エアコンの自動運転ってどんな機能?
エアコンにおまかせして電気代を節約しよう

エアコンの自動運転機能についての監修:田中 真紀子(たなか まきこ)
ライター:UP LIFE編集部
2025年3月31日
空気

「エアコンは自動運転モードがおすすめ」なんて聞いたことがあるけれど、結局、何がどういいの? そんな疑問を解消すべく、今回はエアコンの自動運転機能に注目! その仕組みやメリットから、適した設定温度、節電効果など、自動運転にまつわるあれこれを、家電ライターの田中真紀子さんに教えてもらいました。上手な使い方や、かしこい自動運転モードをもつ最新エアコンについてもご紹介するので、ぜひご一読ください。

年々、進化中! エアコンの自動運転機能とは?

写真:エアコンにリモコンを向けるイメージ

「毎年、進化しているエアコンですが、同じように自動運転機能もブラッシュアップされています」と、田中さん。具体的には、どのような点が進化しているのでしょうか? 自動運転の仕組みと合わせて聞いてみました。

自動運転の仕組みと近年の傾向

「エアコンには、温度や湿度などを検知するセンサーが搭載されています。これらのセンサーが室内空気の状態をチェックし、最適な温度や風量に自動で調整するのが自動運転機能。湿度が高い場合は、除湿を行うこともあります。

一般的に、ハイエンドモデルとなるほどセンサーは多彩で、人の在・不在や、日当たりの変化などまで検知するエアコンも。また、モデルによってはリモコンに“自動”ボタンを搭載しており、ボタンひとつで自動運転に切り換えることもできます。最近のモデルでは、センサーの精度が高くなってより細やかな検知が可能になっています。さらにAIを採用することで、より快適な空間を目指した制御が可能なものも。中には、AIが住宅の断熱性能や人の体感温度を学習し、その家や使い方に合わせた自動運転を行うなど、年々進化を続けています」

自動運転機能が温度調整や電気代に与える影響って?

「暖房や冷房の運転時に、最適な温度や風量を自分で都度調整するのはちょっと手間がかかりますよね。例えば、暑いなと思って冷房の温度を下げたら、今度は寒く感じて温度を上げ直すなんて経験、ありませんか?でも、自動運転にすればエアコンが一括管理してくれるので、冷やしすぎや暖めすぎがなくなります。モデルによっては風向きも自動で調整し、暖房時は下向き、冷房時は上向きにしてくれたりもしてさらに便利。短時間で室内を快適にし、節電も期待できるのは、エアコンにおまかせできる自動運転ならではのメリットでしょう」

エアコンの自動運転を使うメリットは? デメリットはある?

写真:電気代を確認する女性

より快適で、節電も期待できるという自動運転。そのメリットについて、さらに詳しく田中さんに教えてもらいましょう。

全員が快適に感じられる室内環境をキープ

「家の中でも特に室内の空気環境が変わりやすいのは、複数人が集まるリビング。これは、人の出入りが多くて室外の冷気や熱気の影響を受けたり、人の体温や呼気で室内の温度、湿度が上がったりしやすいからです。そんな場合でも自動運転にしておけば、こまめな調整がなされ、部屋にいる全員が快適な状態を保つことができます」

節電効果、電気代削減への貢献

「必要以上に冷やしすぎたり、暖めすぎたりすることがなくなれば、当然、消費電力を抑えることにつながります。一方で、いくら調整された環境でも、人によっては物足りないと感じることもあるでしょう。その場合は、自動運転をベースにしながら、風向きや風量、設定温度を調整してみてください。

温度調整は電力消費量に大きく関わってくるので、最初に調整するのは風向きと風量。物足りない場合は風が直接、体に当たるようにしたり、風量をアップさせたりしましょう。それでも足りない場合は設定温度を変更します。これはモデルにもよりますが、自動運転時に設定温度自体を変えたり、プラスマイナス○℃、といった形で調整できたりするので、状況に応じて試してみましょう。

ちなみに、基本的にはどのエアコンも、自動運転時に目指す温度が決まっています。これが何℃なのか、取扱説明書に記載されているモデルもあるので、一度確認してみるのもおすすめです」

自動運転のデメリットはあるの?

