ホコリはなぜ発生する? 体への影響や掃除のコツと、簡単・楽チンな対処法

ホコリの発生原因と掃除のコツ、対処法についての監修:藤原 千秋(ふじわら ちあき)
ライター:UP LIFE編集部
2023年9月21日
空気

ふと部屋を見渡すと、いつの間にかたまっているのがホコリ。「それなりに掃除をしているはずなのに、なぜ?」と思う方もいることでしょう。そもそもホコリは、どうやって発生するの? やっぱり体に悪いもの? そんなホコリにまつわる疑問を、掃除のエキスパートである藤原千秋さんに聞いてみました。効率良くできる掃除のコツや簡単な対処法も教えてもらったので、ホコリにうんざりしている方はもちろん、あまり気にしていない方もぜひご一読ください。

ホコリの正体は繊維クズ……だけじゃない! +αのイヤな物質も

写真:ホコリと掃除機

部屋の中にたまるグレーのフワフワしたホコリ。そもそもこの正体は、一体何なのでしょうか?

ダニのフン、花粉のカケラ etc. ホコリはさまざまな物質の集合体

藤原さんに聞いたところ、「中心となるのが私たちの衣類や、カーテンなどのインテリアファブリックから落ちた繊維クズ」なのだそう。

「洗濯機のゴミ取りネットにもたまっていますが、繊維クズはとにかく落ちやすいんですよね。あとは、食べ物のカス、ダニの死骸やフンのかけら、カビ胞子、アカやフケのほか、季節によっては花粉のかけらなどもホコリの一部。サイクロン式の掃除機で吸ったゴミを見ると、細かな粉が取れていたりしますよね。私は“謎粉”と呼んでいるんですが、白いものはだいたいダニや花粉などのかけらです。中には、排ガスに含まれる成分やカビ、泥や砂のかけらなどが黒い粉状になって混じっていることもあります」

つまり、ホコリは家の中で発生するだけでなく、外からも入り込んでくるということ。しかもアレル物質なども含まれているとなると、やはり気持ちのいいものではありませんね。

ホコリとハウスダストの違いって?

ホコリ=ハウスダストと思っている方もいるかもしれませんが、実はハウスダストはあくまでホコリの一部。藤原さんによると、「ざっくり言うと、ホコリの中でも目に見えない大きさとなった微粒子をハウスダストと呼ぶ」のだそうです。

「ハウスダストが床などに落ちて集まると見えるようになりますが、空中に漂っているときは可視化されません。窓から光が差したとき、空中にキラキラ光っているものが見えますが、これらは一般的なホコリ。さらに細かなハウスダストは、実はホコリよりも大量に空気中を舞っていると思います」

体にさまざまな影響を及ぼすハウスダスト

「ハウスダストは微細なため、体の奥まで入り込みやすい物質。身体に悪影響を及ぼす原因の一つと言われています。よく鼻呼吸が良いと言われますが、これは鼻毛がフィルターの役目を果たすから。鼻毛に引っかかった細かな物質をくしゃみや鼻水と一緒に排出することで、体内への侵入を防いでいるんです」

室内でホコリがたまりやすいのはどんな場所?

写真:首をかしげる女性

「フケやアカもホコリの一部なので、たとえ裸で暮らしてもホコリの発生を防ぐことはできません」と、藤原さん。そんなホコリがたまりやすいのは、どのような場所なのかを聞きました。

①部屋の隅

「私たちが動いたり窓を開けたりすると、室内に気流が発生し、ホコリを舞い上げます。つまり、空気の流れが滞る箇所は、ホコリがたまりやすくなるもの。特に部屋の隅は掃除がしにくいこともあって、ホコリのたまり場になりがちですね。なお、エアコンや扇風機の風も、室内の空気を動かす要素となります」

②家具や家電の上面や、床とのすき間

「室内に空気が流れていないと、空中のホコリはそのまま下へと落ちてきます。これが床なら掃除機をかけることで取り除けますが、家具や家電の上や床とのすき間は掃除がしにくいので、降り積もってしまいがち。目立たない場所なので、気付かないままだとホコリはどんどんたまっていきます」

③ソファやカーペット、布団などの布製品

「人が動くことで布がこすれると、繊維クズが発生します。つまり、布製品はホコリの発生源となるため、立ったり座ったりするソファ、寝返りなどでこすれる寝具の下といった場所は、ホコリがたまりやすいもの。また、布がこすれて静電気が起こるとハウスダストまで引き寄せるため、布製品の奥までホコリが入り込むことになります」

