かまど炊きのごはんはなぜおいしい?炊飯器との違いやカニ穴や粒感を再現できる最新炊飯器を紹介


監修:Panasonic Cooking @Lab
ライター:UP LIFE編集部
2025年3月18日
食・レシピ
今でこそ、お米は炊飯器で手軽に炊くのが当たり前になっていますが、昔の日本では「かまど」で炊飯していました。
現代でも「かまど炊き」したごはんはおいしい、というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
なぜ、かまどで炊いたごはんはおいしいのか、その理由を掘り下げてみましょう。
「はじめチョロチョロ〜」から学ぶ、炊きの極意

「はじめチョロチョロ、中パッパ」
炊飯の火加減を説いたこの唄は、かまどで炊飯していた江戸時代に生まれたとされています。
一節ごと説明していきましょう。
【はじめチョロチョロ】弱火でじっくりお米の甘みと旨味を引き出す
「はじめチョロチョロ」とは、最初にチョロチョロとした弱火にすること。釜全体がゆっくりと温まり均等に熱が伝わり、お米の中心まで吸水することで甘みと旨みが引き出されます。
【中パッパ】大火力で米が「おどり」、「カニ穴」ができる
「中パッパ」は、一気に火力を強めること。この大火力こそが、かまどの特長です。短時間で吹きこぼれるほどの沸騰状態になり、釜底から上層へ激しい対流が生まれます。そして底から上がってくる泡がお米の粒と粒の隙間を通り、お米が「おどる」のです。
そうすると、ひと粒ひと粒に芯までムラなく熱が伝わります。おいしく炊き上がったごはんには「カニ穴」ができますが、これはおどるお米の隙間を泡が通り抜け、しっかり炊き上がった跡なのです。

【ぶつぶつ言う頃火を引いて】中火でお米の甘みともちもち感を増す
「ぶつぶつ言う頃火を引いて」。
これは、火を中火まで弱めながらも沸騰を維持するフェーズ。釜の中の水分を吸収して甘みともちもち感をさらに増すことができます。
【一握りのわら燃やし】余分な水分を飛ばしハリのある米粒に仕上げる
続いて、「一握りのわら燃やし」。再び強火にすることで、釜内の余分な水分を飛ばしながら、ハリを残しつつより大きな米粒に仕上げます。
【赤子泣いても蓋とるな】最後の蒸らしでさらにお米をおいしく
最後は、「赤子泣いても蓋とるな」。
お米に旨みを閉じ込めるためには、火を止めたあとにしっかり蒸らすことが大切。大火力でたくさん生成された旨みのもとである「おねば」を蒸らしている間にお米が吸収します。
こうして炊き上がるのが、ツヤツヤと輝き、甘みと旨みが詰まり、適度な粘り気やふんわりとした食感を持つごはんです。かまど炊きは、現代の科学的見地から見ても理にかなった炊飯方法だったのです。
まるでかまど炊きしたようなふっくらとした粒感のあるごはんが自動でできる

いつものお米がかまどで炊いたときにできる「カニ穴」のある仕上がりに。こだわり抜いた火力・圧力の技術で加熱されたお米は、勢いよく泡が上がり、一粒一粒に熱が伝わり、見た目からもおいしさが伝わるふっくらと粒感のあるごはんに炊き上がります。
一粒一粒に熱を伝える、こだわりのビストロ匠技AI機能

かまど炊きでは、強火の時間配分を都度調整したり、蒸気を逃さないように土鍋の蓋を塞いで調整したりと、炊き上がるまで細かく確認する必要があります。また、ごはんのおいしさは、炊飯器の火力の強さだけでなく、お米の状態にも大きく影響されます。そのため、毎回かまどで炊いたような仕上がりにするのはなかなか難しいです。
ビストロ匠技AI※では、お米の状態に合わせて、約9,600通り※1(Wシリーズでは約3,200通り)の中から最適な火加減・圧力加減を自動で調節し、炒飯工程も全て自動で行うので、仕上がりにムラがなく、かまど炊きしたようなふっくらとした粒感のあるごはんができます。
※全てのコース、銘柄に対応しているわけではありません。
ふっくらごはんにするための独自技術の結晶

ふっくらとした粒感のごはんに仕上 げるために炊飯器の構造からこだわっています。
おいしさを最大限に引き出す全面発熱IH

かまど炊きのごはんを実現するための大きな課題は、「中パッパ ぶつぶつ言う頃火を引いて 一握りのわら燃やし」の工程で大きなポイントとなる火力でした。かまどのごはんのおいしさの秘密は、強火によってもたらされる炊きこぼれるほどの「沸騰力」。炊飯器は炎のような温度を出すことが難しく、ましてや吹きこぼすこともできません。そんな難題を解決するきっかけとなったのが、「全面発熱 IH」でした。
ふたまで含めた、釜全面を包み込むように搭載したIHで、釜内部の温度を下げることなく加熱し続けられます。また、底・底側面IHを切り替え、集中加熱することで強力な泡の熱対流を発生させ、均一に加熱できるため、ムラのないふっくらしたごはんができます。
ふっくらを実現させる急減圧バルブ

また、「中パッパ」の工程では、大火力で吹きこぼれるほどの沸騰状態にする必要があります。そこで、密閉され高圧状態になった竈釜のバルブを開くことで釜内の圧力が急減圧し、爆発的な沸騰を起こしふっくらと炊き上がります。急減圧され瞬間的な沸騰力を持つと、泡の通り道ができ、お米がおどり、一粒一粒がムラなく加熱され粒が立ちます。
粒感をアップさせる加圧追い炊きポンプ

そして、ポンプで外気を取り込み、ヒーターで加熱をすることで、釜内に熱風が送り込まれ、その熱風の圧力を使って加圧します。窯内の水蒸気が少なくても加圧することができるので、「一握りのわら燃やし、赤子泣いても蓋とるな」の追い炊きと蒸らしの工程を再現できます。お米をおいしく炊く秘訣は、最後までしっかりと加熱し続けることなので、ビストロVシリーズでは、加圧熱風ポンプを搭載し、高温状態を保てる設計にしています。
まとめ
かまどに学び、いつものお米をかまどのご飯のようなおいしさに。ご紹介した以外にも、お米の銘柄に合わせて炊き上げる機能や家族の好みやメニューに合わせて食感を炊き分ける機能も搭載していて毎日のお手入れも簡単です。使いやすさのほかに美しさにもこだわっています。
洗練されたシンプルなデザインは、キッチンに自然と溶け込み、丸型のフォルムや素材の質感からかまどを体現しています。昔ながらのかまど炊きの知恵と、今のライフスタイルに求められる利便性が詰まった一台。こだわりが詰まったビストロVシリーズを味わってみてはいかがでしょうか。
監修

Panasonic Cooking @Lab
Panasonic Cooking @Labとは?
「おいしさを科学し、食卓に笑顔と感動をお届けする」をモットーに、「電子レンジ」「炊飯器」「調理小物」「IHクッキングヒーター」「冷蔵庫」を含むパナソニック調理事業の全カテゴリーの調理ソフト開発メンバーが所属し、設計者と生活者の両視点からお客様へのお役立ち活動を実践する組織です。
調理機器・食に精通するユニークな専門性を有するメンバーの知恵を結集して近年の多様化するライフスタイルや価値観に共感する商品やサービスを産み出し、社会にお役立ちしてまいります。
2025年3月18日 食・レシピ
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