在宅ワークや勉強に集中できない…。原因は自室環境にあり!?

集中力を上げるための部屋作りについての監修:Yuu
ライター:UP LIFE編集部
2021年1月26日
空気

自宅で仕事をすることが増えた、という人も多い昨今ですが、人によっては「家だと集中できない」「オフィスと違って仕事が捗らない」とお悩みの様子。そう言えば、わが子も勉強に集中できていないような……? 「こうした状況に陥っているなら、室内の環境を見直した方が良い」と語る住宅リフォームコンサルタント/ガイドのYuuさんに、具体的なアドバイスをいただきました。

在宅ワークや子どもが勉強を行うスペース、集中できない環境になっていませんか?

自宅での仕事に身が入らない、あるいは子どもの勉強に対する集中力が低い……。そんな声をYuuさんは、非常によく聞くのだそうです。果たして、その原因は?

「あるある」「目からウロコ!」在宅ワークで集中できない原因

「在宅ワークで集中できない要因のひとつに、生活との切り分けができていないことがあります。たとえば、仕事専用のスペースやデスクがないからと、ダイニングテーブルで作業する方も多いはず。でも、食事をする空間はリラックスできるように設えられている場所です。食事がおいしく見える温かい色の照明だと、文字が見づらい場合がありますし、ダイニングチェアだって何時間も座っていれば腰が痛くなったり、姿勢が悪くなったりもするもの。これでは、仕事に集中するなんて難しいですよね」

もうひとつ、気持ちの切り替えがしづらいことも集中できない要因だとか。

「在宅ワークの合間に休息できる場所がないと、集中力は続きません。オフィスで仕事をする場合、通勤で体力や時間を使うものの気分転換には役立ちますよね。また、ランチで外出したり、同僚と会話したりといったこともリフレッシュできますが、自宅で仕事をしているとこうした機会は少なくなるため、ストレスがたまってしまいがち。在宅ワークを快適かつ効率良く行うには、集中しやすいワークスペースだけでなく、リフレッシュできるスペースも同じくらい大切なんです」

子どもが集中しづらい勉強部屋とは?

続いては、子どもが勉強に集中できないケース。一体、どのような環境なのでしょうか?

「小学校低学年くらいまではリビングで勉強することも多いでしょう。個室で一人より、親や兄弟とコミュニケーションを取りながら勉強する方が記憶に残りやすいという説もありますが、一方で、ダイニングテーブルでは勉強しようという意識の切り替えがしづらく、集中力を欠く場合もあります。

また、個室で勉強するようになるのは小学校高学年くらいからですが、リビングに近い位置に子ども部屋があると、テレビなど周囲の音が気になって集中しづらいケースも。また、子どもの部屋が暑い、あるいは寒いなど、温熱環境に問題があれば勉強に集中できないのはもちろん、生活にも支障を来します。夜はしっかり眠り、朝にきちんと起きることができないと体内時計が乱れがちになり、集中力が欠けたりダラダラしたりしてしまうので注意しましょう。このほか、机や椅子が体に合っていない場合も、姿勢が悪くなることで集中しづらくなります」

視覚、聴覚、温熱感覚からアプローチする集中しやすい部屋づくり

視覚、聴覚、温熱感覚からアプローチする集中しやすい部屋づくり

「集中しやすさは外的刺激によって左右されます」と、Yuuさん。確かに、仕事や勉強をする場所が快適でなければ、集中力は下がってしまいますよね。そこで必要なのが、視覚や聴覚、温熱感覚を整えて快適な環境をつくること。具体的にどうすれば良いか、Yuuさんに教えてもらいましょう。

視覚を整えて集中できる環境をつくるには?

「視覚面でまず大切なのは、どんな照明を使うかです。目にやさしくて負担が軽く、文字が見やすいものを選びたいところ。文字の見やすさにはあかりの色温度(ケルビン)も関係してきます。色温度は数値が高いものほど青みを帯びた光色、数値の低いものほど赤みを帯びた光色となり、文字を読むには高い色温度がオススメです。

在宅ワークや勉強を行うなら昼白色(5000ケルビン前後)を選ぶようにしましょう。ちなみにパナソニックでは、紙と文字のコントラスト感をアップさせ、文字が見やすい色温度(6200ケルビン)と明るさを備えた“文字くっきり光”を用意しています。電球色へ切り替えられる1台2役の電球もあるので、活用してみてはいかがでしょうか?

