エアコンの設定温度がすべてじゃない!心地よい体感温度ですごす方法とは?扇風機などの家電活用術もご紹介

監修:Yuu
ライター:UP LIFE編集部
2021年9月13日 空気

エアコンにまつわるお悩みでよく耳にするのが、「ちょうどいい設定温度のはずなのに、どうも快適にならない」という声。中には、「リビングは快適なのに、寝室ではいまいち」など、部屋によって印象が変わる人もいるようですが、これを「エアコンの効きが悪いから」と判断するのは間違いかもしれません。では一体、何が原因? 一級建築士のYuuさんに、具体的な解消方法と合わせて聞いてみましょう。

なぜ起こる? エアコンの設定温度と体感の誤差

なぜ起こる? エアコンの設定温度と体感の誤差

エアコンの設定温度を快適なものにしていても、何だか「暑い」あるいは「寒い」。また、人によっては、特定の部屋だけでそう感じることもあるようですが、こうした不満が生まれるのはなぜなのでしょうか? まずは適正な室温の目安から考えてみましょう。

環境省が推奨する室温の目安は?

適正な室温の目安として、よく言われるのが「夏は28度」「冬は20度」。これは環境省が掲げるものですが、Yuuさんによると「あくまで室温の目安」なのだそうです。

「エアコンの設定温度と混同されることがありますが、あくまでもこれは室温の話です。エアコンは室内機内部のセンサーで温度を測定しているため、設定温度と実際の室温が異なっていることが多く、家の構造や日当たりなども影響してきます。中には、エアコンのお手入れ不足で能力が発揮できていないケースもあります」

また、室温が適正だからといって快適とは限らないところも問題です。快適かどうかは「体感温度」で決まり、室温に加えて、湿度など複数の要素で左右されます。地域によっても快適感覚は異なり、たとえば冬の外気温が低い北海道では、室温は高めに維持するのが通常の感覚です。エアコンの設定温度や室温の数字ばかりにとらわれず、様々な工夫を無理のない範囲でしながら快適な環境づくりをしたいですね」

実際の室温よりも大切なのは体感温度

Yuuさんによると、暑さ寒さは「体感温度」で決まるのだとか。

「体感温度は気象条件や服装、年齢性別によっても変わりますが、室内環境の快適化には、『気温』『湿度』『風』『熱放射』の4つを適切にコントロールするのが効果的です。これらは住まいの工夫や、家電を取り入れることで大きく改善できます。

たとえば同じ室温でも、湿度が高ければジメジメとして蒸し暑く、窓から太陽光が直射すればジワジワと暑さを感じます。一方、日差しを遮って日陰を作り、体に風を当てれば涼しく感じるようになります。このような室内環境を快適化する4つの要素を知って対策すれば、同じ室温でも快適に過ごすことができますよ」

住まいの構造や室内の温度ムラでも変わる暑さ寒さ

「また、断熱性の低い家は外気の影響を受け、部屋ごとに温度差が生じやすくなります。夏は太陽光の影響を受けやすい最上階の部屋や、西向きの部屋は暑くていられない。冬の場合は、暖房している部屋は暖かいけれど他の部屋は外と変わらないくらい寒い、ということが起こりえます。

室内を快適に保つポイントは窓にあります。現在の日本の住宅では、壁や天井には断熱材を施すことが一般的ですが、窓の断熱性能はまちまち。対策を施していない窓は断熱が弱点なので、夏は太陽の日射熱が入り込まないよう遮熱性能を上げる、冬は冷気が入り込まないよう断熱性能を上げる工夫が重要です。

さらに、温かい空気は上に移動し、冷たい空気は下に移動する性質があるため、空気が循環していないと部屋の中で温度ムラが生じることも。理想は窓を中心とした断熱性能の向上をするリフォームを行なうことですが、エアコンをはじめとした家電を上手に活用することで解消していくことも可能です。上手に選んで使いこなしたいですね」

体感温度や室内の温度ムラからくる暑さ寒さ。家電を上手に使って解消する方法もあるようです。いったいどのような方法なのでしょうか?季節ごとにみていきましょう。

夏の暑さと効率の良い家電の使い方

夏の暑さと効率の良い家電の使い方

それでは、暑い夏の場合、室温と設定温度にはどのようなギャップが出てくるのでしょうか? 家電を効率良く利用して涼しく過ごす方法と合わせて、Yuuさんに教えてもらいました。

室内の温度を上げる主な原因は?

