子育て世帯が暮らしやすい住環境づくりってどうすればいいの?
子育て世帯が暮らしやすい住環境づくりについての監修:藤原 千秋(ふじわら ちあき)
ライター:UP LIFE編集部
2021年3月19日
空気
小さい子どもを育てている家庭にとって暮らしやすいのは、どのような住まいでしょうか? さまざまな考え方はあるものの、最も大切なのは安全に暮らせること。でも、子どもの思いも寄らぬ行動は、時に家庭内事故につながる恐れもあるものです。では、どのような点に気を付ければ良いか、子育て情報を数多く発信する藤原千秋さんに聞きました。
安全な家づくりに必要なのは、大人にとって「想定外」の要素を減らすこと
小さな子どもがいる家庭にとって安全な住まいとは、「大人の視点で、”まさか”や”想定外”の要素が少ない家」と、藤原さん。
「実は子どもにとって100%安全な家って、つくりようがないんですよね。親がいくら対策を施したところで、実際の事故は”まさか”や”想定外”のことで起こるので。たとえば、落下事故の可能性がある階段や、包丁などがあるキッチンに柵を設置することはできても、子どもはソファで飛び跳ねて頭から落下するなど、それこそ”まさか”なことも多々あるんです。だからこそ、想像の限りを尽くして危険と考えられる要素をできる限り潰していくしかない。
個人的には、はじめての赤ちゃんが産まれるという家には、危険予知コンサルタントと言えるような人が指導に入るべきなのではと思っています。家の中の危ない場所やできる対策をしっかりレクチャーしてもらえれば、子どもの家庭内事故も減らせるでしょう」
安全な家をつくるために、具体的に何ができる?
それでは、「想定外」の要素を減らすには、家の中のどのような点をチェックすれば良いのでしょうか?
「子どもが安全に暮らせる家について初めて勉強するなら、参考になるのが保育園。たくさんの子どもを同時に見なくてはいけない施設なので、安全対策も入念に行われていますよ。また、家の中の段差をなくして転倒事故を防ぐ、といったことも必要ですが、さらに大切なのは価値観を変えること。大人だけの生活と違い、子どもがいる生活ではちょっとしたことが事故につながります。たとえば、床に落ちたクリップをそのままにしていたら、子どもが誤飲してしまう可能性もありますよね。だからこそ、住まいの掃除ではテレビの上のホコリを取り除くより、クリップを拾うことの方が重要なんです」
なるほど、今までの暮らしに子どもが加わったら、掃除の仕方ひとつとっても優先順位を変えていく必要があるんですね。
命に関わるリスクを排除することが大切
「実際のところ、ちょっと転んでひざをすりむくくらいのことなら、かならずしも排除すべき要素ではないと思うのです。絶対に避けなくてはいけないのは、子どもの命に関わること。特に転落や水場での事故は、そのまま死に繋がりかねません。私も子どもがまだやっと歩き始めたばかりくらいに小さかったとき、ちょっと目を離した隙にダイニングテーブルに上ってキッチンカウンターへ移ろうとしていて、真っ青になった経験があります」
子どもは成長するにつれ、できることが増えていくもの。大人の行動をよく見ていて、勝手に窓を開けてベランダへ出てしまったり、二重ロックを解錠して玄関を開けたりといったケースもあるそうです。
「子どもの成長と親の事故対策はいたちごっこ。”ここまで対策すれば大丈夫”という予測が日々、覆されていきます。ある程度、大きくなったら危ないことを避けるように言葉で説得するにしても、それまでは親が気を付けなくてはなりません。近年はSNSなどで情報が行き渡りやすくなっているので、子どもがどんな”想定外”をやらかすか、日頃からチェックしておくのも良いと思います」
子どもが過ごす床上30cmエリアの環境を整えよう
また「子どもは大人よりも床に近い場所で生活しています」と、藤原さん。そのため、高い場所よりも床に近いエリアを整えることが必要なのだそうです。
「最初は寝ている赤ちゃんも、成長すれば寝返りが打てるようになり、転がって移動することを覚え、いずれはハイハイをするようになっていきます。このとき、床にホコリがあれば口に入れてしまってもおかしくないのです。が、ホコリには花粉やダニなどが含まれている場合もあります。また、たとえ小さな物でも先ほどお話ししたように誤飲事故の危険性があるので、床の上は最低限の清潔さを保っておくようにしましょう」
