離乳食はいつから?管理栄養士が教える初期・中期・後期・完了期の進め方!
赤ちゃんの成長に合わせた離乳食の進め方についての監修:太田 百合子(おおた ゆりこ)
ライター:UP LIFE編集部
2025年10月30日
子育て
赤ちゃんの離乳食は、いつからどのようなものを作ればよいのでしょうか。この記事では赤ちゃんの成長に合わせた時期別の離乳食の進め方と、ハンドブレンダーを使った簡単な離乳食レシピ、また作る際の注意点について専門家が解説します。
離乳食は生後5~6カ月頃からスタート
離乳食を始めるタイミングは一般的に生後5~6カ月と言われていますが、成長には個人差があります。目安としては、月齢だけでなく、以下のような赤ちゃんの発達のサインを確認してから始めましょう。
・首のすわりがしっかりし、支えてあげると座れる
首がしっかりすわり、大人が支えてあげると5秒程度座った姿勢を保てることが目安です。この姿勢が安定していると、食べ物を安全に飲み込むことができます。
・大人の食事に興味を示す
家族が食事をしている様子をじっと見つめたり、口を動かしたり、よだれが増えたりするなど、食べ物への関心が見られるようになります。
・口にスプーンを入れても嫌がらない
スプーンを口に入れても舌で押し出さず、あまり嫌がらなくなってきたら離乳食を始める良いタイミングです。
これらのサインが揃っていれば、離乳食をスタートしてみましょう。
離乳食とは?なぜ必要?
離乳食とは、赤ちゃんが母乳やミルクだけの食生活から、大人と同じような食事ができるようになるまでの移行期に食べる食事のことです。生後5~6カ月頃から始め、1歳半頃までかけて徐々に形のある食べ物に慣れていきます。
離乳食が必要な理由は大きく分けて3つあります。
1つ目は、成長に必要な栄養を補うためです。生後5~6カ月を過ぎると、母乳やミルクだけでは鉄分やエネルギーなどの栄養が不足してくるため、食事から栄養を摂る必要が出てきます。
2つ目は、食べる機能を発達させるためです。口を動かして食べ物をつぶしたり、飲み込んだりする動作を通じて、あごや舌、口の周りの筋肉が発達していきます。
3つ目は、食べる楽しみを経験するためです。さまざまな味や食感に触れることで、食への興味や楽しみを育み、将来の食生活の基礎を作ります。
離乳食のスケジュール目安
離乳食は赤ちゃんの発達段階に合わせて、4つの時期に分けて進めていきます。それぞれの時期で食材の固さや大きさ、食事の回数が変わっていきます。
離乳初期(生後5~6カ月:ゴックン期)
- 目的: 食べ物を口に入れて飲み込むことに慣れる時期です
- 回数: 1日1回、赤ちゃんの機嫌が良い午前中がおすすめです
- 固さと形状: なめらかにすりつぶしたポタージュ状。スプーン1さじから始めて、赤ちゃんの様子を見ながら徐々に量を増やしていきましょう
- 食材: まずは10倍がゆからスタート。慣れてから野菜ペースト(にんじん、かぼちゃ、じゃがいもなど)、豆腐、白身魚、固ゆで卵黄などを一種類ずつ試します
- ポイント: スプーンは下唇にそっと乗せて、赤ちゃんが自分から口を開けるのを待ちます。口の奥に押し込まないように注意しましょう
離乳中期(生後7~8カ月:モグモグ期)
- 目的: 舌を上あごに押し付けて食材をつぶす動きを学びます
- 回数: 1日2回に増やして、食事のリズムを作っていきます
- 固さと形状: 舌で押しつぶせる豆腐程度の固さ。少し粒が残る程度でも大丈夫です
- 食材: 7倍がゆやパンがゆ、多様な野菜、鶏ささみ、赤身魚、全卵、プレーンヨーグルトなど種類を広げていきます
- ポイント: だしで風味をつけ、調味料は控えめに。様々な食材の味や食感を経験させましょう
離乳後期(生後9~11カ月:カミカミ期)
- 目的: 歯ぐきを使って食べ物を噛む練習をします
