血流企画 第2回「その不調、ゴースト血管のサインかも?」
監修:石原 新菜(いしはら にいな)
ライター:UP LIFE編集部
2020年8月5日
健康
病気と診断されたわけではないのに、普段からなんだか調子がイマイチ・・・もしかしたらそれは毛細血管の老化からくる「ゴースト血管」のサインかもしれません。今回は、血流と健康の関係に詳しいイシハラクリニック副院長の石原新菜先生に、毛細血管の老化が原因となって起こる不調について話を伺いました。
「ゴースト血管」は20代から始まる
私たちが生きていく上で、とても大切な役割を担っている血液。しかし、その血液が流れる血管のほとんどを占める毛細血管は、0.01mmと細いため、さまざまな要因によってあっという間に老化し、その働きが衰えてしまいます。すると、血流が滞ってしまうために、カラダの隅々まで酸素や栄養素が行き届かなくなり、また老廃物も溜まったままになるため、カラダにも不調が起きてしまいます。このように血流が減少し、最終的には消えてなくなる血管のことを「ゴースト血管」と呼びます。ゴースト血管は、なんと20代から始まり、60~70代になると約4割もの毛細血管が消えてしまうと言われています。毛細血管の働きが衰えると、カラダにさまざまな不調が起こります。あなたにはこのような不調がないでしょうか。チェックしてみましょう。
毛細血管の老化による血流の悪さがこんな症状を招く!
毛細血管が老化し、血流が悪くなってくると、カラダにはさまざまな不調が起こります。
下記の症状にあなたはいくつ当てはまるでしょうか。0~4個までなら、まだ血流はそれほど悪くなっていなさそうです。しかし、年齢を重ねるごとに毛細血管が老化していく可能性があるので、少しずつ生活習慣を見直しましょう。5~10個までの人は、毛細血管が老化し始めていますので、生活習慣を見直すチャンスです。10個以上の人は、かなり毛細血管の老化も進んでいます。すぐに生活習慣の改善に取り組みましょう。
- 髪の毛が抜けやすくなる
- 白髪が増える
- 頭痛がよくある
- めまいがすることがある
- 耳鳴りがある
- だるさが抜けない
- イライラすることが多い
- シミやシワが気になる
- 顔がくすんできた
- 目の下のクマが気になる
- ニキビができやすい
- 口が渇きやすい、口のニオイが気になる
- 胃痛や胃もたれなど胃の調子が悪い
- 便秘である
- 月経痛がある
- むくみやすい
- アザができやすい
- 手足が冷える
- ひざが痛くなることがある
- 爪がもろく割れやすい
- 不安感や気分が落ち込むことが多い
血流が悪い=血流が足りないこと!
毛細血管が老化することによって、全身の血流が悪くなると、このようにカラダにもココロにもさまざまな悪影響を及ぼしてしまいます。では「血流が悪い」とは実際にどのような状態なのでしょうか。よく言われる血流が悪いイメージは「血がドロドロ」というような、血液中にコレステロールや中性脂肪などの脂質が増え、生活習慣病を引き起こすようなものですよね。しかし、不調が起きている方の中には、ダイエット中で油ものを控えている方もいて「血がドロドロ」だから血流が悪くなっているとは考えられないという場合もあります。上記にあげたような不調は、実はこうした「血がドロドロ」ということではなく、「血流が足りない」ことが問題となっています。日々の生活習慣やストレスなどが原因となり、毛細血管が老化することで、血管の働きが弱まり、血が先端まで巡らなくなるという理屈です。血液は多すぎてもよくないのですが、量を増やすことで質を改善することも見込めます。充分な量の血液をきちんと全身に巡らせることができれば、毛細血管の衰えも防ぐことができるのです。
まとめ
毛細血管は日頃のちょっとした心がけで増やすことも可能です。すでに毛細血管が減ってしまっていても、血液を増やし、血流をよくするような生活習慣を意識することで、健康なカラダへと変わっていくことができます。そのポイントは、4つです。
- カラダを温め、冷えない生活をすること
- 血流を増やす食事をすること
- カラダをマッサージ&運動をすること
- カラダとココロをリセットすること
次回からはこの4つのポイントについて詳しく解説していきます。
監修
石原 新菜(いしはら にいな)
イシハラクリニック副院長。日本内科学会会員。日本東洋医学学会会員。漢方医学、自然療法、食事療法により、さまざまな病気の治療にあたる。クリニックでの診療の傍ら、テレビなどの出演や、執筆活動、講演なども行う。著書に『オトナ女子の不調がみるみる改善する本』(徳間書店)など多数。
2020年8月5日 健康
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