家の中の花粉を減らす方法は? 効果的な花粉対策と快適な室内環境づくり

室内に侵入した花粉の原因と対策、掃除のコツについての監修:藤原 千秋(ふじわら ちあき)
ライター:UP LIFE編集部
2025年1月28日
空気

いまや一年を通して、さまざまな植物から飛散する花粉。特に春先は、悩まされる人も多いのではないでしょうか。屋外に出る際の対策はもちろんですが、実は室内にも多くの花粉が潜んでいるのだそう。そこで、今回は花粉の侵入を防ぎ、快適な居住空間にする方法を、住生活エキスパートの藤原千秋さんに教えてもらいました。

花粉が家の中に入り込むのはナゼ?

写真:マスクと花粉

密閉されていると考えがちな家の中ですが、実際は人や空気の出入りが頻繁に行われています。そんな日常の暮らしの中で、花粉はどのように家に入っているのでしょうか。

花粉が室内に侵入する3つの経路

気づかないうちに、いつの間にか家に入り込んでいるという花粉。藤原さんによると、この侵入には主に3つの経路が使われるそうです。そのひとつが、家の開口部となる玄関のドアや窓。これらの場所で人が出入りしたり換気が行われたりするたびに、花粉はどうしても入り込んでしまうのです。

そして2つめは、人やペットが持ち込む形。
「花粉が飛散している季節には、外出した人の身体にも多くの花粉が付着します。よく言われるのが髪や顔、上半身の衣類などですが、花粉は地面にも落ちているので、パンツやスカートの裾も付きやすいのだとか。となれば、身長の低い子どもやペットも注意したいですね」

3つめの経路として挙げられるのが、外干しした洗濯物。干している間に付着した花粉が、洗濯物を取り込む際に家の中に侵入してくるのです。藤原さんによると、衣類で付着しやすいのはウールやレザーなどの天然素材なのだとか。逆に、「化繊のような、表面がツルっとした素材は付着しにくい」と言えるそうです。

換気システムからの侵入にも注意

上記に加え、最近の住宅ならではの侵入経路として藤原さんが教えてくれたのが「給気口」です。

「最近の住宅は24時間換気システムがスタンダードになっており、多くの家に設置されている給気口。特に多いのは、外気を自然に取り入れる自然給気タイプで、花粉はここから空気に乗って侵入してくるのです。なお、換気扇は吸気と排気のどちらも行うものもありますが、大半は排気のみで、このタイプから花粉が入ってくることはまずありません」

写真:自然給気タイプの給気口

また、「エアコンからも花粉が入ってくるのでは?」と考える人もいるようですが、外気を取り込む換気機能を搭載したエアコンは一部のみ。多くのモデルは部屋の空気を吸い込み、暖めたり冷やしたりしてから再び室内に吹き出すのが基本動作。つまり、一般的にはエアコンから花粉が入ってくる心配はないため、使用を控える必要はありません。

実は家の中のこんな所に花粉が潜んでいる

外から入ってきた花粉は、家のどんな場所に溜まっていくのでしょうか。ここでも人や空気の動きが影響してくるようです。

「屋内に入った花粉は人や空気の動きで舞い上がり、そして上から落ちてきます。ですので、ホコリと一緒で、面の部分に溜まっていることがほとんどですね。また自然と部屋の隅に花粉が溜まっていくほか、静電気が発生しやすい家電製品の裏も集まりやすいポイントです」

玄関や屋内の床、家具の上面や裏に加え、窓サッシや網戸、そしてカーテン、ソファー、ラグマットなどの布製品にも付着しやすいので注意が必要です。

花粉を家の中に持ち込まないための工夫

生活の中で知らず知らずのうちに、家の中に入ってきてしまう花粉。この悩みから解放されるには、侵入経路を考慮したうえで、持ち込まないように行動することが肝心です。

身体に付いた花粉は、玄関先で十分に落とす

室内への花粉侵入を防ぐ第一のポイントは、身体や衣服に付着したものを玄関先で十分に落とすこと。

「衣服やバッグなどの携行品に付いた花粉は玄関先で、コロコロと回す粘着ローラーや衣類用ブラシで落としましょう。ブラシは樹脂製のものだと静電気が発生して、かえって花粉を呼んでしまうことがあるので注意して。靴もブラシで、しっかりはらっておきます。また、お散歩から帰ってきたペットは、濡れたタオルで毛を拭いてあげましょう」