- 回数: 1日3回の食事リズムを定着させます
- 固さと形状: バナナ程度の固さで、5~8mm角のサイズが目安です
- 食材: 5倍がゆから軟飯へ移行。赤身肉や魚、レバーなど鉄分豊富な食材を意識して取り入れます。野菜スティックやおやきなど手づかみメニューも用意しましょう
- ポイント: 食べ物で遊び始めても、これは手で触って学んでいる大切な過程です。危険がない範囲で見守ってあげてください
離乳完了期(生後12~18カ月:パクパク期)
- 目的: 食事から主な栄養を摂取し、自分で食べる喜びを感じる時期です
- 回数: 1日3回の食事と、必要に応じて1~2回の間食を取り入れます
- 固さと形状: 歯ぐきで噛める肉団子程度の固さ。1cm角くらいのサイズが適切です
- 食材: 軟飯から普通のご飯へ。ほぼすべての食材が食べられますが、味付けは引き続き薄味を基本とします
- ポイント: 形のあるものを噛んで食べられる、食べたいという意欲がある、栄養の大半を食事から摂れることが完了の目安です。家族そろっての食事時間を楽しむことも大切にしましょう
離乳食を始める際に注意する5つのポイント
離乳食は、以下のポイントに注意して始めましょう。
【ポイント1】離乳食は1さじからスタート
離乳食は、赤ちゃんのようすを見ながら1日1回1さじをあげるところからスタートします。赤ちゃんの成長ペースに合わせて少しずつ増やしていきましょう。初めての食材を与えるときは、赤ちゃんの体調や機嫌の良いときに少量を与え、様子を見ながら食べさせてください。
【ポイント2】離乳食は火を必ず通す
食中毒予防のためにも離乳食は衛生管理を徹底します。ハンドブレンダーを使う際は、かくはん後に必ず別の容器に移して加熱殺菌し、よく冷ましてから食べさせてください。
【ポイント3】離乳食の保存方法
まとめて作った離乳食は冷蔵室で保存せずに、冷凍用保存容器に1食分ずつ小分けにしてから冷凍保存しましょう。そして冷凍したものは自然解凍ではなく必ず加熱しましょう。約1週間以内で消費し、解凍後は早めに食べるようにしてください。
【ポイント4】初めての食材を与える際は午前中に
初めての食材を試すときは、必ず午前中に与えるようにしましょう。万が一アレルギー反応が起きた場合でも、医療機関の診療時間内であればすぐに受診できるためです。
また、初めての食材は1回につき1種類ずつ、小さじ1杯程度の少量から始めましょう。複数の新しい食材を同時に与えると、アレルギー反応が出た際に原因を特定できなくなってしまいます。
【ポイント5】アレルギーが疑われる症状とは?
離乳食を食べた後、蕁麻疹、赤みや腫れ、嘔吐、下痢、腹痛などのような症状が見られた場合は、食物アレルギーの可能性があります。
特に注意が必要なのは「アナフィラキシー」です。顔色が悪い、ぐったりしている、呼吸が苦しそう、意識がもうろうとしているなどの症状が見られたら、すぐに救急車を呼んでください。軽い症状でも、初めての食材を食べた後に普段と違う様子があれば医師に相談しましょう。卵、乳製品、小麦、そば、落花生、えび、かになどは特にアレルギーを起こしやすい食材なので、慎重に進めることが大切です。
【初期・中期・後期・完了期】離乳食の進め方と形状の変化
赤ちゃんが食事を摂取できるようになるためのプロセスとして大切な「離乳食」。離乳食は初期・中期・後期・完了期と成長段階によって形状が変わり、基本的には赤ちゃんが食べやすいように「ポタージュ状にする」「細かく刻む」必要があります。
しかし、手作業で食材をポタージュ状にしたり細かく刻むのはとても大変です。また、食材を切り刻むことに特化したフードプロセッサーや、食材をポタージュ状にするのに特化したミキサーといった、調理家電を細かく使い分けるのも手間がかかります。
離乳食作りには、ハンドブレンダーが便利!
