
コロナ禍で、“宅バテ髪”になる女性が急増
夏バテならぬ“宅バテ”が話題となった今年の髪事情。コロナ禍の精神的ストレスや、外出機会が減ることでケアがおざなりになってしまったり、美容院に行く回数が減少したことで、髪のパサつきやうねり、ツヤの減りを感じる人が増えているのだという。調査※1によれば、なんと84.2%もの女性が、コロナ流行前に比べ「髪質が悪化した」という結果に。
一方で、外出時はマスクで顔が隠れることにより、髪の存在感はこれまで以上にアップ。パサついてツヤのない髪はもちろん、美容院に行けずヘアカラーが退色した状態の髪では、相手に与える印象も悪くなってしまう。そこで重要となるのが、毛髪のホームケアだ。
毛髪ケアといえば、トリートメントや頭皮マッサージなどが思いつくが、忘れてならないのがドライヤー。毎日使うものだけに、髪への影響も大きい。なかでも、使うほどに美髪を実感できるドライヤーとして多くの支持を集めているのが、ヘアードライヤー ナノケアだ。その理由は、キューティクルのわずかな間から、髪内部に水分を与え、内側までうるおいを与えるという独自の高浸透ナノイー&ミネラル※2技術にある。
ヘアカラーした髪のダメージや退色をも抑える進化を果たしたナノケア。その最新技術とそれを支える毛髪研究の最前線を、滋賀県・草津にあるパナソニック「髪の基礎研究所」に探ってみた。
カラーリングした髪のダメージも抑制
高浸透ナノイー&ミネラル※2の方が、キューティクル維持率が高い
毛束の洗髪、ドライヤー乾燥、コーミングを繰り返し実施。60回洗髪ごとにブリーチ処理し、180回まで実施したときのキューティクル枚数を計測し維持率を算出。
高浸透ナノイーとミネラルマイナスイオンがキューティクルの密着性を高め、カラーリングした髪のダメージを抑制。イオンなしドライヤーと比べても、その差は明らかだ。
国内累計販売台数1300万台※3!
ナノケアを生んだ最新技術をレポート
パナソニックのドライヤーの開発・機能向上の要、「髪の基礎研究所」
パナソニックでは、いち早く毛髪の研究に着手し、どうしたら「速くきれいに髪が乾くのか」「髪が傷まないのか」などを研究・開発、そして検証し続けている。その拠点となるのが、「髪の基礎研究所」だ。研究所内には、キューティクルを観測するモニターをはじめ、毛髪のなめらかさを計測する摩擦感テスターや毛髪の曲げ特性や引っ張り強度、ねじり強度などを測定する試験機などがずらり。ここでの様々な研究成果が、髪のうるおいやツヤ、まとまり、指通りを向上させるドライヤーの開発に生かされているというわけだ。
滋賀県にあるパナソニック株式会社 くらしアプライアンス社。この一角で、最先端の毛髪研究が行われている。
指先の感覚に模したセンサーで毛髪のなめらかさを計測する摩擦感テスター。他にも、毛髪の曲げ特性や引っ張り強度、ねじり強度などの測定機を使用し、毛髪の構造や特性を徹底研究することで、美髪のメカニズムを追求している。
また、研究所では世界中の髪質データも集めており、それによると、日本人の毛髪は断面がほぼ円形であり、くせが少ない傾向があるものの、摩擦や熱などの外的刺激に弱く、キューティクルがダメージを受けやすいのだという。
「髪は3層のたんぱく質から構成され、なかでも髪のツヤや手触りに関与するキューティクルは、外側をウロコ状に覆っています」と説明するのは、ナノケア開発の第一人者であるパナソニックの松井康訓。「キューティクルはブラッシングなどの摩擦で剥がれやすく、めくれ上がって開いてしまうとそこから水分が逃げてしまうため、日頃からキューティクルの密着性を高めておくことが美髪につながります」
ナノケアの生みの親である、パナソニック株式会社 くらしアプライアンス社 ビューティ・パーソナルケア事業部 ビューティ・アイロン商品部 スタイラー・アイロン技術開発課 主任技師の松井康訓。聞き手は、日経BP総研メディカル・ヘルスラボ主任研究員の米川瑞穂氏。
