冬より大変!? 放っておきたくない夏冷え対策

体の冷えについての監修:檜垣 暁子
ライター:UP LIFE編集部
2023年9月21日
空気

暑い日が続くのに、なぜか身体が冷えている……。その状態は、もしかすると“夏冷え”かもしれません。
「ちょっと寒いかな」程度に軽く見ていると、長引いてつらい症状を引き起こすこともあるのだとか。そんな“夏冷え”の原因と対策を、専門家に聞いてみました。

“夏冷え”って、何が原因? 肩こりや頭痛を引き起こすことも

“夏冷え”って、何が原因? 肩こりや頭痛を引き起こすことも

夏なのに身体が冷える“夏冷え”。この大きな要因を「夏は身体の内と外から冷やしてしまいがちだから」と語るのは、カイロプラクティック理学士の檜垣暁子さんです。

「冷たい食べ物や飲み物を摂り過ぎると、身体を内側から冷やしてしまいます。さらに、身体が胃に入れたものを体温に近い温度まで温めようとするため、内臓に負担がかかって消化機能の低下に繋がることも。内臓は、その働きを支配する自律神経と互いに影響を与え合うので、内臓の不調が自律神経の乱れを起こして体温調節がうまくできなくなる場合もあります」

一方、外側から冷やすのが冷房です。

「公共の場や自分以外の人と一緒にいる部屋では、自分だけが快適な温度や湿度を保つのは難しく、時には冷やしすぎとなることもありがちです。室内温度と外気温の差が激しくなると、自律神経の乱れから体温調整機能が低下し、冷えや肩こり、胃腸の不調、疲れなどの体調不良を招くことに繋がります」

また、暑いからと部屋にこもりがちになり、運動不足に陥るのもよくないことだとか。

「筋肉を使わずにいると、血流が滞って冷えに繋がります。自律神経の乱れが長引いて食欲が低下し、身体のだるさも強まってくると、運動意欲が湧かなくなることもあるので、そうなる前に全身を適度に動かし、血流促進とリラックスしやすい身体づくりを心掛けましょう」

さらに“夏冷え”が進むと、睡眠のリズムやホルモンの分泌が乱れることも。肩こり、頭痛、手足など末端の冷え感が生じるほか、女性の場合は月経痛がつらくなることもあるそうなので、注意したいですね。

身体を温め、食事にも配慮……。効果的な“夏冷え”対策

身体を温め、食事にも配慮……。効果的な“夏冷え”対策

続いて、“夏冷え”の症状を和らげる方法を、檜垣さんに聞いてみました。

「対策のひとつは、全身を動かすこと。全身を動かす体操で血流を改善したり、筋力アップのトレーニングを積み重ねて脂肪を燃焼しやすい身体をつくったりするのが効果的だと思います。有酸素運動もオススメです。なので、早足でのウォーキングや階段を2個飛ばしで昇降するといったこともお試しください」

また、バスタイムをシャワーで済まさないことも大切だとか。

「自律神経を整えるためにも、お湯に浸かることがオススメです。みぞおちまでの半身浴でもよいので、お湯の温度をリラックスできる38〜40℃にして浸かるようにしましょう」

全身を動かす体操で血流を改善

さらに「椅子に座る時間が長かったり、立ち仕事だったりで疲労したふくらはぎは、ほぐして疲れをためないようにしたいですね」と、檜垣さん。

「ふくらはぎの筋肉にはポンプの役割があり、その働きが低下すると末端の血液を心臓へ戻すことが困難になります。足先の冷えにも繋がるので、マッサージをしたり、筋肉を使って刺激を入れたりするとよいでしょう。また、服装にも注意したいもの。冷房対策で重ね着をする人もいますが、締め付けの強い服だと血流を滞らせてしまいます。動きにくい服装も、気付かないうちに動作範囲が制限され、血行不良につながることがあるのでご注意ください」

また、食べるものにも気を付けたいところです。

「基本的にはバランスの摂れた食事がベスト。さらに、夏の冷えによる疲労回復に役立つビタミンB1も意識し、豚肉やレバー、胚芽米などを食べるのもよいでしょう。ニンニクや玉ねぎに含まれるアリシンはビタミンB1の働きを助けるため、一緒に調理することをオススメします」

温度設定や風向きなど、エアコンの使い方にも気を付けよう

温度設定や風向きなど、エアコンの使い方にも気を付けよう

檜垣さんによると、エアコンも使い方次第では、“夏冷え”を引き起こす要因のひとつとなり得るのだとか。それでは一体、どのように使うのがよいのでしょうか?