ちなみに髪や顔など人体についた花粉は、入浴やシャワーでしっかりと落とすのがよいそうです。化粧品や皮脂と結び付いた花粉も簡単に除去できないため、気になる人はまず入浴するのがベストなのだそう。

「事前の付着防止策には、静電気防止スプレーを使うのがよいと思います。最近は消臭スプレーの中にも静電気防止効果が得られる商品があり、これらを衣服に吹きかけておくことで、花粉やPM2.5などの付着を防ぐ効果があると言われています」

窓の開け方や時間で花粉の侵入を軽減

掃除をするときは窓を思いっきり開けて換気をする…という人がいますが、これでは花粉が屋外から入ってきてしまいます。掃除の際、窓は少しだけ開けるようにして、換気扇や空気清浄機を併用しましょう。もし、家の中のニオイや空気の汚れが気になって、どうしても一気に換気をしたいなら、時間帯を考慮するのがよいのだそう。

「花粉の飛散は気温上昇し始める午前中にスタートし、完全に地面に落ちるのは夜半と言われています。つまり、大気中に花粉が飛散していない時間帯は夜中から早朝にかけてとなるので、一気に換気をしたい場合はこの時間帯に行いましょう」

ちなみに、環境省が作成した『花粉症環境保健マニュアル』によると、窓を開ける幅を10cm程度にし、レースのカーテンをすることで屋内の流入花粉をおよそ4分の1に減らすことができるのだとか。それでも入り込んだ花粉は床やカーテンなどに溜まりやすいことから、掃除はもちろん、カーテンの定期的な洗濯も推奨されています。

洗濯物や寝具などの花粉対策は「外に干さないこと」一択

写真:洗濯物の部屋干し

前述のとおり、洗濯物も花粉を室内に入れてしまう要因。「天気がいいから」「日光に当てたいから」と何気なく屋外に干した洗濯物には、大量の花粉が付着していると言われています。

「衣類や布類は濡れることで繊維の隙間が広がり、そこに花粉が入り込みやすくなってしまいます。一度繊維にからんだ花粉は乾燥後も残り、パッと払うくらいでは落ちません。洗濯物は外に干さない、これが鉄則です」

洗濯物を室内に干す際は、部屋干し臭対策もしておきたいところ。ちなみに部屋干し臭は、長時間干すことによる雑菌の繁殖が原因と言われています。ニオイが気になる場合は、パナソニックの衣類乾燥除湿機がおすすめ。洗濯物をすばやく乾かす送風機能に加え、「ナノイーX」の効果で部屋干し臭を脱臭しながらニオイの原因菌を除菌※1。そして「花粉ケアモード」で花粉を抑制※2します。

また、寝具も同様に、外干しは避けたいところ。布団乾燥機を使って乾燥させ、表面に付いたホコリや花粉などは粘着ローラーや掃除機で取り除きましょう。

※1 約6畳空間での約7時間後の効果です。
※2 吹き出し口から約40cmでの約6時間後の効果です(スギ花粉での検証)。

家の中の花粉を取り除く掃除方法

写真:カーペットを掃除機で掃除している様子

花粉に悩まされない室内環境を整えるには、やはり定期的なお掃除が大切。でも、ただ掃除をすればいいというわけではありません。

花粉を舞い上げない時間帯に掃除をする

「掃除をするタイミングは、できれば早朝など朝一番の時間帯に。人や空気の流れがなければ花粉は自然に落ちてくるので、人の動きがない早朝は掃除におすすめです。もしくはできるだけ人がいない時間帯も、掃除に適していると言えます」