「特に大きなデメリットはありませんが、使用時や設置の状況によっては各種センサーが正しく働かない可能性はあります。たとえば、エアコンの室内機にカバーをかけて使っている場合や、キッチンなどの熱源が近い場所に設置されていても、誤った検知をする可能性があります。以前、私が聞いたことがあるのは、窓から入り込む日射熱のせいで温度調整がうまくされなかったというケースです。このように、設置が適切でないために自動運転がうまく使えないようなら、手動で調整して対応する必要がありますね」

エアコンの設定温度とかしこい使い方

写真:リモコンと電卓と貯金箱

自動運転時に限りませんが、エアコンの設定温度は快適な室内環境を保ちつつ、効率良く運転させるために欠かせない要素。ここで改めて、設定温度について考えてみましょう。

季節や体感に合わせた設定温度を

「よく、“冷房時は28℃、暖房時は20℃”と言われますが、これはあくまでも室温のめやす。エアコンの設定温度をこの数字にしていても、部屋の状況によって室温は変わってきます。たとえば、断熱性の低い、吹き抜けがある、西日が差し込むといった部屋の場合は、設定温度通りにならないことが多いはず。また、暑さ寒さの体感は、湿度や個人によっても違いがあります。快適さと省エネ性を両立させる意味でも、自動運転は役に立つと言えるでしょう」

設定温度による電気代の変化

「エアコンの設定温度が電気代に与える影響は大きく、設定温度が1℃変われば約10%の節電効果があると言われています。たとえば、冷房の設定温度を27℃から28℃に上げるだけでも、かなりの省エネに。これまでもご紹介しているように、加湿機や除湿機、あるいはサーキュレーターなど、冷暖房効率がアップする家電もいろいろあるので、電気代を抑えたい方はぜひ使ってください」

快適&節電を上手に両立させる、『エオリア』の自動運転機能

パナソニックのエアコン『エオリア』も、各種センサーを搭載。自動運転機能では、これらが検知した情報を元に、エオリアAIが最適な運転を行います。

設定温度まで自動選択する“AI快適おまかせ”

2025年モデルの『Xシリーズ』は、温度や日射などはもちろん、人の在・不在、家具の位置や間取り、人の居場所や活動量の大小までもセンサーで検知。リモコンの“AI快適おまかせ”ボタンひとつで、季節や温度、さらには設定温度も自動で選択できます。さらに、エオリアAIがセンサー情報や運転履歴などを学習。運転を最適化することで、快適さと節電の両立も実現しています。

イラスト:AI快適おまかせのイメージ

一方、『EX』『GX』『PX』は、自動運転機能に“AI自動モード”を採用。センサーで人の在・不在や日射、お部屋の状況などを検知して、より快適になるように運転を最適化します。

「『エオリア』は設定時に日時を登録することで季節を判断し、冷房、暖房、除湿を自動でコントロールします。室内の空気環境は刻々と変わりますが、エオリアAIが制御してくれるのでとても便利。エアコンの設定を忘れるほど、ずっと快適に過ごせますよ」

AIが好みの運転を学習! 未来の室温に応じた運転も可能

「『Xシリーズ』には、エオリアAIがユーザーの好みを学習し、次回の運転に反映する“AIフィードバック機能”も採用されています。自動運転に対する感想として“快適”“暑い”“寒い”を入力するだけで、AIが考えながら成長してくれるのは、すごくいいですよね。また、天気予報から先読みした室温に応じて、冷やし方や暖め方の自動調整も可能。エアコンにかかる負担が小さくなり、細かな節電につながります。

これらの機能は、『エオリア』の遠隔操作などが行える『エオリア アプリ』と連携させることで使えるもの。このアプリはさまざまな機能を搭載しており、離れた場所から使用状況を確認したり、電気代を可視化したりといったことも可能です」

エアコンの自動運転で、節電しながら心地良く暮らそう

「1日の中でも、部屋の環境は変化していきます。気温や部屋にいる人数などに合わせ、エアコンの最適な設定を自分で行うのは手間が掛かるし、そもそもどうすれば正解かを判断するのが難しいもの。でも、自動運転機能を使えば、エアコンが節電も快適もかなえてくれます。良いこと尽くしだと思うので、これまで利用していなかった方も使ってみてはいかがでしょうか」

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エアコンの自動運転機能についての監修

田中 真紀子(たなか まきこ)

田中 真紀子(たなか まきこ)

白物家電、美容家電の専門家兼ライターとして活躍。日々発売される新製品をチェックし、製品の紹介記事やレビュー記事を雑誌やweb、新聞などで紹介している。日常的にも話題の新製品を使うことで、ライフスタイルに合わせた選び方や、上手な採り入れ方の提案も行っており、テレビ出演も多数。

2025年3月31日 空気

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