エアコンのニオイ、気になっていませんか? 原因と対処法をご紹介

エアコンの運転効率が上がる、フィルターのお手入れ方法についての監修:藤原 千秋(ふじわら ちあき)
ライター:UP LIFE編集部
2024年7月3日
空気

エアコンの暖房や冷房をつけると、何だかイヤなニオイが……。最初だけかと思って我慢していても、運転させるたびにニオイが気になることもありがちです。これはカビ? それともホコリのせい? 判別しづらいニオイの原因と対処法を、掃除の専門家である藤原千秋さんに教えてもらいました。

エアコンの気になるニオイには、3つの原因があった!

以前の記事、『キレイな空気のお部屋で過ごしたい! 換気のコツや、エアコンのフィルターや内部の正しいお掃除方法』でもご紹介したとおり、一般的なエアコンは室内の空気を取り込んで熱交換をすることで、冷暖房運転を行っています。室内の空気には汚れやニオイも含まれているため、適切にお手入れしていないエアコンなら当然、内部に蓄積され、イヤなニオイの発生源に……。

イラスト:ホコリを含んだお部屋の空気は、フィルター、熱交換器、送風ファンを通って、ホコリが除去されたキレイな空気となり、お部屋に戻される

こうした汚れやニオイの正体は、主に以下の3つが挙げられます。

原因① 室内に漂う生活臭

「室内の空気は、ホコリ、アロマやお線香のほか、キッチンに通じている部屋のエアコンなら油煙、喫煙者がいれば煙草の煙など、実はさまざまなニオイであふれています。これらはすべて、エアコンのニオイの元。

ちなみに、洗濯で香りの付いた柔軟剤を使っている家庭なら、ホコリ自体が柔軟剤のニオイになりがちです。これは、ホコリには衣類から落ちた繊維が多く混じっているため。近年は在宅時間が長くなっている人も多いので、柔軟剤のニオイがする繊維由来のホコリも増えているでしょうね」

原因② 内部に発生したカビのニオイ

室内の空気にはホコリをはじめ、さまざまな種類の汚れが含まれています。これらがエアコン内部に入り込めばカビを発生させる要因となり、結果としてエアコンからのカビ臭につながってしまうのだとか。

「ホコリにはカビ胞子はもちろん、私たちの皮膚がはがれ落ちたものや、唾液が乾いて粉末状になったもの、ペットがいれば臭腺からの分泌物なども含まれています。いずれも、カビにとっては格好の栄養。カビの生育条件は、私たちが快適に感じる温度と湿度に合致するので、栄養も摂れるエアコン内部はカビが生えやすい環境なんです。エアコンの内部は見えないので気付きにくいですが、少しでも臭ければカビが発生している可能性がありますね」

原因③ フィルターに付着した汚れ

エアコンのフィルターには、空気中に含まれるホコリやゴミをエアコン内部に入らないようにキャッチする役割があります。 ただ、フィルターのお掃除が不十分でホコリや汚れが付着したままだと雑菌が繁殖し、やはりニオイの原因となります。そのまま放置しておけば、フィルターにカビが発生する可能性も!

エアコンのニオイが気になる……。そんなときに試したい方法は?

エアコンからイヤなニオイがしてきたときは、どのように対処すれば良いのでしょうか? ここでは応急処置から最終手段まで、ニオイを抑えるためにできることをまとめました。もし、ご自宅のエアコンからニオイを感じたら、ぜひ実践してみてください。

まずは換気しながら運転

「運転開始の直後は特にニオイが気になるもの。内部にカビが発生していれば、エアコンからの風にカビの胞子が含まれている可能性が高いため、運転開始と同時に10分ほど窓を開け、換気を行うのがオススメです。

多くのエアコンは室内の空気を循環させて温度と湿度を調整しており、換気機能は搭載されていないものも。そのため、室内に放出されたニオイやカビの胞子を減らすなら、窓開け換気で屋外へ逃がすのが効果的なんです。ただし、これはあくまで応急処置なので、ニオイが続く場合は次の段階に進みましょう」

写真:窓を開ける女性

エアコンフィルターを掃除する

いくら換気をしてもニオイが気になるときは、フィルターの掃除も試してみてください。藤原さんによると、掃除機でホコリを吸い取るだけでは不十分なのだとか。

「一般家庭の場合、たとえキッチンから離れた部屋でも、室内の空気には油分が含まれているため、フィルターはしっかり洗う必要があります。浴室などで水と中性洗剤を使って、油分までキレイに落としましょう。エアコンに取り付ける前に、しっかり乾燥させることもお忘れなく」

エアコンクリーニング業者の手を借りる

「フィルターを洗ってもニオイが治まらない場合は、もはや内部を洗浄するしかありません。ただし、エアコンの内部構造は複雑なもの。自分でやろうとすると破損につながる可能性が高いので、エアコンクリーニングの業者に依頼するようにしてください。

意外と気付かない人もいますが、フィルターやフラップの奥などに黒い汚れが見えたら、それはカビ。場合によっては内部にも発生している可能性があるので、できるだけ早くクリーニングを依頼しましょう」

長く清潔に使うための、エアコンのお手入れ方法

写真:親子のイメージ

購入してからまだ日が浅い、今はまだエアコンからニオイはしない、そんな場合は、二オイの発生を抑えるためのお手入れを。ニオイがするまえに実践すれば、ちょっとの手間できれいが長続きするはずです。

