ビタミンDシリーズ 第2回「老け顔の原因は『頭蓋骨』にある!?骨の健康を保つビタミンDで、はつらつと!」
監修:高石 佳知(たかいし よしとも)
ライター:UP LIFE編集部
2022年9月28日
健康
顔の印象を左右するシワやたるみ。いわゆる老け顔の原因は、頭蓋骨にもあるそう。
いつまでもはつらつとした印象を保つための方法を、歯学博士の高石 佳知先生にお聞きしました!
老け顔と頭蓋骨、ビタミンDの関係
気になるシワやたるみ。見た目の悩みの原因は、肌だけの問題ではないようです。
高石先生によると、シワやたるみは肌のコンディションだけでなく、頭蓋骨の萎縮にも関係するそう。
「加齢や女性ホルモンの影響で、全身の骨量は低下しますが、頭蓋骨も当然に影響を受けます。ちょうど風船と同じで、いままであった頭蓋骨の骨量が減ると、しぼんだ風船のように顔の印象も変化し、シワやたるみにつながっていくのです」と高石先生。
骨といえば、ビタミンDとの関係が頭に浮かぶ人も多いかもしれませんが、頭蓋骨も同様です。
頭蓋骨が萎縮する理由は、カルシウムにあり!?
女性の身体は閉経後、女性ホルモンの減少により、カルシウムが吸収しにくくなります。また、腎臓の老化とビタミンD合成の不具合で、より体内のカルシウムが不足していきます。すると、身体は全身のカルシウム量を調整するために、既存の骨を溶かしてカルシウムを獲得するため、頭蓋骨も影響を受け、萎縮してしまうのだそう。
高石先生は、全身の骨の中でもあごは、真っ先に縮んでいくと話します。
「あごの骨は骨代謝が活発で、縮みやすいんです。余談ですが、骨の量は20歳前後がピークで、40代までは同じ骨量を維持します。ピークに至る20歳までの間にいかに栄養を蓄えるかが重要。たとえば、若い頃に極端なダイエットで必要な栄養素をとれていないと、早い時期に骨粗鬆症になる方も。そういった方は頭蓋骨にも影響があり、シワやたるみにつながる可能性があります」と高石先生。
頭蓋骨の萎縮が影響!よくある老け顔4タイプ
高石先生によると、頭蓋骨の萎縮による老け顔には傾向があるそう。
「頭蓋骨が萎縮すると、あごはもちろん、目もと、鼻、頰などさまざまなパーツに影響がでます。頭蓋骨が縮むといってもなかなか実感が湧きにくいと思いますが、40代の頭蓋骨は650g程度に対し、70代は280gほど。重さが半分以下になるわけですから、大きな影響といえます」。
実際に、頭蓋骨の萎縮が影響する老け顔のタイプを見ていきましょう。
タイプA:ゴルゴ線
眼のまわりのくぼみが広がり、目下のたるみやシワが目立つように。ひどい場合は、頰を縦断するゴルゴ線に発展。
タイプB:ほうれい線
鼻の骨が縮むと、ほうれい線が一際目立つように。
タイプC:唇の縦じわ
上あごの骨が縮むと、上唇に深いシワが刻まれる。
タイプD:二重あご
下あごの骨が縮むと、二重アゴや首のシワに。
つまり、頭蓋骨を中心とした、全身の骨の変化を知り、対策することで、顔のシワやたるみをおさえ、はつらつとした笑顔をキープできるのです。
頭蓋骨の萎縮が気になりだしたら、骨によい食べ物や骨を強くする運動を!ビタミンD、ガム、ほほえみ体操がおすすめ
では、頭蓋骨の萎縮が気になりだしたら、いったいどうしたらよいのでしょうか?
ビタミンDを摂るときの注意点
「まずは栄養状態を整えること。カルシウムはもちろん必要ですが、ビタミンDも大切です。ビタミンDは体内のカルシウムとリンが沈着する骨の石灰化に働きかける栄養素。成人の場合は、軽度のビタミンD不足でも、骨密度の低下や、副甲状腺ホルモンの上昇を引き起こすなど、健康に影響があります」と高石先生。
ビタミンDを多く含む食品は、鮭や秋刀魚、ウナギ、きのこ類など。
「サプリメントを使用する場合はビタミンDの過剰摂取にならないよう摂取量に注意しましょう。また、腎疾患の方や、すでに医師から治療薬として活性型ビタミンDを処方されている方は、主治医に相談の上、サプリメントを摂取するようにしましょう」。
また日光浴もおすすめ。夏なら15分、冬場なら30分程度、毎日、散歩をするのがよいそう。
あごの骨の形成を助ける!ガムとほほえみ体操
あごの骨の形成に働きかける刺激も大切です。1つは、ガムを噛むこと、もう1つは、高石先生が開発したほほえみ体操をすること。ガムは1日1回10分間、噛むだけ。手軽にはじめられます。
「ガムを噛むことで咀嚼筋に働きかけ、あごの骨の形成を助けます」と高石先生。
また、ほほえみ体操は、上下の歯の間を1cmほど開け、片手の親指と人差し指で口角をグッと奥に押し込んでから上に引き上げます。その後、上の歯が半分くらい見えるように口を開けて微笑み10秒キープ。これを1日に5回、3セット行えば、表情筋が鍛えられ、あごの骨に働きかけることができます。
「ほほえみ体操は、1ヶ月も続けると自然と口角があがり、表情が明るく変化します。骨への刺激はもちろんですが、印象が変わるのもおすすめしたい理由ですね」。
ビタミンDを中心とした的確なアプローチが、見た目の若々しさにもつながる!
高石先生いわく、体内のビタミンD濃度が高いほど、筋肉量もキープできるそう。あごの骨の生成には、あごの周辺の筋肉の影響も大きいので、ビタミンDの摂取とセットでガム噛みやほほえみ体操ができるのが理想です。
そのほかにも、ビタミンDは、歯を丈夫に健康的に保つ栄養素でもあります。
「ビタミンDを摂取し、日々の生活にガム噛みや体操を取り入れることで、いつまでもはつらつとした印象を築くことができるはず。ぜひ、今日から試してみてください!」。
監修
高石 佳知(たかいし よしとも)
医療法人社団天聖会 高石歯科医院理事長、歯学博士。大阪歯科大学卒業後、高石歯科医院院長に就任。幼少の頃に身体が弱かったことと、手先が器用だったことから、歯の治療を行う歯科医を目指した。クリニック設立以来、多くの症例に向き合いながら、噛むことは全身の健康と若々しさにつながるとし、日々治療に邁進している。骨粗鬆症患者の歯科治療のスペシャリストとしても有名。その他、NHKBSプレミアム「美と若さの新常識〜カラダのヒミツ〜」や、TBS「健康カプセル!ゲンキの時間」にも出演。
2022年9月28日 健康
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