寝るときの暖房はつける/つけない、どちらがいいの?睡眠環境を整えるエアコン暖房の使い方

睡眠についての監修:坪田 聡(つぼた さとる)
ライター:UP LIFE編集部
2026年1月28日
空気

冬、眠るときにエアコン暖房はつけていますか? 「乾燥するから、つけない方がいい」「寒くて寝つけないから必須」など、さまざまな考えがありますが、実際のところ、エアコン暖房をつけるのとつけないのとでは、どちらが快適に眠れるのでしょうか? 睡眠の専門家で医師の坪田 聡さんに聞きました。

冬の睡眠、よくあるお悩みは?

写真:睡眠に悩みを抱える女性のイメージ

睡眠にまつわる悩みは、季節によっても変わるもの。寒さが厳しくなる冬の場合は、どのような悩みが増えるのか、坪田さんに聞きました。

体が冷えてなかなか寝つけない

「人の睡眠メカニズムには、“深部体温”が大きく関わってきます。深部体温とは、体の深いところにある脳や内臓などの温度のこと。この深部体温が下がるときに眠気が強くなり、上がるときに目が覚めてくるのです。深部の熱は血管を通り、体の表面に運ばれて放熱されるため、体が冷えていて手足の血流が悪いと深部体温がスムーズに下がらず、眠くなりにくい状態になります」

寒くてぐっすり眠れない

「部屋の温度が低すぎたり、乾燥していたりすると、睡眠の質が下がってしまいます。寝室の温度は15℃から20℃くらい、湿度は50%から60%が睡眠環境としては理想的なので、そこに近付けるよう、暖房器具や加湿機を使って調整しましょう」

朝、寒くて布団からなかなか出られない

「起床時に部屋の温度が低いと、温かい布団から出たくないものです。また、布団の中と外の温度差が大きくなると、血圧が急激に上がって体に負担がかかる可能性もあるので、寒い日の起床時には注意が必要です」

朝、起きると喉や肌が乾燥している

「冬の乾燥した空気は、喉や肌から水分を奪ってしまいます。喉の場合は口呼吸をすることで、唾液の水分が蒸発し、粘膜の乾燥につながることも。また、保温性の高い寝具を使うなどで体温が上昇し、かいた汗が蒸発するときに肌の水分を奪うケースもあります。

対策としては、寝室の温度と湿度を調整するのはもちろん、就寝前と起床直後に水や白湯を飲むのも有効。また、口呼吸対策用のテープや就寝用マスクを使う、眠る前は肌に保湿力の高いクリームを塗る、肌に触れるシーツやパジャマは綿、シルクなど、摩擦が少なくて吸湿性/放湿性に優れた素材のものを選ぶといった対処法も実践してください」

冬の寒い時期に、睡眠の質が落ちる理由

上記のようなお悩みの主な原因は寒さですが、それ以外にも冬の睡眠の質を下げるいくつかの要素があります。

日照時間の短さがもたらす、「睡眠ホルモン」の減少

「冬は日照時間が短いため、日光を浴びることでつくられるセロトニンの量が減少します。セロトニンは、目を覚ます働きをもつ脳内の神経物質。“睡眠ホルモン”として知られるメラトニンの元にもなるため、セロトニンが減ってメラトニンが不足すれば、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなったりする可能性も高まるのです」

気候変化の影響による自律神経の乱れ

「呼吸や体温、消化といった体の機能を調整する自律神経には、“昼の神経”と言われる交感神経と、“夜の神経”と言われる副交感神経のふたつがあります。前者は心身を活動的にし、後者は心身をリラックスさせる働きをもちますが、季節の変わり目や厳しい寒さによってバランスが崩れることも。これにより調整機能が低下し、夜、眠りにくくなる要因ともなるのです」

体の冷えやアルコールの摂取増加も、眠りを浅くする要因に

「冬の寒さは体の冷えを招くため、特に冷え性の方は睡眠の質が下がりやすくなります。また、アルコールは寝つきを良くする一方で、摂取量が増えると睡眠の質を下げる一因となるため、忘年会や新年会など、お酒を飲む機会が増える冬は特に注意が必要です」

睡眠時にエアコン暖房を使うことで生じるお悩みも

冬の睡眠の質を大きく左右するのが、坪田さんのお話にもあった室温のコントロールです。とはいえ、エアコン暖房をつけたまま寝ようとしても、乾燥したり、音が気になったりすることもありがち。実際にパナソニックが行った調査でも、冬の睡眠時のエアコン暖房については「使用していない」という人が68%と圧倒的多数となっています。