なお、デスクライトは必須ですが、デスク上が明るいのに部屋は間接照明だけで暗い、というように輝度対比が大きいと目に負担がかかります。特に成人前は視力を落としやすいので、子どもが勉強する部屋は全体を明るくするよう心掛けてください。

また、インテリアや部屋のレイアウトも大切です。直線は適度な緊張感を与え、曲線はリラックスさせる効果があるので、デスク周りに直線基調のインテリアを用いるのもオススメ。さらに、カラーコーディネートの基本では、ブルー系は冷静な気持ちになりやすいと考えられているので、意識的に取り入れるのも良いと思います。とは言え、子ども部屋の場合は子どもが好きな空間であることも大切。過ごしていて楽しいと感じられれば子どもの気持ちは安らぎますし、想像力を育てることもできると思うので、お子さんと相談しながら整えてあげると良いのではないでしょうか?」

雑音は必要? 聴覚面から整える方法

「集中力を持続させるには、できるだけ周囲の音が耳に入らないことも大切です。ある程度の雑音は集中力アップに効果的、という説もありますが、雑音が聞こえてくればつい聞き取ろうとしてしまうので遮断するのがオススメ。手軽なのは、ノイズキャンセリング機能を搭載したイヤホンやヘッドホンを使うことです。また、子ども部屋は密室化を防ぐため、リビングの近くに配置されることも多いですが、テレビの音などの生活音が届きやすいという一面もあります。テレビは向きを変えるだけでも音が伝わりにくくなるので、いろいろな配置を試してみると良いでしょう」

集中力がアップする温度と湿度は?

「室温は快適温度より少し低い方が、仕事や勉強に向いています。目安は室温25℃以下、湿度50%前後ですが、体感温度によっても変わってくるもの。たとえば夏、直射日光が入る部屋は壁や床などに熱が蓄えられるため、輻射熱でより暑く感じてしまいます。直射日光が当たっている床の表面温度は50℃くらいになることもあるので、窓から入る日光を遮るなど、遮熱性を高めることが大切。また、断熱性が低い窓だと熱の出入りが大きいため、冬に冷気を感じて居心地が悪くなることもあります。高性能の窓でもやはり寒さを感じることが多いので、窓から離れた場所で仕事や勉強をするようにしましょう」

できることなら行いたい! 集中力アップのためのプチリフォーム

できることなら行いたい! 集中力アップのためのプチリフォーム

より集中力を高めたいと思うなら、ちょっとしたリフォームを検討する必要もあります。たとえば、部屋の照明を前述した“文字くっきり光”のシーリングライトに交換するのもひとつの方法。このほかにも、いくつかYuuさんに教えてもらったので、ご紹介しましょう。

防音効果も! 遮熱性と断熱性を高める窓リフォーム

「集中力を高め、規則正しい生活リズムを作ってくれるのが窓のリフォームです。内窓を取り付けることで、遮熱性や断熱性、防音性を高めるので、子ども部屋には特にオススメ。戸建てなら通気性のある雨戸に変えて風通しを良くするのも良いですね。手軽な対策としては、カーテンをハニカム構造のスクリーンに替える方法もあります。ハニカム部分の空気層が断熱効果をもたらずので、通常のカーテンより快適性が高まります」

質の良い睡眠をもたらす寝室をつくる

「質の良い睡眠が集中力アップに繋がることを考えると、寝室環境を整えることは大人にとっても重要です。WHOの調査によると、質の良い睡眠に望ましいとされる騒音レベルは30dB以下とされています。図書館は約40dB、幹線道路は約70dBですが、内窓は約40dBも低減できるので、幹線道路沿いの住まいでも理想的な睡眠環境をつくることが可能。また、室内に響くイビキの音を抑えたいなら、吸音性の高いカーペットやカーテンを取り入れるのも良いでしょう」

子ども部屋に伝わる生活音を減らすなら

「子どもの勉強部屋がリビングと近い場合は、部屋のドアを遮音性の高い簡易防音タイプに交換してみては? 気密性を高めて音を遮る設計なので、リビングからのテレビの音などが子どもの気を散らす可能性を低減してくれます。このほか、壁の石膏ボードを二重にして防音性を高めるのもひとつの方法です。内装リフォームの時に一緒にやると良いですね」

デスク周りの環境を整える

「体に合ったデスクとイスを使うことも大切。ワーキングチェアなら姿勢を崩さずに長い時間座っていられるので、ダイニングチェアより集中力も続きやすくなります。子どもがリビング学習をする場合も、専用スペースを設けたいところ。ダイニングテーブルより勉強する気持ちに切り替えやすいのはもちろん、親が食事の準備をしているときに“ノートに醤油が付いた!”なんてイライラすることもなくなります。