屋内の花粉掃除は水拭きがベスト

掃除を効率良く行うには、場所ごとに道具を使い分けることも大切です。

「花粉を取り除くときは、まず水拭き掃除から始めましょう。木製のフローリングや樹脂製の床材、畳などであれば、まずウェットシートを付けたフロアワイパーやスポンジモップで拭き掃除を行い、その後に掃除機を使用します。カーペットが敷いてあるなら掃除機は最初から使いますが、どちらかと言えばスティックタイプがおすすめ。床を転がして使うキャニスター掃除機は排気が後ろに出るため、動かすと花粉が舞い上がってしまいます」

家具や家電に付いた花粉やホコリの掃除は、ハンディワイパーが便利。もしくはタオルに万能洗剤を少しスプレーして、拭き取ってもOK。布製品は、掃除機か粘着ローラーを使います。

ホコリが溜まりがちな給気口は、掃除機に隙間ノズルかブラシノズルを付けて吸い取って。また、あらかじめ給気口に専用フィルターを付けておくと集じんができ、掃除の労力も大幅に省くことができます。サッシや網戸の掃除も定期的に行いましょう。

ちなみに、藤原さんによれば最も花粉が落ちやすいのは、洗面所(脱衣所)とトイレなのだそう。どちらも衣服の着脱回数が多い場所です。この2カ所は、まめに掃除しておきましょう。

空気清浄機や加湿機を使った、家の中の花粉対策

HEPAフィルターで花粉をキャッチ

日常的な空気清浄機の使用も対策のひとつ。空気中のごく小さな粒子を捕集することができる「HEPAフィルター」を使った空気清浄機なら、直径およそ30µmと言われている花粉をしっかり捕集。さらに、ほこりや黄砂、ウイルスなど、空気中の汚れをしっかりキャッチします。

画像:HEPAフィルター
HEPAフィルターが、0.3㎛の粒子を99.97%以上集じん

ナノイーXの効果が発揮されるパナソニックの『加湿空気清浄機』なら、集じんフィルターの性能の高さに加えてナノイーXの効果で花粉を抑制することができます※3

グラフ:スギ花粉の抑制時間が1/4

※3※4:ナノイーX(4.8兆)では、約24時間かかっていたところ
※5:ナノイーX(9.6兆)では約12時間で99%以上抑制
※6★1:ナノイーX(48兆)では約3時間で99%以上抑制し、抑制時間が1/4に
(約6畳空間での評価、パナソニック調べ)

加湿で花粉対策

室内を加湿することも、花粉の飛散防止に一役買うのだとか。花粉は水分が付着するとその分重くなり、下に落ちやすくなるのだそう。そういった点でも、加湿空気清浄機は花粉に役に立つと言えそうです。

また、パナソニックの次亜塩素酸 空間除菌脱臭機『ジアイーノ』も、集じんと加湿を同時に行えるモデルもあるので花粉対策に。

画像:ジアイーノ

ちなみに空気清浄機は、空気の循環を促進できる場所に置くと効果が高くなると藤原さん。エアコン設置場所や窓の対角線上に置くのがいいようです。

室内への侵入を減らすことで、花粉リスクは低減できる!

「春のスギやヒノキ、秋のブタ草など、もはや一年を通じて花粉は飛散しています。家の中での生活において、そのリスクを減らす一番の対策は“花粉を家に入れない”ということ。まずは屋内への花粉の侵入防止を心がけたうえで、清掃を行い、さらに空気清浄機などを使用すれば、家での花粉の悩みは大幅に減らすことができると思います」

室内に侵入した花粉の原因と対策、掃除のコツについての監修

藤原 千秋

藤原 千秋(ふじわら ちあき)

主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆して20余年目。現在はライティングの傍ら監修、企画、広告、アドバイザリーなどの業務に携わる。プライベートでは三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著書監修、マスコミ出演多数。総合情報サイト『All About』家事・掃除・子育てガイド。

2025年1月28日 空気

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