冬のお悩みを解消! 部屋の乾燥と結露を予防する方法

冬の部屋の乾燥と結露を予防する方法についての監修:田中 真紀子(たなか まきこ)
ライター:UP LIFE編集部
2021年1月18日
空気

前回の記事でもお伝えしたとおり、冬の室内にはお悩みが付き物。カラカラに乾いた空気の中では居心地が悪いし、結露でビショビショの窓を見るたびにカビの心配をしなくてはなりません。では、乾燥と結露の賢い対処法は? 今回も、家電エキスパートの田中真紀子さんに聞いてみましょう!

冬には必須となる地域も。部屋の乾燥対策はなぜ大事?

冬には必須となる地域も。部屋の乾燥対策はなぜ大事?

北陸などの一部を除く大半の地域では、冬になると乾燥した空気に悩まされがち。低温低湿の環境での過ごしづらさについては前回の記事でもご紹介しています。さらに田中さんによると、「美容面にも悪影響がある」のだとか。

乾燥した空気は美容面でも悪影響!

「過度に乾燥した空気は、美肌の大敵。皮膚の表面にある皮脂と水分が奪われてカサカサになったり、肌を守るバリア機能が低下して紫外線が入り込みやすくなり、シミやシワといったトラブルを引き起こしたりすることもあります。

また、乾燥することで発生した静電気が髪に帯電し、フワフワしてまとまりにくくなる、なんてことも。静電気はプラスの電気を帯電すると起こりやすいので、『ナノケア』のようにマイナスイオンが発生するドライヤーを使うのも良いかも知れませんね」

このほか、乾燥しているつまり湿度が低いと、それに伴って体感温度が下がります。ついつい暖房を強めてしまって電気代がかかる……といったことも、乾燥がもたらすデメリットです。

乾燥がもたらすデメリットを回避できる適正湿度は?

健康面と美容面、さらには家計にまで与えるダメージを抑えたいなら、やはり乾燥対策は重要項目! 前回の田中さんのお話にもあったように、湿度40%〜60%、室温18℃〜22℃の空間だと快適に過ごすこともできるので、湿度と同時に温度もコントロールするようにしましょう。

“何となく使い”は卒業! 加湿機の効果的な使い方

乾燥対策に最も効果を発揮するのが、加湿機。多くの方が利用されている家電ですが、「ただ何となく選んで、何となく使っている……」というケースは少なくないようです。そこで、加湿機の効果的な使い方を、田中さんに教えてもらいました。

1.エアコンの温風や直射日光が当たらない場所に置く

「湿度センサーを搭載した加湿機本体にエアコンの温風が当たると、センサーが誤検知し正しく働かない場合があります。また直射日光が当たることで、変形や変色してしまう可能性もあるため、設置場所にはご注意ください」

2.風の通り道になる場所に置く

「加湿した空気を部屋中に巡らせる方法として効率が良いのは、エアコンの風に乗せる方法です。気流を妨げないように、加湿機からの空気とエアコンからの風がぶつからない位置に設置しましょう。加湿空気清浄機は、エアコンの対面や対角線の壁、加湿機の場合はエアコンの下に置くと効果的です。」

暖房運転時、加湿空気清浄機の場合、エアコンの風に乗せて部屋中に暖気を行きわたらせる
暖房運転時、加湿機の場合、エアコンの風に乗せて部屋中に暖気を行きわたらせる

3.超音波式やスチーム式は床に直接置かない

「低温の空気は下にたまりやすく、また温度が低いと空気中に含める水分の量が下がります。加湿機を低い位置に設置すると湿度センサーが湿度が高いと検知しうまく働かないことがあります。また、水を超音波によって霧状にして噴出する超音波式や、ヒーターで水を加熱し蒸気をだすスチーム式の場合は、水の粒子が大きく、下に落ちてきやすいのも、床に置くのを避ける理由のひとつです。ただし、気化式やハイブリッド式はファンを搭載して自ら気流を起こせるので、その限りではありません。製品ごとに適した置き場所は取扱説明書にも記載されているので、設置前に目を通しておきましょう」