「夏、室内が暑いと感じる主な原因は太陽の熱(日射熱)です。この熱で温められたコンクリートやガラス、床や壁材などの人工物が熱を放つことで、より温度を上げてしまう、これが熱放射と呼ばれています。

以前、物体の表面温度を測る放射温度計で計測したところ、直射日光の当たるフローリング面は約50度にまで熱せられていました。床暖房の表面温度は30度前後ですから、これではエアコンと高温の床暖房を同時につけているようなもの。エアコンの設定温度をいくら下げても、効きが悪くなるのは当然ですよね。

また、湿度が高い日本の夏は除湿も大切。湿度が高いと体感温度が上がり、熱中症のリスクも高まるので注意が必要です」

熱放射に要注意。夏、暑くなるのはこんな部屋

「断熱性が低い建物では、太陽光の影響を受けやすい部屋、たとえばマンションの最上階や、一戸建ての2階などが暑くなります。これは、直射日光で熱せられた屋根や壁の熱が、ジワジワと室内(内側)へ移動してくるから。また、朝日や西日が入り込む部屋も暑くなります。西日はよく言われますが、実は朝日の熱量は西日と変わりません。西日は気温が上がり切った上に強い直射日光が差し込むので、より暑く感じてしまうのです」

涼しく過ごすために、家電でできること

「エアコンの設定温度を変えずにより涼しくしたいなら、熱放射を防ぐための遮熱対策をしましょう。2階を涼しくするなら屋根裏に断熱リフォームを施すと効果的です。窓まわりはすだれや緑のカーテンで外側から覆って。イマドキは外付け用の日よけスクリーンも色々あります。

また、エアコンだけでなく扇風機やサーキュレーターを併用すると、ぐっと快適になります。風があると涼しく感じるので扇風機は身体に当てて。サーキュレーターは室内の空気を循環させて、室内の温度ムラを押さえます。どちらも上手に取り入れることでエアコンを効率よく使うことができ、涼しく過ごせるようになります。

イラスト:サーキュレーターを使用した際の冷気の流れ

湿度にも注目しましょう。湿度コントロールの重要性は、先日私も実感したところです。リフォームができる住宅の場合はリフォームを検討してもよいでしょう。同じ日に調湿建材を使った自宅と、そうではない事務所で比べたところ、同じ県内で湿度が20%近くも違って驚きました。自宅は室温27度でしたが湿度47%で快適。事務所は室温25度でしたが湿度65%で蒸し暑く感じたのです。もちろんエリアや建物の構造の違いはありますが、壁や床に調湿建材を使うのはかなり効果があると思います。リフォームでも意外と手軽にできますから、チャレンジしてみてはいかがでしょうか」

また純粋にジメジメが気になる、という場合は、除湿機を使うのもおすすめ。コンセントに差し込むだけで、簡単に除湿をすることができますし、エアコンの除湿機能もうまく活用しましょう。

冬の寒さと効率の良い家電の使い方

冬の寒さと効率の良い家電の使い方

続いて、冬の場合を聞いてみましょう。

エアコンを使っていても部屋の中が寒い原因

「冬の室内の寒さの大きな要因は家の断熱不足によって、外の冷気が家の中に入り込んでくることによるものです。窓から冷気が入りやすいので、窓際が特に寒いと感じる家も多いことでしょう。また、寒い季節は足元の冷えや顔のほてりを気にする方が多いですが、これは断熱性能の低さに加えて、対流によって温かい空気が上に移動するから。また湿度が低くなりがちなため、体感温度が下がりやすくなるので注意が必要です」