ナノケアでは、高浸透ナノイー&ミネラル※2で毛髪内部までうるおいを与え、開いたキューティクルを閉じて密着性を高めているという。
その効果は、ブラッシングによる髪の損傷度合いを計測する実験でも確認されている。洗髪後、ナノケアで乾かした毛束を1000回ブラッシングした結果は、写真の通り。外的刺激に弱い日本人の髪も、高浸透ナノイーとミネラルマイナスイオンの働きにより、摩擦ダメージに強い髪へと改善することが実証された。
キューティクルを摩擦ダメージから守る
ブラッシング損傷抑制効果の測定実験のため、毛束をコームで梳かす上林真由香。所属を同じくする松井とともに、15年間ナノケアを育ててきた開発者のひとりだ。毛髪診断士の資格を持つ、毛髪のプロフェッショナルでもある。
高浸透ナノイー&ミネラル※2なし/ありのドライヤーで乾燥させた後、1000回ブラッシングした髪を比較。髪のパサつきやまとまり具合が明らかに違うのがわかる。
洗髪・ドライヤー乾燥後に1000回ブラッシングした状態で髪の摩擦ダメージを比較。温風を当てただけ(左)では剥がれ落ちてしまうキューティクルも、高浸透ナノイー&ミネラル※2を含んだ風(右)なら、摩擦を受けてもなめらかさをキープ!
こうした実験と検証を積み重ねて開発されたナノケアの国内累計販売台数は、今年9月に1300万台※3を突破。その約半数をリピーターが占めるという事実からも、ナノケアは一度使ったら手放せなくなる無二のドライヤーであることがうかがえる。
従来ナノイーとの比較で水分発生量が18倍 ※4に!
高浸透ナノイーで毛髪内部までうるおい、まとまる髪へ
髪へのうるおい(毛髪水分増加量)が 1.9倍※5、高浸透ナノイー
ナノケアの名称は、パナソニックの独自技術ナノイーに由来している。ナノイーとは、水に高い電圧をかけることで生成される微粒子イオンのことで、マイナスイオンの約1000倍以上※6の水分を含んでいるのが特徴だ。このナノイーが、ナノケアの高浸透ナノイー搭載機種(2019年発売EH-NA0B)から、高浸透ナノイーへと進化。「ナノイー発生デバイスに、針の先端部に向けて集中的に放電するマルチリーダー放電を採用することで、従来の18倍※4もの水分発生量を実現しました。これにより、髪へのうるおい(毛髪水分増加量)が1.9倍※5に向上しています」(松井)
高浸透ナノイーが毛髪内部のさらに奥まで浸透することで、内側からうるおい、しっとりまとまる髪へ
そのうるおいを体感すべく、実際に米川氏が洗髪&ドライヤー乾燥を体験。タオルドライした髪を左右に分けて、片方にイオンなしの風、もう片方に高浸透ナノイー&ミネラル※2の風を当ててみたところ、驚いたことに左右でまったく異なる仕上がりとなった。
研究所内の実験室にはプロのスタイリストの技術研究やユーザー調査のため、洗髪コーナーも。洗髪と乾燥は上林が担当した。
左半分が、高浸透ナノイー&ミネラル※2を含んだ風で乾かした髪。「年齢とともに気になっていたうねりやパサつきが、乾かすだけで改善された」と米川氏も大満足。
乾かすだけで髪にツヤが生まれ、指通りやまとまりのよさが見違えるほどアップするナノケア。髪のうねりやパサつきが解消されることで、ヘアスタイルの自由度もさらに広がりそうだ。
意外と知らないドライヤーの真実①
Q.ドライヤーの温風で髪が傷む?
A.風温が約125℃のドライヤーでも、髪の表面温度は80~90℃程度のため、髪が傷むことはない。
また、くせを伸ばしツヤを出すには、約60℃以上に温めて水素結合を切り、くせを伸ばしてから、40℃以下で毛髪内の水素を再結合させる必要がある。そのため、ナノケアでは室温にあわせて、風温が自動で温冷と切り換わるモードを搭載し、簡単に乾かすだけでまとまるツヤ髪を実現しやすくしている。
また驚いたことに、風温測定はJIS規格で測定せず、各社独自基準で計測するケースも多いということだ。パナソニックはJIS規格に基づき計測しているが、一概に比較することはできない。
ヘアカラーの色持ちもアップ!
