換気はなぜ必要? 効果的な換気方法と、エアコン使用時の換気のコツ

効果的な換気の方法と、エアコン使用時の換気のコツについての監修:藤原 千秋(ふじわら ちあき)
ライター:UP LIFE編集部
2025年1月28日
空気

お部屋の定期的な換気、あなたは行っていますか? 「ある時期はこまめに換気していたけれど、最近はあまり……」という方もいるかもしれません。でも、健やかで快適な暮らしを送るなら、やはり換気は不可欠。そこで今回は改めて、換気の必要性や効率良く行う方法、エアコンを使っているときの換気のポイントをご紹介します。

換気が必要な理由とは?

今回、お話をうかがったのは、家事のスペシャリストとしても定評のある藤原千秋さん。まずは換気の必要性について教えてもらいました。

換気が果たす2つの役割

一見、キレイに見える室内の空気でも、換気が不十分なら目に見えない汚れが多く含まれています。代表的なものとしては、花粉やダニといった微細な物質のほか、形のない二酸化炭素など。こうした有害物質を減らし、新鮮な外気を取り込むのが換気の主な役割となります。

換気が快適さに与える影響

藤原さんによると、「室内の有害物質を減らす」「新鮮な外気を取り込む」という役割に加え、「気分をリフレッシュさせる」という効果もあるのだとか。

「授業を受けた後、教室から外に出るだけでスッキリするのと同じように、新鮮な空気を室内に取り込むことで気分転換ができると思います」

写真:部屋の中で不快そうにする女性

効果的な換気の方法

換気の方式を大別すると“自然換気”と“機械換気”の2種類があり、どの方式かによって効果的に換気する方法が異なります。詳細は以前の記事に譲り、ここでは藤原さんから簡単に解説してもらいましょう。

自然換気と機械換気の違い

「自然換気は、その部屋の窓やドアを2箇所以上開けて空気の出入口を作る方法です。一方、空気の出口や入口にファンなどの機器を備え、排気や給気を行うのが機械換気と呼ばれる方式。一般的な住宅の場合は、排気だけを換気扇で行っており、機械で強制的に排気するため、窓を開けただけの自然換気よりも効果的に換気が行えます。その点で考えると、自然換気はリフレッシュ効果が強い換気方法と言えるでしょう。

イラスト:換気の種類

なお、現在の建築基準法に則った住宅なら、24時間換気システムの設置が義務付けられているため、換気扇は必須の設備。24時間換気システムは常時運転が鉄則なので、元々設置されたものを利用し、手間をかけずに空気の入れ換えができるのは機械換気のメリットと言えるでしょう。また、窓を開けなくて良いので防犯面で安心ですし、ワンルームマンションのような窓が1箇所しかない住宅でも効率良く換気できるのも特長です」

自然換気を効果的に行う方法

「まず大切なのは、空気の通り道をふさがないことなので、窓のそばに家具を置くのはできるだけ避けましょう。さらに余裕があるなら、風向きまで意識すると良いですね。たとえば、天気予報で風向きが北寄りだった場合は、北と南の窓を開ければ風を効率良く通せます。また、頻度は多いほうが効果的で、「1時間に5分~10分ほどを2回」が目安と言われたりもしますが、最低でも1日1回、できれば1日にに2〜3回行いましょう。

また、空気をダイナミックに動かすのも効果的。開ける窓は近い位置や直線上にあるものより、対角線上にある窓のほうがより広い範囲に空気が流れます。可能なら、すべての窓を開けてください。窓が1箇所しかない場合は、他の部屋の窓とドアも開けると空気が流れやすくなります。

イラスト:効率的な自然換気の方法

ここでサーキュレーターや扇風機を使い、部屋の窓から外に向けて1台、他の部屋からの風が入るドアの外側にもう1台を部屋に向けて設置すると、さらに効率アップ。サーキュレーターは、窓のない場所でも活用可能です。ドアの外から強い風を送れば、ウォーキングクローゼットやサービスルームでも、中の空気を巡らせることができますよ」

機械換気を最大限に活用する方

「キッチンだけでなく、浴室やトイレなどに設置された換気扇をすべて“強モード”で運転させ、同時にすべての窓を開けておくことで、効率良く換気が行えます。窓は少し開けるだけでも十分です。意外と多いのが、自宅の給気口がどこにあるのかわからない人。基本的には窓に面した壁や窓自体に備えられていますが、知らずにふさいでしまうケースもあるので、きちんと把握しておきましょう」

イラスト:効率的な機械換気の方法

効率の良い換気方法・やり方は季節ごとに変わる?

