室内でもしっかり洗濯物を乾かす部屋干しのコツと、イヤなニオイの対処法

室内でもしっかり洗濯物を乾かす部屋干しのコツと、イヤなニオイの対処法についての監修:神崎 健輔(かんざき けんすけ)
ライター:UP LIFE編集部
2024年5月28日
空気

花粉や梅雨の季節などは、外に干しづらくなる洗濯物。仕方なく部屋干しをしても、乾くのに時間がかかったり、イヤなニオイが付いてしまったりすることもありがちです。そんな部屋干しの洗濯物をカラッと乾かすコツを、「洗濯ハカセ」として活躍している神崎健輔さんに聞きました。この方法を実践すれば、部屋干しのニオイに悩まされることもなくなるはずですよ。

洗濯物を部屋干しすると、どうしてこんなに乾きづらい?

写真:洗濯物をたたむ女性

室内に干した洗濯物が乾かず、なかなか片付かない……。そんなお悩みを抱えている方も少なくないことでしょう。まずは神崎さんにお話を聞きながら、部屋干しの乾きにくい原因をまとめてみました。

衣類が乾く三大条件、「温度」「湿度」「空気の流れ」が満たされていない

以前の記事でもご紹介したように、洗濯物を早く乾かすには3つの条件があります。それが、「温度」「湿度」「空気の流れ」。神崎さんは、数々の実験を繰り返してこの答えを見出したそうです。

「中でもポイントとなるのが、湿度。水分の蒸発を促すのは温度ですが、いくら温度が上がっても湿度が高ければ洗濯物の水分は逃げ場がなくなるため、なかなか乾きません。特に、洗濯物の周辺は湿度が高くなっているため、風を当てるなどして空気の流れをつくり、湿気を移動させる必要があるんです。なお、目安の湿度は50%以下で、低ければ低いほど洗濯物は乾きやすくなりますよ」

画像:衣類が乾く三大条件

部屋干しした洗濯物がもっと乾きやすくなる洗濯術

洗濯時や干すときにひと工夫を加えることで、洗濯物が乾く時間はさらに短縮できます。具体的なコツを、神崎さんに教えてもらいましょう。

画像:部屋干しした洗濯物がもっと乾きやすくなる洗濯術

洗濯時のコツ:洗濯量や衣類の水分量を減らそう

①1度に洗って干す衣類の量を減らす
「雨の降る日が続くと、ついつい洗濯物をためこみがち。でも、多ければその分、部屋干しのスペースが必要ですし、干した洗濯物同士の間隔が狭くなり、空気が流れにくくもなってしまいます。洗濯するときは適度な量を、できるだけ毎日、洗って干すようにしましょう」

②脱水時間はいつもより長めに
「脱水の時間を少し長めにするのもひとつの方法。自動コースで洗濯が終わったら、そのまま数分、脱水の工程を行うことで衣類に含まれる水分量が減り、乾燥の時間を短縮できますよ」

③脱水時に乾いたバスタオルを入れる
「脱水時に乾いたバスタオルを追加すると、洗濯物の水分がバスタオルに移るため、いつもより乾きやすくなります。ただし、その分、干すものも増えてしまうので、洗濯物の量が少ないときに行うのが良いでしょう」

干し方のコツ:衣類の並びを意識しつつ、重なるのも避けて

①風通しを意識した並び方に
「衣類同士の間隔が狭いと空気が動きにくいので、最低でも指3本分、可能なら握りこぶしひとつ分のスペースを空けたいところです。また、角型のピンチハンガーに干すときは、両端に丈の長いものを吊るし、内側に行くほど短くなっていく“アーチ干し”がオススメ。長いものに風が当たるほか、空気が下向きに流れやすいといった理由から、乾きが早くなります。もし面倒なら、せめて洗濯物の向きを揃えて。規則的に並べた方が、ランダムに干すよりも乾きやすくなります」