また最近、注目が集まっているのが、パーテーション付きで個室感覚が味わえるデスク。新しく部屋をつくるのは大変ですが、置くだけで区切りのあるスペースがつくれるので、賃貸住宅でも便利に使えます」

庭やベランダにリラックススペースを設ける

「在宅ワークの合間、庭やテラスでお茶を飲むだけでも気分転換できるもの。テーブルとイスを置いて、ちょっとしたカフェのようなスペースをつくってみてはいかがでしょうか? たびたびのお話になりますが、集中できる環境をつくるなら仕事や勉強のことだけでなく、トータルで考えることが大切。睡眠、リラックス、健康、温熱環境など、すべてを整えれば結果として集中力が高まり、幸せな暮らしにも繋がると思います」

最新家電を取り入れて、室内環境をより効率良く整えよう

最新家電を取り入れて、室内環境をより効率良く整えよう

Yuuさんによると、「集中できる温度や湿度を整えるなら、エアコンや加湿空気清浄機といった家電も大いに役立つ」のだとか。ここではそんな空気を整えてくれる家電をご紹介しましょう。

冬でも夏でも快適な室温を実現する『エオリア』

エアコン『エオリア』の最新モデルは、“新・エネチャージ システム”を搭載。暖房運転時、大気中へ放出していた排熱を活用して室外機の霜取りを行うことができるため「暖房が止まらない」という従来の特長に加え、冷房時は設定温度に達してもその温度を保ちながら除湿を継続することで快適さをキープできるようになりました。

このほか、寒い時期に助かるのが“足元暖房”。大きなフラップが温風を押さえ込んで足元まで届けるので、足が冷えるのを軽減してくれます。

インテリアにも馴染む加湿空気清浄機『F-VXT90』

F-VXT90』は、パナソニック加湿空気清浄機のハイエンドモデル。スタイリッシュなキュービックフォルムのデザインを採用し、機能美も備えた1台です。たっぷりの水をすばやく気化させる独自のフィルターで、1時間に最大870mLのパワフル加湿を実現。畳数もプレハブ洋室24畳まで対応していますので、集中しやすい部屋づくりをサポートしてくれます。

『エオリア』+『F-VXT90』なら加湿・暖房が1度でオン

『エオリア』の無線LAN内蔵モデルと『F-VXT90』は連携できるのも特長。エアコン操作がスマートフォンでできる『エオリア アプリ』で“うるおい暖房”を選択すれば、エアコンの暖房運転と同時に『F-VXT90』の電源がオンになり、加湿運転もスタートすることができます。乾燥しがちな暖房時に、手元のアプリで加湿運転をスタートできるのはうれしいですね。

空気環境を整える最新家電にYuuさんも納得!

「在宅ワークを始めたことで問題になったのが、光熱費の大幅アップ。家にいる時間が長くなったので当然ですが、上がり具合に驚いた方も多いことでしょう。だからこそ、省エネ性の高い設備は今まで以上に重要になるもの。排熱を利用して省エネを実現する『エオリア』は、これからの時代にも則していると思います。また、在宅ワークでは足の冷えが気になるという声もよく聞かれますが、“足元暖房”による頭寒足熱は集中力アップにも貢献してくれるはず。

『F-VXT90』は、今までと一線を画すオシャレなデザインも魅力的ですね。空気清浄加湿機はともするとインテリアの異物になりますが、これなら大丈夫。カラーバリエーションは木目調とホワイトの2つが用意されていて、さまざまなテイストのインテリアに合わせられるので、とても良いと思います。スマホひとつで暖房と加湿の運転をオン・オフできるのも手軽です。このほか、私のお気に入りは次亜塩素酸で空間の除菌と脱臭を行う『ジアイーノ』。健康的な暮らしは何より大切と思っているので、これからの時代には必要になるのではないでしょうか」

集中力を上げるための部屋作りについての監修

監修:Yuu

Yuu

多くの現場経験や相談実績を持ち、リフォーム全般に精通する一級建築士。住宅リフォームコンサルタント・住宅リフォームガイド。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱しており、講演・監修・執筆などを通じて本当に満足するリフォームのノウハウを伝えている。総合情報サイト『All About』リフォームガイド。

2021年1月26日 空気

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