また、冬の睡眠時にエアコンを使わない理由としては、53%の人が「乾燥すると思う」ことを理由として挙げていました。

グラフ:『冬の睡眠時にエアコンを使用していますか?』(n=503)を示す円グラフ。「使用していない」が68%で最多。「朝まで使用している」が13%、「オフタイマーを設定して就寝時から一定の時間使用している」が15%、「オンタイマーを設定して起床前から一定の時間使用している」が4%。調査元はパナソニック『エオリア』調べ。
グラフ:『冬の睡眠時にエアコン暖房を使わない理由は何ですか?』(n=345)を示す棒グラフ。理由は多い順に「乾燥すると思う」53%、「電気代が気になる」45%、「つけっぱなしは良くないと感じる」27%、「寝ている間に暑くなる」20%、「健康に悪いと思う」19%、「音が気になる」6%、「その他」10%。調査元はパナソニック『エオリア』調べ。

引用元:今冬の睡眠満足度を調査!「今冬の睡眠に満足していない」53% 寝具は重い派?軽い派? パナソニック エアーマイスターが教える冬の快眠環境の整え方(パナソニック「エオリア」調べ)

こうした調査結果に対し、「エアコンを使用するときは、温度だけでなく湿度の調整も大事。加湿機を使うなどの乾燥対策も行ってください」と、坪田さん。

冬の睡眠環境を整える、エアコンの上手な使い方

写真:眠っている女性

エアコン暖房にまつわるお悩みを解消できれば、寒い時期でも快適な睡眠環境を得られるはず。どうすればエアコンを使いながら快眠できるのか、坪田さんにコツを聞いてみました。

寝室は室温15℃〜20℃、湿度50%〜60%をキープ

「布団に入っていれば寒さは感じない、と思うかもしれませんが、冷たい部屋の空気を吸い込むと肺が冷え、睡眠の邪魔となります。先にお伝えした室温15℃から20℃、湿度50%から60%を保てるよう、エアコン暖房だけでなく加湿機なども使ってコントロールしましょう。部屋全体を加湿するのが難しい場合も、頭の近くに濡れたタオルを干すなど、スポット的な加湿で顔周りだけはカバーしておきたいですね」

就寝前に布団をめくって温めておく

「寝室をエアコン暖房で暖めているときは、寝床に入る20分から30分前に布団をめくって寝具も温めるようにしましょう。冷たい寝具で体が冷えることもなくなり、寝つきが良くなります」

風量や風向き、設定温度は快眠を第一に調整

「睡眠時にエアコン暖房を使っていて音が気になる場合は、静音モードや弱風モードを使いましょう。暖房時の場合、風向きは下へ向けるのが基本ですが、睡眠中は体に風が当たると不快に感じることもあるので、その場合は水平もしくは上向きでも構いません。また、深夜から明け方の冷え込む時間帯は、エアコンが室温を上げようとして運転音が大きくなる可能性もあるので、設定温度は控えめにしましょう」

画像:冬の睡眠の質を高めるエアコンの使い方

寝ている間、暖房はつけっぱなし? それともオフ?

「つけっぱなしでもいいですが、加湿機を併用するなど、乾燥対策は確実に行ってください。電気代がかさむことを心配するなら、就寝後3時間くらいは理想的な室温を保つようにしてからオフにし、起床時間の1時間前くらいにオンになるようにタイマーを設定しておくと、部屋が暖まって布団から出やすくなります」

エアコンだけじゃない、冬の睡眠環境を整える方法

寒い季節に睡眠環境を整えるなら、エアコンを活用する以外にもさまざまな方法があります。これまでの『UP LIFE』でもいくつかご紹介してきましたが、ここで改めて坪田さんに教えてもらいましょう。

過剰な厚着はNG!靴下もできれば履かない

「いくら寒くても、着込みすぎると寝返りがしにくくなって、睡眠の質が下がります。ナイトウェアは肌にストレスを与えにくいよう、やわらかい素材で締め付けにくいものを選ぶと良いでしょう。なお、足が冷えるからと靴下を履いて寝る人もいますが、足の熱が逃げにくくなって体温調節を妨げたり、蒸れてかぶれや冷えの原因になったりすることもあります。どうしても履きたいなら、薄手で吸湿性に優れた素材のものを選ぶと良いでしょう」

入浴後、すぐに布団に入らない

「湯船につかって体を温めるのは良いことですが、入浴直後は深部体温が高くなっているので、寝つきはあまりよくありません。深部体温が下がるのは、入浴後の30分から1時間ほど経ったくらいなので、そのころに布団に入るのがおすすめです」