「まずは温度設定。室内と外気の温度差が大きいと、体温調整機能を酷使してしまうので、内外の温度差は5℃以内を心掛けるとよいでしょう。日中、室内で過ごす場合、設定は25〜28℃が目安。蒸し暑く不快に感じないよう、ドライ機能を使って湿度を50〜60%に止めましょう。湿度が低くてそれほど暑さを感じないときは、扇風機で空気を循環させるのもオススメ。これなら、設定温度を大きく下げなくても快適に過ごせると思います」

このときに気を付けたいのは、「身体に直接、風を当てないこと」だとか。

「扇風機だけでなくエアコンからの風も同じですが、一定部位に当て続けると身体が冷えてしまうのでご注意ください。また、エアコンで冷やした空気は下に溜まるので、扇風機を使って上手に循環させましょう。エアコンの下、もしくは壁側(エアコンの対面)に扇風機をセットし、水平もしくはやや床面向きで置くようにして下さい。置く位置は身体に直接風が当たらないことを目安に決めましょう」

このほか、就寝時にエアコンを上手に使うと、快適に眠れるそうです。

「就寝前まではエアコンで室温を下げておくと、入眠しやすくなるもの。また、就寝中に室内の温度や湿度が高いと、汗がじっとり残って身体の熱を放散できなくなるので、寝苦しさを感じたり、熱中症のリスクが高まったりもします。眠る際は室温が下がりすぎないよう、ドライ機能を使うのがよいでしょう。ちょうどよい設定温度は人によって異なるので、設定温度を28℃から試して暑ければ1℃下げてみる、といった調整をしていくとよいと思います」

なお、オフィスのエアコンは各自で設定を変えるのが難しいので、自衛策が必要。

「可能なら、冷風の影響が少ない場所に席を移動してもらい、重ね着をしたり、ブランケットを下肢に掛けたりして保温しましょう。内臓が冷えると血流が滞るので、レンジ対応の湯たんぽなどでおなかを温めるのも効果的です。血流がなかなか促されず、冷えや肩こり、背中の張りなどが強くなるときは、休憩時間に軽く体操する、あるいはその場で足踏みをするなど、血流改善のために動いてみましょう」

気流を自在に操るエアコン『エオリア』で、“夏冷え”知らずに

気流を自在に操るエアコン『エオリア』で、“夏冷え”知らずに

夏冷え対策に「エアコンの風を直接当てないこと」が重要とわかってはいても、こまめに風向きを変えるのは面倒なもの。そこでオススメなのは、パナソニックのエアコン『エオリア』に搭載された気流コントロール機能。
たとえば、涼風がシャワーのように降り注ぐ“天井シャワー気流”は、冷たい風が直接身体に当たらない上に、音も静かで快適な冷房機能です。気流コントロールをエアコンに任せて、快適に過ごしませんか。

この記事で紹介した商品

体の冷えについての監修

檜垣 暁子(ひがき あきこ)

檜垣 暁子(ひがき あきこ)

カイロプラクティック理学士・日本カイロプラクターズ協会(JAC)正会員。ロイヤルメルボルン工科大学(日本校5年制)にて応用理学士、カイロプラティック理学士を取得後、大学付属のクリニック、個人治療室に勤務。2003年、横浜市に治療室を開院し、日々、肩こりや腰痛を始めとする不調を訴える患者さんの診療に当たっている。総合情報サイト『All About』肩こり・腰痛ガイド。

2023年9月21日 空気

  • 記事の内容や商品の情報は掲載当時のものです。掲載時のものから情報が異なることがありますのであらかじめご了承ください。