冷房と除湿(ドライ)って、どっちがお得なの?
エアコンの冷房と除湿(ドライ)の違いや電気代についての監修:田中 真紀子(たなか まきこ)
ライター:UP LIFE編集部
2021年6月24日
空気
知っているようで知らない、除湿と冷房の違い。
2つをうまく使い分けることが、夏を快適に過ごすポイントです!
エアコンの「冷房」と「除湿(ドライ)」の違い、あなたはご存知ですか? 知っているようで、意外と知らない人も多いようですが、目的に合わせて正しく使い分けることで、暑い季節も快適に過ごせるもの。もちろん、電気代の節約につながるのもうれしいポイントです。ここではそんな「冷房」と「除湿」の機能を解説するので、上手に使い分けて節電と快適空間を実現させましょう!
そもそも、冷房と除湿(ドライ)って何が違うの?
「冷房」と「除湿」の仕組みは、どちらも基本的には同じ。取り込んだ空気を冷やし、空気中の水分を結露で水にして室外に放出するというものです。
異なるのは、温度と湿度のどちらを重視するかという点。冷房機能の場合、設定された室温まで冷やすように運転しますが、除湿機能の場合は湿度が目標の値になるまで冷房の弱運転を行います。
夏に使われる「冷房」と「冷房除湿」の違いは?
ひと口に除湿と言っても運転の仕方はさまざま。ここでは、特に夏によく使われる「冷房除湿」について、冷房との違いを見てみましょう。
●冷房
室内の「温度」を下げることを最優先とした機能。
●冷房除湿
室内の「湿度」を下げることを最優先とした機能。冷やして水分を取り除いた空気を、なるべく温度が下がらないように部屋に戻しています。
除湿運転の切り替えは、以下のように行われています。
当社2020年モデル参考
電気代がかかるのはどっち?
冷房も除湿も、消費電力に大きな差はありません。また、どちらを使う場合でも、設定温度を高くしたほうが節電になります。
「暑いのでまずは涼しくしたい!」という時は冷房を、「暑いけれどジメジメ感も気になる!」という時は冷房除湿を使うことをオススメします。
状況によって使い分けるのがベスト!
除湿と冷房は消費電力に大差なくても、使い方を間違えるとムダな電気を消費することに。快適に過ごすためにも、状況によって使い分けるのがベストです。
前述の通り、室内外の気温が高くて暑いと感じるときは冷房機能。部屋の温度を一気に下げられるので、快適に過ごすことができます。
一方、冷房除湿機能が活躍するのは、ジメジメした湿気を感じるとき。最近は気候が不安定で、春先なのに気温が高くて雨が続く……なんてこともありますが、こういったシーンでも冷房除湿が役立ちます。
湿度が高いか低いかの判断は、その部屋で過ごす人の感じ方次第ですが、目安が欲しいなら湿度計を活用するのもオススメ。人が快適と感じるのは湿度50%〜60%程度と言われているので、それ以上になったら除湿機能を使うと良いでしょう。
洗濯物を部屋干ししたときのリスクと湿気対策
雨の日や花粉の時期、梅雨時などは洗濯物を室内に干す機会が増えますが、これもまた、部屋の湿度を上げる要因。パナソニックが行った実験*で、約4kgの衣類の洗濯前の重量と脱水7分後の重量を比較したところ、脱水後は約2.1kg重く、500mlペットボトル4本分以上(!)の水分を含んでいることがわかりました。つまり、この洗濯物が乾けば、その水分量がすべて室内に放出されるということ。約2ℓもの水分と聞いて、想像以上と驚く方も多いのではないでしょうか?
湿度が高い環境は不快なだけでなく、カビやダニが発生するリスクも高まります。さらに、住まい自体にダメージを与えかねないため、除湿や換気は適切に行うようにしたいもの。もちろん、室内干しした洗濯物を早く乾かすための工夫も必要です。
たとえば、扇風機やサーキュレーターの活用。洗濯物に直接、風を当てて水分を飛ばすことで、乾燥時間を短縮することができます。
エアコンを稼働させている時期なら、風が当たる位置に干すと良いでしょう。
洗濯物に風が当たって揺れることで乾きが良くなるので、ぜひお試しください。
エアコン除湿と併用したい! 部屋にこもりがちな湿気を抑える方法
上記以外にも、手軽にできる湿気対策はあります。まずは、通気性を高めること。風の流れを妨げない家具の配置にしたり、足付き家具を選んだりすると良いでしょう。
また、クローゼットや押し入れを閉めっぱなしにしないことも大切。エアコンの除湿機能を使うときに開けておいたり、風を当てたりして湿気がこもらないようにしてください。こうした場所には、除湿剤も置いておくと安心。市販のものはもちろん、重曹を使って手作りしたり、調湿効果のある炭を置いたりするのも良いでしょう。
このほか、水を入れて凍らせたペットボトルをトレーに載せ、室内に置くという方法もあります。これは、空気中の水分をペットボトルの氷で冷やし、結露にして取り除くというもの。エアコンの除湿機能の原理を単純にしたものですが、意外と効果があるという声も聞かれます。
エアコンの設置されている場所は除湿機能を、設置されていない廊下や、脱衣所、洗面所などの湿気が気になるようであれば、このような方法を試してみるのもよいかもしれませんね。
*【実験条件】
1.洗濯物は約4kg(バスタオル3枚、タオル2枚、靴下3組、トランクス2枚、Yシャツ2枚、Tシャツ2枚、トレーナー1枚、ジーンズ1枚、綿パンツ1枚、パジャマ2組)
2.脱水時間は7分
3.干し方は1列、洗濯物の間は5㎝程度の間隔を空ける
4.干す空間の初期温度は20℃、湿度は70%に設定 ※秋の雨の日の室内空間を想定
5.干す空間は6畳空間で、換気回数は0.5回/h ※24時間換気の空間を想定
6.いずれの手法でも10時間乾燥させる
7.使用機材と使い方
・扇風機 当社製 F-CS339:最大風量、横首振りで送風する
・衣類乾燥除湿機 当社製 F-YHSX120:運転モード「衣類乾燥 速乾(カラッとキープ)」、送風範囲ワイド、スイングは上固定
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エアコンの冷房と除湿(ドライ)の違いや電気代についての監修
田中 真紀子(たなか まきこ)
白物家電をはじめ生活雑貨、家事、住まいなど、暮らしにまつわるモノ・コトの取材・執筆を行うフリーライター。美容家電も得意分野で、働く女性として、一児の母として、忙しくてもきれいになれる美容家電を見つけ、各媒体でも紹介している。総合情報サイト『All About』美容家電・育児用品ガイド。
2021年6月24日 空気
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