そこでおすすめなのが、ハンドブレンダーです。ハンドブレンダーは食材をペースト状にしたり、細かく刻んだりできるので、離乳食に欠かせない調理工程をカバーしています。ハンドブレンダーがあれば毎日の離乳食作りが格段に簡単になるでしょう。
ここからは、時期ごとに適した離乳食の形状や注意点、作る際のコツ、そしてハンドブレンダーを使った離乳食レシピをご紹介します。
ハンドブレンダーを活用!初期・中期・後期・完了期の離乳食レシピ
離乳食は成長段階に応じて、初期はトロトロ、中期は細かく刻んだ状態、後期は歯ぐきでかめる約1センチ大へと変えていきます。
ここからは、各成長段階に合わせた、ハンドブレンダーを使った簡単な離乳食レシピをご紹介します。
【離乳食初期】5~6カ月頃の食材の形状とレシピ
離乳食初期の生後5~6カ月頃は飲み込むことや舌触りに慣れさせるために、調理物に塊が残っていないか確認して必ずトロトロの状態にしてから食べさせましょう。ハンドブレンダーを使えば、簡単にトロトロ状態が作れます。始めの1週間はすりつぶした10倍がゆから始め、すりつぶした野菜なども試します。慣れてきたらつぶした豆腐、白身魚、卵黄などを試していきましょう。
離乳食初期にぴったりの口どけのいい10倍がゆ
●おかゆ
【材料(作りやすい分量)】
10倍がゆ(米:水=1:10で炊いたもの)…200g
【作り方】
①専用カップに材料を入れる(ハンドブレンダーMX-S302の場合は[高速]を選ぶ)。
②ブレンダーで30~60秒かくはんする。
素材の味をいかした、栄養満点のなめらかペースト!
●ほうれんそうとじゃがいものペースト
【材料(作りやすい分量)】
- ゆでたほうれんそうの葉先…10g
- ゆでたじゃがいも…30g
- 水または昆布だし…100mL
【作り方】
①専用カップに材料を入れる(ハンドブレンダーMX-S302の場合は[高速]を選ぶ)。
②ブレンダーで30~40秒かくはんする。
【離乳食中期】7~8カ月頃の食材の形状とレシピ
この時期になると、豆腐程度のやわらかくて細かく刻んだ状態のものが食べられるようになります。
にんじんの自然な甘さが味わえる!
●豆腐のにんじんあえ
【材料(作りやすい分量)】
にんじん(皮をむく)…中1/2本(90g)
ゆでた絹豆腐(5mm角)…40g
【作り方】
①にんじんをチョッパー[高速]で5~10秒かくはんする。
②①をやわらかくなるまでゆでる。
③②をザルなどでお湯を切り、豆腐の上にのせる。
【離乳食後期】9~11カ月頃の食材の形状とレシピ
離乳食後期になると、歯ぐきでバナナくらいの固さならつぶせるようになります。食欲に応じて量を増やしましょう。
鶏だんごもハンドブレンダーであっという間!
●鶏だんごのうどん
【材料(作りやすい分量)】
A
- にんじん…15g
- 大根…15g
- 小松菜の葉…10g
- 水…250mL
B
- ささみ…2と1/2枚(100g)
- 豆腐…1/3丁(100g)
- かたくり粉…大さじ1と2/3
- ゆでうどん(1cmに刻む)…1/2玉
【作り方】
①Aをチョッパー[高速]で5~7回間欠運転する。
②鍋に①と水を入れて、やわらかくなるまで加熱したらうどんを入れ、ひと煮立ちさせる。
③Bをチョッパー[高速]で10秒かくはんする。
④鍋に湯を沸かし、③をスプーンでだんご状にして入れ、加熱する。
⑤②を器に盛り、④を一口大に切ってのせる。
【離乳食完了期】12~18カ月頃の食材の形状とレシピ
この時期になったら幼児食に移行できるように食材を少し大きくして前歯が上下生えてきたら前歯でかみ切る練習をしましょう。また、手づかみで食べられるサイズにして、自分で食べる意欲を育てましょう。
いろんな食材の味が一口で楽しめる!