寝る直前の食事、飲酒、熱いお風呂は避ける

「冬に限らず、寝る直前にどう過ごすかで睡眠の質も変わってきます。たとえば、寝る直前の食事は胃腸に負担がかかるうえに、体温が上昇して寝つきが悪くなることも。また、飲酒は睡眠の質が下がり、朝を迎える前に目が覚める“中途覚醒”に陥りがちです。このほか、湯船のお湯の温度が高すぎても、体温上昇によって寝つきが悪くなるので注意しましょう」

寝具の保温性や断熱性を見直し、熱を逃さないようにする

「冬の寝具を見直すなら、掛け布団は羽毛布団がおすすめ。保温性が高くて軽いため、体への負担を抑えることができます。中身の羽毛は割合を示すダウン率や、かさ高を示すダウンパワーが高いほど良質。ドレープ性に優れていれば体のラインに沿ってフィットするため、冷気の侵入が防げます。

敷布団は床からの底冷えを遮断するために、断熱性を最重視して選びましょう。おすすめは断熱性の高いウレタン素材のマットレスですが、ウールも保湿性と吸湿性に優れる素材。このほか、敷布団の下にアルミシートや断熱マットを敷く方法もあります。

毛布はウールのほか、速暖性の高いマイクロファイバー製を。体の下に敷く、あるいは掛け布団の外側に掛けて使えば、体から出た熱をキャッチして掛け布団で閉じ込めるため、保温効果を最大級に高められます。また、パジャマは吸湿性と保温性に優れた素材がおすすめ。首元、手首、足首の“三首”を覆うデザインだと、血流の改善につながります」

エアコン暖房以外に寒さを和らげるアイテムは?

写真:湯たんぽ

湯たんぽや布団乾燥機などで寝具を温めておく

「エアコンだけでなく、湯たんぽや電気毛布なども、寝る前に寝具を温められるアイテム。湯たんぽは火傷に十分注意しながら、股関節やおなかといった太い血管の近くに置くのがおすすめです」

加湿できるエアコンを使うのもおすすめ!

パナソニックのエアコン『エオリア LVシリーズ』は、吸水レスの加湿機能を搭載したモデル。暖房しながら乾燥対策ができるので、つけっぱなしで眠りたい人にもぴったりです。

イラスト:暖房しながら乾燥対策
『エオリア LVシリーズ』なら給水不要、暖房しながら乾燥対策

また、『エオリア』LVシリーズ/Xシリーズでは、サーキュレーションモードによりお部屋の上部にたまった暖気をかきまぜて有効活用。温度ムラを抑えて快適にするとともに、消費電力量を削減します。*1、2そして、ワンボタンで運転モードと最適な温度を自動設定する「AI快適おまかせ」機能で、快適性を高めながら、自動で消費電力のムダを省きます。

さらに、スマートフォンで操作できる『エオリアアプリ』なら、睡眠環境をサポートする機能も使用できます。たとえば“おやすみモード”は、就寝タイミングをAIが学習し、運転スタートから1時間後に就寝に適した運転に調整。

*1:CS-X406D2、当社独自の条件により評価。運転安定時約1時間の積算消費電力量が、サーキュレーション運転なし時=517Wh、サーキュレーション運転時=494Wh。実際の消費電力量は条件により異なります。
*2:CS-EX406D2、当社独自の条件により評価。運転安定時約1時間の積算消費電力量が、サーキュレーション運転なし時=728Wh、サーキュレーション運転時=725Wh。実際の消費電力量は条件により異なります。
※:CS-X406D2、CS-LV406D2、暖房運転での測定例。当社環境試験(約14畳)、外気温2℃、設定温度25℃、風量自動、同等の足元平均温度が得られるように運転した場合。

まとめ:寝室の温度・湿度をコントロールして、寒い季節も快眠を

「眠っている間に適切な室温を保つことは、睡眠環境の質を左右する大切なポイント。冬の場合は眠る前にしばらくエアコンをつけておき、室温15℃から20℃を保つようにしましょう。寒い季節もぐっすり眠れるように、乾燥対策もしっかり行うようにしてください」

この記事で紹介した商品

睡眠についての監修

坪田 聡(つぼた さとる)

坪田 聡(つぼた さとる)

日本医師会、日本睡眠学会所属。ビジネス・コーチと医師という2つの仕事を活かし、行動計画と医学・生理学の両面から、睡眠の質の向上に役立つ情報を発信中。快眠グッズや気になる研究発表など、睡眠に関連する最新情報も紹介している。総合情報サイト『All About』睡眠ガイド。

2026年1月28日 空気

  • 記事の内容や商品の情報は掲載当時のものです。掲載時のものから情報が異なることがありますのであらかじめご了承ください。