②裏返したりずらしたりして、布が重ならないように干す
「衣類で乾きにくいのが、縫い目部分やポケットといった布が重なっている部分。これを解消するには、裏返しにして干して空気に触れやすくするのが効果的です。乾きにくいパーカーなどのフードも、身頃部分と重ならないように逆さまにして干すようにしましょう。
また、バスタオルは二つ折りにするより、マントのようにハンガーに羽織らせて干すのがオススメ。布が重なる部分が減らせるため、より早く乾かすことができます」

③パイル生地のものは干す前にしっかり振る
「ループ状の糸が表面に織り出されたパイル生地は、タオルによく使われる素材。干す前に広げてバサバサと振ることで、ループ部分が立ち上がって水分を放出しやすくなります」

生乾き臭を防ぐポイントと、ニオイへの対処法

写真:洗濯物の匂いが気になる女性

「生乾き臭」「部屋干し臭」と呼ばれる、洗濯物のイヤなニオイ。乾燥に時間がかかると発生しやすくなることは、以前の記事でもお伝えしたとおりです。ここでは改めて、このニオイの防ぎ方と、付着してしまった場合の対処法をまとめました。

生乾き臭が発生する原因は?

洗濯物のイヤなニオイは、主に「モラクセラ菌」が原因。神崎さんによると、この雑菌は干してから乾くまでの時間が長いと増殖し、ニオイを放つそうです。また、洗濯で落としきれなかった皮脂などの汚れも、ニオイの原因となるのだとか。

生乾き臭を抑える洗濯のポイント

「機能性インナーなどに使われるポリエステル系の生地は、水分は放出しても皮脂が目詰まりしやすいため、汚れが残りがち。洗濯機のスピードコースを繰り返すと蓄積されることもあるので、時には浸け置き洗いなどでしっかり洗うようにしましょう。

また、すすぎもしっかりと行うことで、菌のエサとなる洗剤が衣類に残りにくくなります。基本的には2回以上、可能なら3回は行いたいところ。洗濯とすすぎでは、どちらもたっぷりの水を使うのが効果的なので、全自動コースで水量が満水にならなかったときは、可能なら手動で水の量を増やすのもひとつの方法です。もし満水になるなら、衣類を3〜4枚取り除くと良いでしょう」

衣類に付着した生乾き臭を撃退する方法

「一度、生乾き臭が発生したら、洗って落とすしかありません。酸素系漂白剤で浸け置きし、洗い直してから乾燥させましょう。なお、お湯で煮て洗う”煮洗い”は、衣類へのダメージが大きいのでオススメできません」

室内干しの洗濯物を効率良く乾かせる家電

イラスト:室内干しの洗濯物を効率良く乾かせる家電

家電の力を借りれば、洗濯物を早く乾かす三大条件を効率良く満たすことができます。具体的な方法をご紹介しましょう。

扇風機やサーキュレーターで風を当てる

「洗濯物に風を当てることで、衣類の水分が放出されやすくなるのがメリット。ただし、部屋の湿度が高いと水分の逃げ場がなく、風が当たるところは乾燥が進みますが、風が当たってないところは自然乾燥とほぼ変わらないなんてことも。除湿できる家電も併用しましょう」

エアコンや除湿機で乾きやすい環境をつくる

「部屋の温度を上げ、湿度を下げるために活用できるのがエアコンや除湿機。特に湿度は、洗濯物を乾かすうえで重要な要素なので、除湿機は重宝することでしょう。エアコンの冷房運転や除湿運転でも湿度は下げられますが、室温も下がるため、季節によっては肌寒く感じることもあります。人がいる空間で部屋干しをする場合は、人が快適に過ごすことを第一に、温度と湿度をコントロールしたいですね」

神崎さんのオススメは衣類乾燥除湿機!