4.結露防止のために窓から離す

「加湿された空気が窓に当たると、冷やされて結露になってしまいます。特に、気密性の高い住宅は窓と室内の寒暖差がでやすいため注意が必要です。このほか、水の粒子の大きい超音波式の場合、家具の近くに置くと、湿気によって傷んだり歪んだりすることがあります。また、超音波式の場合は、水道水のカルキが加湿した空気と一緒に放出され、家具などを白く汚すこともあるのでご注意を」

部屋の加湿時に気になる結露を予防する方法

もうひとつの冬のお悩み、それが結露。窓ガラスだけでなくカーテンまで濡らし、カビを発生させる原因ともなる厄介者です。予防法を知る前に、まずは結露がどうやって発生するのかを聞いてみましょう。

朝、起きたら窓がビショビショに…。冬の結露のメカニズム

「空気は温度によって、含むことのできる水分量が変わってきます。空気1㎥に含まれる水蒸気の重さは“飽和水蒸気量”と呼ばれますが、空気が冷やされるとこの飽和水蒸気量は小さくなり、水蒸気に余剰が発生。これが水に変わり、窓ガラスなどに付着して結露となるのです。よく例えられるのが、冷たいものを注いだグラス。内側が冷やされると外側との気温差が発生し、冷やされた水蒸気が水滴となって付着するのも、結露と同様の現象です」

室温25℃・湿度50%の空気が室温5℃に冷やされたら…!約4.5/㎥の結露が発生

田中さんによると、こうした結露を防ぐためにも部屋の換気は大切なのだとか。

「換気により、水分を多く含んだ空気を屋外に出して新鮮な空気と入れ替えることができます。日中など、人がいるときももちろん必要ですが、リビングのような夜に人がいなくなる部屋の場合は、最後に換気をして水分を逃がしておくと、翌朝の結露が軽減されることでしょう」

他にもいろいろ。具体的な結露対策

それでは、換気以外でできる結露対策には、どのようなものがあるでしょうか? 田中さんに教えてもらいました。

「窓からの冷気を防ぐために、私は断熱フィルムを貼ったり、外気温が下がる前の早めの時間にカーテンを閉めたりしています。このほか、断熱カーテンを使用する、窓付近に湿気が留まらないようにサーキュレーターなどで風を当てるといったことも良いのでは? また、内窓などを設置して窓自体の断熱性を上げるほか、窓下ヒーターを使用することで窓周辺の温度低下を防止するなども方法のひとつでしょう」

IoT家電の連携で、湿度と温度をかしこくコントロール!

乾燥と結露の予防に加え、温度コントロールも必須となる冬の住まいで活用していただきたいのが、Panasonicの“うるおい暖房”です。

エアコンと加湿空気清浄機がつながる!

『エオリア』と『F-VXV90』なら加湿・暖房が一度でオン

“うるおい暖房”は、エアコン『エオリア』の無線LAN内蔵モデルと加湿空気清浄機『F-VXV90』に対応。スマホでエアコンを操作できる『エオリア アプリ』からワンボタンで、『F-VXV90』の加湿運転を行うことができます。この操作は『エオリア』のリモコンでも可能なので、それぞれの家電を操作せずとも、快適な空間を実現できるのもポイントです。

「乾燥しすぎていても気になる。加湿しすぎてしまうと結露の心配があったり、部屋が暑く感じる。面倒に思いがちな湿度・温度コントロールも“うるおい暖房”なら、手軽に実践できるのでしょう」

冬の部屋の乾燥と結露を予防する方法についての監修

監修:田中 真紀子

田中 真紀子(たなか まきこ)

白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌、web、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使っており、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も得意。テレビ出演も多数。総合情報サイト『All About』白物・美容家電ガイド。

2021年1月18日 空気

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