ダメージ髪のキューティクルも密着、ツルツルの髪へ
ドライヤーするだけで、ヘアカラーの色落ちを抑え、お気に入りの髪色が長もちしやすく
ナノケアは、ヘアカラーした髪の悩みにもこたえてくれるドライヤーだ。調査※7によると、カラーリングの3大ストレスは「色落ち(76.5%)」、「全体的な傷み(71.2%)」「毛先が傷む・枝毛(63.4%)」。思い当たる人も多いのではないだろうか。実は、これらを解決する鍵も、キューティクルの密着性にある。
「ヘアカラーは、薬剤を内部に浸透させるため、髪表面のキューティクルをこじ開けるような状態で施されます。キューティクルが開いたままでは、毛髪内部にもダメージを与えかねません。その点、ナノケアにはキューティクルを閉じ、密着させる働きがあるため、ヘアカラーした髪のダメージを抑えられるというわけです。また、キューティクルの密着性を高めることで、ヘアカラー剤の流出を防ぎ、退色を抑制するメリットもあります」(松井)
カラーリングした髪の退色を抑制
新製品(高浸透ナノイー&ミネラル※2搭載品)とイオンを発生しないようにしたドライヤーとの比較。カラーリング処理した毛束に洗髪、ドライヤー乾燥、コーミングを繰り返し初期からの色変化量を計測。
その差は歴然!高浸透ナノイー&ミネラル※2の、ヘアカラー退色を抑える力を確認
シャンプーとドライを15回繰り返して色落ちの差を確認。高浸透ナノイー&ミネラル※2なら、カラーリングの退色もここまで抑えられる。上記グラフの実験では一般的なブラウンカラーを使用したが、明るい色ではさらにその差が歴然。
ヘアカラーが長持ちすれば、カラーリングの頻度も減って髪に与えるダメージもより少なくなる。退色→カラーリングの回数増→ダメージ蓄積という負のスパイラルに陥っていた人には、まさに朗報だ。また、美容院に行く回数が減りがちな現状にも、ナノケアはぴったり。うまく活用して、ストレスを減らしヘアカラー生活を楽しみたい。
意外と知らないドライヤーの真実②
Q.ドライヤーの温風で髪が傷む?
A.風温が約125℃のドライヤーでも、髪の表面温度は80~90℃程度のため、髪が傷むことはない。
また、くせを伸ばしツヤを出すには、約60℃以上に温めて水素結合を切り、くせを伸ばしてから、40℃以下で毛髪内の水素を再結合させる必要がある。そのため、ナノケアでは室温にあわせて、風温が自動で温冷と切り換わるモードを搭載し、簡単に乾かすだけでまとまるツヤ髪を実現しやすくしている。
また驚いたことに、風温測定はJIS規格で測定せず、各社独自基準で計測するケースも多いということだ。パナソニックはJIS規格に基づき計測しているが、一概に比較することはできない。
※1 「在宅時間増加に伴うヘアケア意識調査」2020年8月11日~8月13日パナソニック調べ。対象は20~40歳の、1日10分程度ヘアケアを行っている方・在宅勤務経験者の女性586名
※2 ミネラルとは、亜鉛電極から発生されるミネラルマイナスイオンです
※3 2020年9月末現在
※4 ナノイーと高浸透ナノイーとの比較(パナソニック調べ)
※5 2018年発売 EH-NA9Aとの比較(パナソニック調べ)
※6 一般的な空気イオン(代表的な粒子径:1.3 nm)とナノイー(代表的な粒子径:13 nm)との比較(パナソニック調べ)
※7 2020年6月15日~6月18日パナソニック調べ。対象は20~40歳の女性1332名
※8 パナソニックでは、2015年に日本電機工業会がJIS化に向けて制定した測定方法にて測定している
*日経クロストレンドSpecialに掲載された内容を日経BPの許諾のもと、一部、加筆・修正し転載