「洗濯物の乾燥に特化した衣類乾燥除湿機は、空気を除湿しつつさらに洗濯物に風を当てすばやく湿気を移動させるので、当然ながら他の家電よりも効率良く乾かせます。洗濯物を乾かすという点では、浴室乾燥機が引き合いに出されることもありますが、上から温風を当てるため、下側が乾きづらいほか、干せる量が少ないのも懸念点。毎日の洗濯物が1人分ならまかなえるかもしれませんが、洗濯物の量がそれなりにあるなら、電気代が控えめで湿気をしっかり取り除く衣類乾燥除湿機がオススメです」

パナソニックの衣類乾燥除湿機なら、乾燥だけでなくニオイケアも

衣類の乾燥に加えてケアもできるのが、パナソニックの衣類乾燥除湿機です。乾燥機能で注目したいのが、ワイドな送風が可能なこと。モデルによっては、上下×左右に動くルーバーが幅約165cmまで風を送るため、大量の洗濯物も一気に乾かせます。また、衣類ケアモードでは、ナノイーXが活躍。部屋干し臭の抑制※1や、部屋干し衣類の除菌※2などに加え、タバコ臭や体臭、ペット臭といったさまざまなニオイを脱臭※3することもできます。

画像:ワイド送風幅約165cm
*吹き出し口より高さ50cmにおいて

洗濯ハカセも試して納得! 最新方式の『F-YEX120B』

パナソニックの衣類乾燥除湿機は充実したラインナップも特徴ですが、その中でも今、注目を浴びているのが新開発のエコ・ハイブリッド方式を採用した『F-YEX120B』です。2つの冷却機構を搭載し、室温に応じて風量のバランスをとりながら除湿をするため、1年を通じてしっかり除湿が可能。それでいて、消費電力は従来モデルの約1/3に抑えられているので、電気代を気にすることなく洗濯物がカラッと乾かせます。このモデルを試用した神崎さんも、「今シーズン、自分でも買う!」と言うほどお気に入り。

画像:F-YEX120B

「風の送り方がパワフルで、スペックに記載された165cmよりも幅広く空気が動いているように感じました。これまでにもいろいろな衣類乾燥除湿機を試してきましたが、『F-YEX120B』はびっくりするくらい湿気を取ってくれます。これは期待以上でしたね。クローゼットケアモード、花粉ケアモードなどもあり、1年を通じてさまざまなシーンで活用できるのもうれしいポイントです」

★F-YEX120Bと当社従来品F-YHVX120における消費電力の比較(JIS基準による)。ただし乾燥時間は長くなります。

衣類乾燥除湿機を活用して、室内干しの洗濯物をカラッと乾かそう

「洗濯物の部屋干しをする家庭が増えている昨今。乾きにくさや部屋干し臭に悩まされている人も少なくないですが、今回、ご紹介した方法を実践すれば、室内に干した洗濯物もカラッと気持ち良く乾かせることでしょう。衣類乾燥除湿機は、乾きの速さや仕上がりなどが自然乾燥とは明らかに違います。1年を通じて活用できるので、ぜひ使って良さを実感していただきたいですね」

この記事で紹介した商品

室内でもしっかり洗濯物を乾かす部屋干しのコツと、イヤなニオイの対処法についての監修

神崎 健輔

神崎 健輔(かんざき けんすけ)

洗濯・シミ抜き職人。実家の老舗クリーニング店「白洋社」部長。株式会社クラスタス CTO。宅配クリーニング「Nexcy(ネクシー)」CTOとして、全国から集配可能なクリーニング店の運営も行う。それらの経験をもとに「洗濯ハカセ」として、家庭でもできる洗濯・シミ抜き術を発信中。メディア出演も多数。総合情報サイト『All About』洗濯ガイド。

●実際の効果は衣類の素材、形状などによって異なります。
※1 風呂上り後に使用⇒洗濯脱水の後の自然乾燥と、「ナノイー」放出・衣類乾燥運転を10回繰り返した後の洗濯後の衣類の効果です。
※2 約6畳空間での約7時間後の効果です。実使用空間での実証効果ではありません。実際の効果は、周囲環境 (温度・湿度)、運転時間、衣類の素材、形状などによって異なります。
※3 吹き出し口から約40cmでの約12分後(タバコ臭)、約60分後(ペット臭、体臭・枕の頭皮臭、焼肉臭)または約2時間後(生乾き臭)の効果です。

2024年5月28日 空気

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