子どもにとって快適な状態は? 床上30cmの温熱環境
子どもの暮らしやすさを考えるなら、床上エリアの安全性や清潔さに加えて必要なのが快適さ。これに大きく関わるのが温熱環境です。
「大人がイスに座っている場合、床からの距離は1m程度。イスに座っている場合と床とでは温度が1〜2℃違うので、大人と子どもでは必然的に暑さ寒さの感じ方も変わってきます。このことを把握するには一度、床に近い場所に温湿度計を設置し、大人の生活エリアとの違いを比較してみると良いでしょう。ただし、赤ちゃんは新陳代謝が活発なので、大人にとって快適な温度がちょうどいいとは言い切れません。室温を管理する場合は20℃〜25℃くらいを目安としながら、お子さんの様子を見ながら調整するようにしましょう」
家電の力を借りて暮らしやすい家をつくることも大切
子育て世帯が暮らしやすい家をつくるなら、家電を活用するのがオススメです。
「床の上を清潔に保つには、自動で掃除してくれるロボット掃除機はやっぱり便利。また、空気中に浮遊する微細な物質を、床に落ちる前に取り除く空気清浄機があれば、多少なりとも掃除の頻度を減らせます。室内の空気環境を整えるのに役立つエアコンも、空気清浄機能が搭載されているモデルだとより良いですよね」
多忙な人をサポートするロボット掃除機『ルーロ MC-RSF1000』
掃除にかかる時間を格段に短縮できるロボット掃除機は、忙しい人にとっても大いに助かる家電です。パナソニックの『ルーロ MC-RSF1000』は独自の三角形状で、ゴミの溜まりやすい部屋のスミやキワまでしっかりお掃除。段差を乗り越えるアクティブリフトや、散らかした物や家具があっても避けてお掃除ができるセンサーを搭載するなど、お部屋のお掃除を安心して任せることができます。
加湿空気清浄機『F-VXT90』は、エアコン『エオリア』と連携が可能
パナソニックの加湿空気清浄機『F-VXT90』は、スマートフォンとの連携を可能としたハイエンドモデル。『ミルエア』アプリを使用することで、汚れと加湿の度合いや運転音の強さを自分流に設定して理想の空気環境を実現します。
また、パナソニックのエアコン『エオリア』との連携も可能。エアコンをスマートフォンで操作できる『エオリア アプリ』で”うるおい暖房”を選べば、エアコンの暖房運転と同時に加湿空気清浄機の加湿運転がスタートし、より快適な室内空間をつくります。
さらに独自イオンテクノロジー、高濃度の「ナノイー X」も搭載し、花粉やアレル物質などの有害物質を抑制。もちろん、空気清浄機の集じん効率に重要な「気流」についてもこだわりが。3方向へ吹き出す立体的な気流がお部屋のすみずみまで効率よく循環し、室内に入り込んだ花粉をしっかり吸い込みます。家族のすこやかな暮らしにも貢献する1台です。
完璧な家を目指すあまり、がんばりすぎないことも大切
藤原さんのお話にもあったように、子育て世帯にとって100%完璧な家をつくるのはなかなか難しいもの。だからこそ、「できる範囲のことをやればいいという気持ちで、無理をしないことが大切」と、藤原さんは語ります。
「命に関わるリスクを回避することはもちろん大事ですが、必死になりすぎては心が折れてしまいかねません。子どもが小さいうちは、それこそ四六時中目が離せないもの。私も自分自身で驚いたのですが、子どもが大きくなった今でも、夜中に別の部屋で咳をしているだけで目を覚ましてしまいます。とにかく気を落ち着けるヒマがありませんが、時には休むことも必要。複数の大人がいる家庭なら、普段、子どもの面倒を見ている人が休める時間をつくってあげてください」
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子育て世帯が暮らしやすい住環境づくりについての監修
藤原 千秋(ふじわら ちあき)
主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆。現在はライティングの傍ら監修、企画、広告、アドバイザリーなどに携わる。プライベートでは三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著監修書、マスコミ出演多数。総合情報サイト『All About』家事・掃除・子育てガイド。
2021年3月19日 空気
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