自分にあった「腸活」をみつけよう

監修:内藤 裕二先生
ライター:UP LIFE編集部
2020年4月2日
食・レシピ

最近、美容や健康のために「腸活」を行う人が増えています。
「腸活」とは具体的にどんなことをするとよいのでしょうか。おすすめの腸活方法と、その効果について紹介していきます。

腸はカラダやココロにも深く関係していた!

写真:両手でお腹を触っている女性のイメージ

腸は、生きていくために必要な栄養を吸収し、不要なものを便として排せつするという働きがよく知られています。
「腸は、食べものを消化・吸収するだけではありません。実は、腸には7割もの免疫細胞があり、外敵からカラダを守るという働きもあります。また、人間が生まれるときにまず最初に作られるのは脳ではなくて腸。腸は『第二の脳』とも呼ばれ、カラダの中にあるドーパミンの約半分、セロトニンの約90%も腸で作られています。ドーパミンは快楽を、セロトニンは幸せや安心感につながるホルモン。おいしいものを食べると幸せな気持ちになるのは、こういった作用も関係しています」
というのは、京都府立医科大学附属病院内視鏡・超音波診療部部長の内藤 裕二先生。

「腸の状態は、カラダにもココロにも大きく影響します。ですから腸を健康な状態にする『腸活』を行うことはさまざまなメリットが期待できるのです」

腸活を行うとこんなメリットが

写真:膝を抱えて悩んでいる女性のイメージ

今、こんな症状に悩んでいませんか?

  • 便秘に悩んでいる
  • 冷え症
  • むくみが気になる
  • 疲れやすい
  • おなかの調子が悪くなりやすい
  • 花粉症などのアレルギーがある
  • 肌のトラブルが起きやすい
  • 気分が優れないことが多い
  • イライラしやすい
  • ダイエットがうまくいかない

ひとつでも当てはまっていたら、腸活を行ってみましょう。
「腸のトラブルは、カラダとココロに悪影響を及ぼします。腸が正常に機能すると、便の状態が整います。また、腸には腸内細菌という菌が多く棲んでいるのですが、カラダに悪い働きをする悪玉菌が増えると肥満になるというデータも。また、悪玉菌は、アレルギーやうつなどにも影響します。一方、善玉菌というカラダにいい働きをする菌を増やすと、おなかの調子もよくなるだけでなく、肌荒れやアレルギー、メタボまで改善することがわかっています。特に便秘で悩んでいる女性は、腸が衰えている可能性大。すぐに腸活にチャレンジしてみましょう」

「腸活」ってどんなことをすればいい?

写真:根菜(人参、蓮根、蕪、じゃがいも、さつまいも、大根)

では実際に「腸活」を行うとしたら、どんなことから始めればよいのでしょうか。
「食べもので健康状態をコントロールできる唯一の臓器です。まずは食事から改善してみましょう」と内藤先生。
「腸を元気にするためには、善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすことが大切です。それには善玉菌のエサとなるものを増やし、悪玉菌のエサになるものは減らすことです。善玉菌のエサになるのは、食物繊維。野菜や果物の食物繊維よりも、玄米やいも、豆類、根菜などの食物繊維がオススメです。朝ごはんには、サラダよりも食物繊維のたっぷりはいったシリアルがオススメ。また、ヨーグルトなどの乳酸菌が入ったものや、納豆などの発酵食品もいいでしょう。一方、悪玉菌のエサになっているのは、お肉などの動物性脂肪や、ソーセージなどの加工食品、ダイエット甘味料、砂糖類。最近では、糖質制限ダイエットをする方も多いですが、主食を抜いてお肉ばかり食べていては、悪玉菌が増えるばかりでカラダに悪影響を及ぼします。まずは悪玉菌のエサになるものを減らし、善玉菌のエサを少しずつ増やすようにするとよいでしょう」

それ以外にも、腸活でおすすめなのが、腸をあたためること。
「便秘や下痢といった不調は、おなかの冷えによる機能低下が原因のことも。マッサージやストレッチをしたり、半身浴をするなど普段からカラダを冷やさないようにすることや、インナーマッスルを鍛えて体温を上げるなどもオススメです」

自身の現在の腸の状態が気になるという方には、腸内環境の状態がわかるキットも販売されています。腸内環境の状態を表す腸内細菌叢を調べることで、自分自身の今の体調の状態や、どのように腸活を行うと効率的かもよくわかるようになります。また、どのような食事を摂ればよいのかのアドバイスが受けられるものもあります。自分にあった腸活をおこなって、カラダとココロの元気とキレイを手に入れましょう。

監修

内藤 裕二

内藤 裕二(ないとう ゆうじ)

京都府立医科大学附属病院内視鏡・超音波診療部部長、京都府立医科大学医学研究科消化器内科学教室准教授。
専門は、消化器学、消化器内視鏡学、消化器学、酸化ストレスと消化管炎症、生活習慣病。
著書に「消化管(おなか)は泣いています」(ダイヤモンド社)、「人生を変える賢い腸の作り方 ココロまで整える腸内フローラ活性術」(ダイヤモンド社)、「酸化ストレスの医学 改定第2版」(共著、診断と治療社)など多数

2020年4月2日 食・レシピ

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