④コンセントや家電の付近

「これらの場所も静電気を帯びることで、ホコリがたまりやすくなります。なお、換気扇やサーキュレーター、扇風機、エアコン、空気清浄機、除湿機など、あらゆるファンの周りもホコリがたまりやすい場所ですね」

⑤住宅の吸気口

「外気を家の中に取り込む吸気口からは、排ガスに含まれる汚れや花粉なども入ってきます。吸気口にフィルターが備えられていない場合は、周囲が黒ずんでしまいますが、これもホコリの一種です」

⑥洗濯機や乾燥機のフィルター

「室内にたまるホコリのようにフワフワしていませんが、洗濯機のゴミ取りネットや乾燥機のフィルターの中には、衣類由来のホコリがたまっています。このほか、クローゼットやタンス、更衣室のロッカーの中なども、衣類から発生したホコリがたまりやすい場所と言えるでしょう」

エキスパートが指南! 効率良くホコリを取り除くお掃除術

写真:掃除機をかけているイメージ

続いては、ホコリを効率良く取り除く掃除の仕方。藤原さんにポイントを聞いてみました。

たまりやすい場所に高頻度でスティック掃除機をかける

「以前なら、“朝一番など、人の動きがなかった時間帯に掃除機をかける”とお伝えしていましたが、忙しい現代人には難しいですよね。そこでおすすめしたいのが、気付いたときにこまめに掃除機をかける、ということ。

このときは部屋全体ではなく、部屋の輪郭に沿った場所だけで構いません。ホコリは部屋の端や家具に沿った場所にたまるので、その部分にピンポイントで掃除機をかけるだけでも、ホコリの量を減らすことができます。ベッド周りやイスの下など、滞在時間が長い場所もこまめに掃除機をかければ、なお良し。高頻度の目安は1日3回といったところですが、無理のない範囲で行いましょう。このときは、手軽に掃除ができるスティック掃除機を使うのもおすすめ。もちろん、人がいない時間に全体を掃除してくれるロボット掃除機があれば、文句なしですね。

ホコリのたまりやすい場所は高頻度に掃除すれば、全体に掃除機をかけるのが週に1度ほどでも良いと思います。このときは、ピンポイント掃除で取り切れなかったベタつくホコリを取り除く意味で、水拭き掃除も行うと良いでしょう。フワフワのホコリはこまめに掃除機をかけ、ベタベタのホコリはまとめて拭き掃除をすれば、部屋にホコリがたまることも防げます」

大切なのは、完璧を目指して無理しないこと

「人がいない時間に掃除機をかけたり、ホコリが落ちることを考えてから拭きを上から順に行ったり、掃除機の排気でホコリを舞い上がらせる前にから拭きしたり……。ホコリを効率良く掃除する方法として、以前から言われていることはありますが、これらにとらわれすぎて掃除をしなくなるのは本末転倒です。それなら、ピンポイント掃除と週1回の全体掃除の組み合わせを、ぜひともおすすめしたいですね」

元から絶つことはできる? ホコリの発生をできるだけ抑える方法

ピンポイント掃除でもかなり減らせるというホコリですが、もともとの発生を抑えれば、ため込む量はさらに減らせるはず。具体的にどうすれば良いか、藤原さんに教えてもらいましょう。

外から入り込むホコリを減らすなら……

「帰宅時は衣類を手で払ってから玄関に入ると、花粉やPM2.5、ウイルスなどのハウスダストを減らせます。また、吸気口にフィルターが備えられていないなら、後付けのものを取り付けるのも効果的ですね」

浮遊しているホコリには窓開け換気&空気清浄機を

「窓開け換気の頻度を増やすことは、空中に浮遊しているホコリを屋外へ出すという点で有効。また、空気清浄機を24時間、回しっぱなしにすることでも、部屋のホコリを取り除くことができます。この場合、空気清浄機は人の動きが多いイスやソファの近く、ベッド付近など、ホコリが立ちやすい場所に置くのがおすすめですね」

ダニの発生を抑えればホコリの量も減らせる!

「ダニの死骸やフンのかけらはハウスダストとなるため、ダニの量を減らすことも大切。湿度が60%を超えるとダニが繁殖しやすいので、適切な湿度コントロールに加え、こまめな掃除、換気を心がけると良いでしょう」

衣類や布製品の素材を変えるのはアリ?