外気との温度差が大きい冬と夏とでは、換気の方法も変わってくるのでしょうか? 藤原さんに聞きました。

夏、暑い時期に最適な換気の方法

「換気中はエアコン冷房を切ったほうが良いと思うかもしれませんが、実は逆。エアコンは立ち上がりの際に大きな負荷がかかるので、換気によって上がった室温を戻すとなると、余計な電力を消費してしまいます。換気の際はエアコンはつけたままで窓を開け、すべての換気扇を“強”で運転させましょう。なお、開けるのはできるだけエアコンから離れた位置の窓を。近い位置で開けると外気温の影響を受けやすくなりエアコンに負荷が掛かるため、電気代がかさむ要因にもなります」

冬、寒い時期におすすめの換気方法

「冬の換気も、基本は夏の冷房と同じ。エアコン暖房はつけたまま、窓を開け換気扇を同時に運転しながら換気を行いましょう。特に冬は寒さが気になるところですが、換気時間は部屋の状況にもよるものの、せめて5分、広い部屋なら10分〜15分がおすすめ。ちなみに、熱は温度が高いところから低いところに移動する性質があるので、屋内外の気温差が大きい冬は短時間で空気を入れ替えられます。「1時間に2.5分を4回」など、短時間で回数をあげるやり方もあります」

エアコンで換気はできる? 空気をもっと清潔にする方法とは

写真:リビング

意外と誤解されがちですが、たいていのエアコンは換気を行うことができません。ただし、機種によっては換気機能を搭載したモデルもあるんです。空気をさらにキレイにしたい人向けのアイテムと共に、ここでご紹介しましょう。

換気を実現したエアコン『エオリア LXシリーズ』

パナソニックのエアコン『エオリア』の中で唯一、換気機能を搭載しているのが『LXシリーズ』です。冷暖房運転中でも給気・排気のどちらも可能。さらに、カビや花粉といった有害物質を抑制する「ナノイーX」も搭載。室内空気の温度だけでなく清潔さもコントロールすることで、その部屋にいる人すべてが快適な時間を過ごせます。

空気清浄機や『ジアイーノ』で、+αの清浄化を

「こまめに換気をしていても、室内のハウスダストを完全になくすことはできません」と、藤原さん。そのため、常に空気をキレイにし続けてくれる空気清浄機などの家電を使うのも効果的なのだそう。

パナソニックの空気清浄機は、高精度のセンサーが最小0.3μmの微細な粒子を検知し、高性能フィルターでしっかりキャッチ。独自の清潔イオン「ナノイーX」を搭載しており、カビ、花粉、PM2.5といった空気中の有害物質もしっかり抑制します。

また、次亜塩素酸ならではの除菌・脱臭力を持つ、次亜塩素酸 空間除菌脱臭機『ジアイーノ』もおすすめ。脱臭・除菌に高い性能を発揮するほか、花粉やハウスダスト、PM2.5やカビなど空気中の微細な汚れも集じんします。

「空気中の微細な汚れと違って、ニオイは気付きやすいもの。とはいえ、その場にしばらくいれば慣れてしまうので、帰宅後、玄関やリビングの扉を開けた瞬間の空気を常日ごろから気にしておくと、空気に対する意識も高まることでしょう。換気をすれば部屋のハウスダストが減り、掃除をする頻度も下げられます。ローコストでリフレッシュ効果も高いと、良いこと尽くめなので、まめに行うようにしたいですね」

効果的な換気の方法と、エアコン使用時の換気のコツについての監修

藤原 千秋(ふじわら ちあき)

藤原 千秋(ふじわら ちあき)

主に住まい・暮らしまわりの記事を専門に執筆して20余年。現在はライティングの傍ら監修、企画、広告、アドバイザリーなどの業務に携わる。プライベートでは三女の母。『この一冊ですべてがわかる! 家事のきほん新事典』(朝日新聞出版)など著書監修、マスコミ出演多数。総合情報サイト『All About』家事・掃除・子育てガイド。

※約6畳空間での、<カビ菌>約8時間後の効果、<花粉(スギ)>約3時間後の効果、<PM2.5>約8時間後(芳香族カルボン酸)、約16時間後(アルカン)の効果です。数値は実際の使用空間での試験結果ではありません。

2025年1月28日 空気

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