エアコン利用時の換気、どうしてる? 換気機能付きの最新モデルも要チェック

エアコン利用時の換気についての監修:田中 真紀子(たなか まきこ)
ライター:UP LIFE編集部
2022年1月25日
空気

換気の必要性が唱えられ、室内の空気環境を見直す機会も増えた昨今。これまでも『UP LIFE』では、換気の大切さや効率良く換気する方法などをお伝えしてきましたが、今回、注目したのはエアコンを使っているときの換気について。室内の快適な温度を逃がさないコツは? 換気中はエアコンを消さなきゃダメ? ……そんな素朴な疑問も、家電エキスパートの田中真紀子さんに解消してもらいましょう。

一般的なエアコンに、換気機能は付いていないってホント!?

写真:お部屋の空気を気にする女性のイメージ

エアコンは換気ができる……。少し前なら幅広く浸透していた誤解ですが、田中さんによると「最近ではずいぶん認識が改まってきた」そうです。

「ここ数年、これまで以上に換気の重要さが説かれるようになりました。その一環として注意喚起されたのが、エアコンは換気ができない、ということ。最近は一部のエアコンに換気機能が搭載されましたが、まだ多くのエアコンは換気をすることができないんです」

「エアコン=換気できる家電」と誤解されがちなワケ

「吸った空気を快適な温度と湿度にし、再び室内に送り込む」というのが、エアコンの大まかな構造。室内機だけでなく室外機からも風が出ていることから、「室内外の空気をやり取りしているように思えるため、換気できると誤解されるのでは?」と田中さんは推察しています。

「多くのエアコンは内気循環式なので、室内の空気を外気と交換できるわけではありません。ただ、最近では換気の重要さが浸透してきたこともあって、一部のモデルには換気機能が搭載されてきています。昨今の風潮を考えると、換気できるエアコンはこれからもっと増えていくかもしれませんね」

ご存知ですか? 換気の役割と種類

写真:窓を開ける女性のイメージ

そもそも換気とは、室内外の空気を入れ替えること。室内の空気は花粉、ダニといった有害物質を含み、二酸化炭素の濃度が高まってもいるので、屋外の新鮮な空気と入れ替える必要があることは、以前の記事でもご紹介したとおりです。

「自然換気」と「機械換気」を併用しよう

換気の種類は、大きく「自然換気」と「機械換気」のふたつに分けられます。「自然換気」は、窓などを2箇所以上、開けて空気の出入口を作る方法。一方の「機械換気」は、空気の出入口に設置したファンなどの機器を使う方法で、24時間換気システムもこの一種となります。

24時間換気システムはシックハウス症候群のケアなどのため、2時間に1度、家の中の空気を入れ換える設計ですが、感染症対策の窓開け換気(自然換気)が不要になるわけではありません。その辺りも理解しながら、窓開け換気も定期的に行いましょう。

エアコン利用時の換気はホントに必要? 効果的な方法は?

写真:悩む女性のイメージ

せっかく快適な温度になったのだから、窓開け換気はしたくない……。そう思う方もいるでしょうが、前述のとおり換気は重要なもの。健やかに暮らしていくためにも、欠かすわけにはいかないのです。そこで田中さんに、換気をしながら快適な室温をできるだけキープする方法を教えてもらいました。

開ける窓の位置、設定温度 etc. エアコン利用時に効率良く換気するコツ

「エアコンは立ち上がりのときに最も負荷が掛かるので、エアコン利用時に窓開け換気をする場合は、つけっぱなしにしておきましょう。また、開けるのはできるだけエアコンから離れた位置の窓を。近い位置で開けると外気温の影響を受けやすくなり、エアコンに負荷が掛かり続けるため、室温調整に時間がかかって電気代がかさむ要因にもなります。

また、暖房運転時は建物の蓄熱性を利用するために、室内をしっかり暖めてから換気を行いましょう。窓を開ければ室内空気の温度はいったん下がりますが、天井や壁が暖まった状態なら戻りやすくなります。一方、冷房運転時の窓開け換気では、エアコンの設定温度を低めにするのがおすすめ。外気温の影響を受けて室温が上がり、体調を崩すことのないよう、暑いと思ったらガマンせずに調整してください」

換気機能付きのエアコンを利用して、効率良く快適な換気を

写真:LXシリーズ

換気・加湿ができるエアコンとして注目を集めているのが、パナソニックの『エオリア LXシリーズ』。ここでは、このエアコンの換気機能について、詳しく見ていきましょう。

換気機能の秘密は室外機にアリ

『LXシリーズ』に新しく採用されたのが、室外機に搭載された「換気・除加湿」ユニット。このユニットが新鮮な外気を取り込み、熱交換器で温度調整をしてから室内に送り出します。つまり、換気しながら冷暖房ができるということ。

換気に加え、加湿や新除湿も可能に!

さらに、このユニットは外気から湿気を集めて加湿ができるので、給水の手間なく加湿できるほか、加湿の単独運転はもちろん、加湿と同時に暖房運転を行うこともできます。また、除湿の際には湿気を取り除いた外気を取り込むことで寒くなりにくい除湿を実現するなど、換気とともに湿度のコントロールも可能となっています。

活動量や好みに合わせて吸気量を調整。アプリで遠隔操作もできる

換気機能はリモコンのボタンひとつで利用可能。給気量は、センサーが検知した人の活動量に応じて自動で調整できるほか、強・中・弱から任意で選ぶこともできます。また、『エオリア アプリ』を使えば、遠隔操作で外出先からでも換気ができるのもポイント。

「外気温の影響を受けずに換気できるのは、『LXシリーズ』の魅力のひとつ。窓開け換気の必要がなくなるわけではないとはいえ、安心感は高まると思います。また、花粉や黄砂などで窓開けをためらうようなとき、エアコンが換気もしてくれると心強いですね。換気運転をしながら、有害物質の抑制効果がある『ナノイーX』を放出してくれるので、この流れも“うまくできているな”と思います。

『エオリア アプリ』で外出先から作動させられるのも便利。旅行から帰ってきたら家の中にニオイがこもっていた……なんてこともありがちですが、帰宅前に換気運転をしておけば快適に帰宅できそう。夏場、不在中にこもった室内の熱気を換気で和らげてから、冷房をスタートさせるといったことも、遠隔操作でできるのはうれしいですね」

室内の空気環境は気になりますが、一つひとつ丁寧に対処すると案外手間もかかってしまいがち。最新エアコンや家電をうまく活用し、無理なく見直していきましょう。

この記事で紹介した商品

エアコン利用時の換気についての監修

写真:田中 真紀子(たなか まきこ)

田中 真紀子(たなか まきこ)

白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌、web、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使っており、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も得意。テレビ出演も多数。総合情報サイト『All About』白物・美容家電ガイド。

2022年1月25日 空気

  • 記事の内容や商品の情報は掲載当時のものです。掲載時のものから情報が異なることがありますのであらかじめご了承ください。