冬、寒さが増すのはこんな部屋

「冬は夏よりも更に住まいの断熱性が重要になります。理想は家全体をくるむように断熱することですが、窓の対策をするだけでも効果があります。窓が大きかったり多かったりする部屋は、室内の熱が逃げる量もさらに大きくなるので、できる限りの対策を行いましょう」

暖かく過ごすために、エアコン以外でできること

「窓にハニカムスクリーンや内窓の取り付けをすると、室内の熱を逃がしにくくなるので、同じエアコンの設定温度でも暖かさを感じられるようになります。

足元が冷える時はサーキュレーターで室内の空気を循環させましょう。上空に溜まった温かい空気が巡って、足元の冷えを軽減してくれます。その際は風が身体に当たらないように注意を。風を感じると体感温度が下がります。

イラスト:サーキュレーターを使用した際の暖気の流れ

湿度が低い場合は、加湿機を上手に使いましょう。ただし最近は加湿のし過ぎでカビが生えやすくなったり結露がひどくなったりといった問題もあります。湿度をチェックしながら適切に使うようにしましょう」

温度ムラと体感温度のギャップ抑える最新エアコン

イメージ:最新エアコンを設置した部屋

ここまで、Yuuさんに快適な室内環境の整え方とエアコンの上手な使い方について色々教わってきましたが、大切なことは室温以外の要素も重要であること。そして住まいの工夫はもちろん、家電の活用によって快適な環境が作れることです。Yuuさんの教えに加えて編集部からお伝えしたいのが、最新エアコン。

近年のエアコンは機能がグンと進化しており、扇風機やサーキュレーター、加湿機などをできるだけ使わずに、快適な環境づくりや体感温度コントロールも賢くこなしてくれるんです。10年以上使っているエアコンがあるなら、買い替えがおすすめ。ここからは、そんな最新エアコンについてご紹介しましょう。

快適な環境づくりはエアコンの自動運転におまかせを

エアコンの自動運転モードなら、人が設定温度を調整しなくても快適な環境を整えてくれます。必要以上に設定温度を上下させることもないので、節電の効果も期待できます。

たとえばパナソニックのエアコン『エオリア』は、リモコンの“AI快適おまかせ”ボタンを押すだけで、AIが最適な運転モードを自動で選択。運転履歴のほか、センサーが検知した人の在・不在や居場所、家具の配置、間取りなど、数多くの情報をエオリアAIが分析し、使い方や住まいに応じて最適な運転を行います。人の活動量や周辺温度まで検知できるので、その部屋にいる人みんなが快適に過ごせるのも特長。

遠くまで届くロング気流で、室内の温度ムラを解消

冷房時、体に風を当てないように気流を持ち上げるのが、『エオリア』に採用された“マルチ・ビッグ・フラップ”。暖房時には舞い上がりやすい温風を押さえ込んで足元に届けるので、足元だけが寒くなるといったことはありません。気流が遠くまで届くのもうれしいポイント。

また、2021年モデルより『エオリア』は、これまで排出していた熱エネルギーを冷暖房運転時に活用する、世界初の機能も採用しています。冷房時には“新・エネチャージ「快湿」制御”、暖房時には“エネチャージ ノンストップ暖房”として、高い省エネ性と快適性を実現。また、寒冷地では室外機の霜取り運転を行う機会が増えますが、チャージした熱を使うことでその間も暖房運転がストップすることはありません。

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Yuu

監修: Yuu (本名:尾間 紫)

多くの現場経験や相談実績を持ち、リフォーム全般に精通する一級建築士。住宅リフォームコンサルタント・住宅リフォームガイド。過去を繕うものではなく、未来の暮らしを創る「リライフのリフォーム」を提唱しており、講演・監修・執筆などを通じて本当に満足するリフォームのノウハウを伝えている。総合情報サイト『All About』リフォームガイド。

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記事の内容や商品の情報は掲載当時のものです。

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