エアコン内部を乾燥させる

「夏の冷房、もしくは除湿運転の後は、エアコンの内部に結露が発生します。湿度が高くなればカビの育成を助けてしまうため、1日のうち数時間はエアコンを休ませて、「内部クリーン」運転などを活用し、エアコン内部を乾燥させることがおすすめです。「内部クリーン」運転はエアコンを停止した後に自動で働くように設定されている場合もありますので、2回停止を押して「内部クリーン」運転を切らないように注意してくださいね。

もし、内部クリーン機能がないモデルの場合は、エアコンを使用後、3時間ほど送風運転を行ってエアコン内の乾燥を心がけましょう。送風運転であれば電気代は1時間あたり約0.5円ほどです」

2週間に1度のフィルター掃除

「エアコンのフィルター掃除は、こまめに行いましょう。メーカーの推奨は2週間に1回ですが、なかなか手間をかけづらいのも事実。その場合は、エアコンを選ぶときにフィルターの自動お掃除機能付きモデルにすれば、この手間がだいぶ省けますよ」

部屋の換気はこまめに。湿度コントロールにも配慮を

「エアコンのニオイ対策をするなら、定期的な換気も大切」と、藤原さん。これは、空気中に漂うホコリなどの汚れが少なくなり、エアコン内部に入り込む分を減らせるから。同じ理由から、部屋自体の掃除もきちんと行うのが良いそうです。

「また、カビの発生を予防するなら、湿度コントロールがポイントになります。湿度が高いと、カビだけでなくダニも増えてしまうので、乾燥している冬の場合も加湿しすぎに注意しましょう。もし、湿度が上がりすぎた場合は、積極的に換気して乾燥した外気を取り入れて。また、鍋料理のようにキッチン以外の場所で調理した場合も、湿気がこもってしまいがちなので換気が必須です。

このほか、窓周辺の結露をそのままにしておくのは、窓枠やカーテンなどにカビが発生しやすくなるのでNG。室内のカビが増えると、当然ながらエアコンの内部に胞子が入る量も増加してしまいます」

イラスト:エアコンのニオイ対策

パナソニックの『エオリア』なら、充実機能でニオイ対策ができる!

パナソニックのエアコン『エオリア』には、ニオイを抑えるためのさまざまな機能が搭載されています。たとえば、空気中の有害物質を抑制*1する効果があるナノイーX。冷暖房しながらナノイーXを放出するので、冷房・暖房しながらカビや花粉、ニオイなどを抑制*1してくれます。このナノイーXは送風運転時でも放出できるので、エアコンを使わない季節でも活用できますよ。

画像:エオリア

また、藤原さんのお話にもあった内部クリーン機能も、もちろん搭載しています。『エオリア』では“ナノイーX 内部クリーン”と呼ばれ、エアコン内部のすみずみにナノイーXを行き渡らせることで、カビ菌を除菌*2します。さらに、自動で*3フィルター掃除を行うお掃除ロボットも採用。2週間に1度、自分で掃除する手間が省けるのもうれしいポイントです。

*2 生えてしまったカビを除去する機能ではありません。内部クリーン運転の動作内容を「送風自動」に変更した時は、カビの成長を抑制※1する効果となります。
*3 累積24時間以上運転後に自動で掃除。ホコリや油汚れが多い環境等でご使用になる時は、取り外して水洗いをする等をおすすめします。

ニオイ=汚れと考えて、できるだけ早めに対処しよう

エアコンが臭うということは、すなわち内部が汚れているということ。藤原さんも、「エアコン内部は見えないけれど、嗅覚を頼りにすれば汚れがうかがえる」と語っています。

「ツンとした刺激があるカビのニオイのほか、雑巾のニオイ、部屋干しのすえたようなニオイが感じられることも多いのではないでしょうか。あれらは、繁殖した雑菌から発生しているもの。いずれにせよ、エアコンから違和感のあるニオイがするなら対処が必要です。なお、人の嗅覚は時間が経つと慣れてくるので、エアコンを始動させてから5分〜10分くらいの間に感じ取れるニオイに注意すると良いでしょう」

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エアコンの運転効率が上がる、フィルターのお手入れ方法についての監修

藤原 千秋(ふじわら ちあき)

藤原 千秋(ふじわら ちあき)

主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆して20余年目。現在はライティングの傍ら監修、企画、広告、アドバイザリーなどの業務に携わる。プライベートでは三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著書監修、マスコミ出演多数。総合情報サイト『All About』家事・掃除・子育てガイド。

*1 約8畳試験空間での〈カビ菌〉約2時間後の抑制効果。約6畳試験空間での〈花粉〉約3時間後、〈ニオイ〉約15分後、〈PM2.5〉約12時間後、〈アレル物質〉約6時間後の抑制効果。 約6畳密閉試験空間での〈浮遊菌〉約4時間後〈付着菌〉約8時間後、〈浮遊ウイルス〉約3.5時間後〈付着ウイルス〉約2時間後の抑制効果。
※1 エアコン内部にカビセンサーを設置、1日3時間の冷房運転後に内部クリーン運転ありとなしの条件において、4日後のカビの菌糸長を比較し、カビの成長が抑制されることを確認。
●数値は実際の使用空間での試験結果ではありません。脱臭効果は、周囲環境(温度・湿度)、運転時間、臭気、繊維の種類によって異なります。

2024年7月3日 空気

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