器を変えれば、ごはんの味が変わる!?

ごはんと器のおいしい関係についての監修:田辺 玲子(うつわ ももふく 店主)
ライター:UP LIFE編集部
2023年10月3日
食・レシピ

よそう器にこだわれば、毎日のごはんがもっとおいしく、楽しいものになる!
東京・町田市で「うつわ ももふく」を営む田辺玲子さんが、ご自身の経験を交えながら、“ごはんと器のおいしい関係”について語ってくださいました。

ごはんを変える「運命の器」。

幼い頃から食が細く、食べることが苦手だった私にとって、食事の時間はあまり楽しいものではありませんでした。特に白いごはんが苦手で、「おかずだけでいいのに…」なんて思うことも。食への興味が薄かった私を決定的に変えたのが、お気に入りの器との出合い。見た目、香り、食感…。「器を変えるだけで、いつものごはんがこんなにもおいしく、豊かに感じるんだ!」と気付いてからは、日々、さまざまな器でごはんを楽しんでいます。みなさんも、自分だけの「運命の器」を探してみませんか?

写真:器を並べる田辺玲子さん

季節で選ぶ、気分で選ぶ。

私は普段、ジャンルによる器の使い分けはほとんどしていません。和食を盛るときにも洋皿を使いますし、洋食を盛るときにも漆器を使います。そのぶん、季節やその日の気分に合わせて器を楽しんでいます。
たとえば、春の食卓でごはんをよそう器には、シンプルで粒子の細かい土ものや、さわやかな絵柄の磁器を。夏のごはんには、涼しげな色合いの磁器やシンプルな絵柄の染付、もしくはキリッとした黒。秋は、ざっくりとした土ものや焼締め。冬は色味の暖かいものなど…。
さらには、雨の日や晴れの日など、その日の気分や体調に合わせた器を選ぶことで、食事の時間を心地よく過ごし、より良い一日につながればと思っています。

写真:テーブルの上に広げられた器

ごはんと器の「相性」。

銘柄によってお米の個性が異なるように、器にもそれぞれ個性があります。素材や形、吸水性…。焼き物の性質を知り、使い分けることで、ごはんの味わいに変化が生まれます。さっぱりとしたかためのごはんに合う器、やわらかなごはんに合う器など、組み合わせの一例をご紹介します。

写真:黒い器に入ったごはん

より甘みを感じる「粉引」、みずみずしさが活きる「磁器」

たとえば、「だて正夢」のようなふっくらとやわらかいごはんには、お米の甘みを引き立てる粉引の器がよく合います。米粒が口の中でしっかり感じられて舌触りもよく、甘みと食感がバランスよく感じられます。
一方、「雪若丸」のようなあっさりとした粒立ちの良いごはんには、磁器の器を。さっぱりとした中にも、お米の水分と甘さをしっかり感じることができます。よりしっかりとした粒立ちを感じたい方には、漆器がおすすめです。

写真:左右に並んだ二つの器

左:増田勉「粉引めし碗」(粉引)/右:古川桜「染向木の芽文めし碗」(磁器)

銀シャリ本来の味が引き立つ「漆器」

パナソニックの「Wおどり炊き」の銀シャリコースで炊いたごはんは、甘くて一粒一粒にハリがあるのが特長。黒の漆器は、たとえば「つや姫」のようにしっかりと粒立ったごはんのつややかさをより際立たせ、お米本来の甘みと旨み、香りをしっかりと感じさせてくれます。やわらかな口当たりがお好みの方には、粉引もおすすめです。
「Wおどり炊き」には、銀シャリコースのほか、かたい・やわらかいの炊き分けや、お米の持ち味を最大限に引き出す「銘柄炊き分け」機能も搭載されています。自分好みに炊き上げたごはんを、お気に入りの器で味わう。さささやかだけれど、とても幸せなことですよね。

写真:黒い器

蜂谷隆之「くらわんか椀」

お気に入りの「マイ飯碗」で、ごはんをよりおいしく。

ごはんと器の組み合わせをいくつか紹介しましたが、味覚や好みは人それぞれなので、正解はありません。いちばん大切なのは、それが「自分が気に入っているものである」ということ。器の中でも「属人器」というタイプにあたる飯碗は、ほかの誰でもなく、自分だけのものです。ひとつの飯碗にこだわらず、いくつかお気に入りの「マイ飯碗」を持って、その日の気分などに合わせて器を選ぶと、毎日のごはんがより楽しく、おいしくいただけると思います。

この記事で紹介した商品

ごはんと器のおいしい関係についての監修

田辺 玲子

田辺 玲子(うつわ ももふく 店主)

作家ものの器を中心に扱う和食器のお店「うつわ ももふく」の店主。「お気に入りの器にごはんをよそったら、いつもより格段においしく感じた」という自身の経験から、日々の食卓を楽しく囲めるような、温かみのある普段使いの器を多数扱っている。

2023年10月3日 食・レシピ

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