「綿や麻、木綿などの植物性繊維は、化学繊維よりも繊維クズが出やすい素材です。とはいえ、リネンの心地良さを好む人に、ナイロン製品をおすすめするのはナンセンス。ホコリを減らすために衣類や布製品を替えた結果、QOLが下がってしまうくらいなら、そこはあきらめて暮らす、というのが結論。ただ、シルクのような手触りのコットン製品もあるので、試してみるのも方法のひとつですね」

空気清浄機や『ジアイーノ』で、簡単・楽チンにホコリ対策!

写真:空気清浄機

「私の認識としては、空気中のホコリを取り除く空気清浄機=掃除機の一種ですね」と、藤原さん。聞けば、ハウスダストまでキャッチできるモデルなら、「人がいないときも運転させておくことで、空気の掃除をしてくれる家電」と考えているのだとか。

そんな空気を掃除する家電としておすすめしたいのが、パナソニックの加湿空気清浄機『F-VXV90』と次亜塩素酸空間除菌脱臭機『ジアイーノ』です。

微細なハウスダストをしっかりキャッチ!

加湿空気清浄機『F-VXV90』は、汚れに合わせて自動で気流を切り替え。センサーが汚れの種類を見分け、3つの気流を自動で切り替えることで、空気中の汚れをグングン吸い込みます。さらに、3方向への立体的な気流を発生させることで、ハウスダストの中でも特に重い花粉まで捕集できるのもポイントです。

 

3種類の気流制御技術

イラスト:3種類の気流制御技術

また、除菌や脱臭のイメージが強い『ジアイーノ』ですが、集じんに対しても高性能。HEPAフィルターを搭載しており、花粉やハウスダストといった微細な汚れまでしっかりキャッチします。HEPAフィルターで汚れをキャッチした空気はさらに除菌フィルターで除菌・脱臭。キレイになった空気とともに気体状の次亜塩素酸を放出することで、室内に付着した菌やニオイまでも抑制できるのもうれしいですね。

 

【集じん】 フィルターが、空気中の汚れをしっかり集じん

イラスト:【集じん】 フィルターが、空気中の汚れをしっかり集じん

ホコリやハウスダストの対策は湿度もポイントに

藤原さんのお話にもあったように、湿度が60%を超えるとダニの繁殖リスクが高まります。一方で、湿度が40%以下となれば乾燥しすぎでウイルスが活発化することに。快適な湿度は40〜60%なので、その範囲で湿度コントロールを行いましょう。加湿空気清浄機『F-VXV90』はもちろんのこと、『ジアイーノ』も一部を除いて加湿機能を搭載。さらに、フラッグシップモデルの『F-MV5400』なら、「おまかせモード」で部屋の湿度に合わせて加湿量を自動で調整することも可能です。

気になるホコリを減らす工夫で、快適なくらしを実現しよう

写真:伸びをする女性

「ホコリに悩む方は少なくないと思いますが、悩んでいる時点でかなり掃除が行き届いているかと思います」と、藤原さん。

「そういった方は、あまり神経質にならず、できる範囲でやっていきましょう。反対に、悩んでいない方はまず、布がこすれて繊維クズが落ちやすいベッド周りやトイレ、洗面所のホコリに注目してみてください。きっと、“こんなに落ちていたなんて!”という発見があるはずです。たとえ目に見えなくても、微細なハウスダストもホコリの一部。私たちが暮らしている場所には必ず存在しているので、こまめに掃除したり、空気清浄機などを活用したりして、できるだけため込まないようにしたいですね」

ホコリの発生原因と掃除のコツ、対処法についての監修

藤原 千秋

藤原 千秋(ふじわら ちあき)

主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆して23年目。現在はライティングの傍ら、監修、企画、広告、アドバイザリーなどの業務に携わる。プライベートでは三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著書監修、マスコミ出演多数。総合情報サイト『All About』家事・掃除・子育てガイド。

※1 約6畳の密閉空間で浮遊させた菌を、次亜塩素酸「あり」「なし」で次亜塩素酸 空間除菌脱臭機(F-MV4300)を運転し、保護エレメント(HEPAフィルター)に捕捉させた菌数を測定。約3時間で99%以上抑制。
※2 約6畳の密閉空間で浮遊させたウイルスを、次亜塩素酸「あり」「なし」で次亜塩素酸 空間除菌脱臭機(F-MV4300)を運転し、保護エレメント(HEPAフィルター)に捕捉させたウイルス数を測定。約3時間で99%以上抑制。

2023年9月21日 空気

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