●オムレツ
【材料(1個分)】
- オムレツの具…15g
- 卵…М寸1/3個
- サラダ油…少々
- にんじん、パプリカ、ゆでたブロッコリー(付け合わせ)…お好み
(オムレツの具)
【材料(作りやすい分量)】
A
- キャベツ…30g
- たまねぎ…30g
- トマト(皮、種を除く)…100g
- ツナ水煮(調味料無しタイプ)…80g
- 水…100mL
【作り方】
①Aの材料をチョッパー[高速]で4~7回間欠運転する。
②鍋に①とツナ、水を入れ、やわらかくなるまで加熱する。
③②を15gと卵をボウルに入れ、スプーンなどで混ぜ合わせる。
④油をしいたフランパンで焼く。
※手づかみしやすい大きさに切る。
「まぜる・つぶす※1・刻む・泡立てる」が1台で!便利機能満載のハンドブレンダー
パナソニックの「ハンドブレンダー MX-S302」は、「混ぜる」「つぶす※1」「きざむ」「泡立てる」の4つの調理工程がたった1台でできるアイテムです。
混ぜる、つぶすに特化した「ブレンダーアタッチメント」を取り付ければ、口あたりなめらかなジュースやスープ、そして離乳食が作れ、刻むのが得意な「チョッパーアタッチメント」なら、野菜のカットや肉のミンチがすぐにできるので、離乳食のほか、ハンバーグ作りなどにもとても重宝します。
お菓子作りにも便利
また「泡立て器アタッチメント」を取り付ければ、クリームの泡立てやメレンゲも簡単にできてお菓子作りにも役立ちます。加熱後の鍋やボウルの中で直接調理ができ、スライドダイヤルでスピード調節もスムーズに行えるので、使い勝手も抜群です。
自動停止などの安全機能も!
さらに「ロック解除ボタン」を押しながら「運転ボタン」を押さないと動かない「ダブルアクションスイッチ」を採用し、材料を入れ過ぎたときや高負荷な連続運転時に自動停止してくれる「モーター保護装置」搭載で、安心して使えるのもうれしいポイントです。
まとめ
大切な赤ちゃんのための離乳食作りは、それなりに手間もかかります。ぜひ、ここでご紹介したハンドブレンダーを使って、簡単に楽しく離乳食を手作りしてみてはいかがでしょうか?
※1 ゆでた芋類(じゃがいも・さつまいも・かぼちゃ・さといもなど)は水分を同量足せば使えます。
*かたいものや粘りけが強いものなど、以下の材料は調理できません。
- ブレンダーアタッチメント:肉・魚など繊維やすじの多いもの、コーヒー豆、棒だら、乾燥したパン、するめ、干ししいたけ、乾燥大豆やだし昆布などかたい乾物類、冷凍した食品・氷、生のじゃがいも・さつまいも、かぼちゃ、介護食、パン生地、納豆、じねんじょ、つくねいも、おくらなど粘りけが強いもの。
- チョッパーアタッチメント:コーヒー豆、棒だら、乾燥したパン、するめ、干ししいたけ、乾燥大豆やだし昆布などかたい乾物類、冷凍した食品・氷、介護食、パン生地、納豆、じねんじょ、つくねいもなど粘りけが強いもの。
- 泡立て器アタッチメント:冷えたバター、クリームチーズ、全卵、低脂肪の生クリームなど。
この記事で紹介した商品
赤ちゃんの成長に合わせた離乳食の進め方についての監修
太田 百合子(おおた ゆりこ)
管理栄養士。
東京「こどもの城 小児保健クリニック」で栄養指導を長きにわたり行う。
現在は、指導者向け・保護者向けの講習会の講師、子育て番組出演、育児雑誌の監修などで活躍中。
日本食育学会代議員、東京都小児保健協会理事。
2025年10月30日 子育て
- 記事の内容や商品の情報は掲載当時のものです。掲載時のものから情報が異なることがありますのであらかじめご了承ください。