産後の回復に効く「骨盤ケア」とは?ポイントは筋肉をほぐすこと!

監修:山崎 愛美(やまさき かなみ)
ライター:UP LIFE編集部
2024年5月7日 健康

妊娠と出産で大きく変わる「骨盤」。骨盤のケアは、産後の健康的な生活維持に必須だといわれています。出産を経て身体が回復に向かう時に必要なケアを、理学療法士の山崎 愛美先生にお聞きしました!

産後3ヶ月からがおすすめ!身体の回復に合わせた骨盤ケアのタイミング

写真:赤ちゃんを抱いた女性が腰に手を当てている様子

出産でダメージを受けた骨盤を回復させるには何をすれば良いのか、骨盤ケアが必要だと聞くけれどどのようなことをすれば良いのか、そしていつからはじめれば良いのか?最初は戸惑いますよね。山崎先生に聞くと、骨盤ケアとは「出産でゆるんだ骨盤と、骨盤底筋群をはじめとしたインナーマッスルを回復させること」だといいます。

「骨盤は普段はほとんど動きません。妊娠・出産のときだけホルモンの影響で恥骨結合部分が可動し、出産時には最大10mmほど動くといわれています。また、腹横筋や骨盤底筋などのインナーマッスルも出産で引き伸ばされます。産後は、身体の中心部にある骨盤と筋肉が共にゆるくなってしまった状態といえますね」

出産後は少しずつホルモンの影響が薄れ、ゆるんだ骨盤と筋肉も妊娠前の状態に戻ろうとします。

「ホルモンの影響がほとんどなくなるのが出産から3ヶ月ほど経った頃。ちょうどこの頃が、骨盤ケアを本格的にはじめていくチャンスといえます」と山崎先生。

ホルモンの影響が減り、赤ちゃんの睡眠時間が増すのが産後3ヶ月

産後3ヶ月は、産褥期の安静から身体を本来の状態に戻す良いタイミングです。

「もちろん身体の回復という意味では出産直後も大切ですが、妊娠中に引き伸ばされていた腹部の筋や靭帯をゆるませていたホルモンの影響が落ち着く産後3ヶ月は、ケアをはじめる良いタイミング。身体と相談しながら少しずつ負荷をかけたセルフケアを取り入れると、効果が出やすいです」

また、この時期は赤ちゃんの授乳の間隔が空き、睡眠時間が増えてくる頃でもあります。セルフケアは自分の睡眠時間が少ないと気力・体力ともに難しいものなので、子どもの成長を考えてもケアを取り入れる絶好の機会といえます。

産後の骨盤の回復は、筋肉を柔らかくすることから!骨盤まわりの状態をセルフチェックする方法

写真:赤ちゃんを抱っこした女性が腰に手を当てている様子

山崎先生によると、「骨」と「筋肉」は、相互に影響し合う関係なのだそう。

「骨盤の回復力を高めるには、骨盤と接している筋肉を柔らかく働きやすい状態にすることが重要です。骨盤まわりの筋肉がほぐれていれば、骨盤も整いやすくなります。逆に筋肉の柔軟性がなくガチガチの状態ですと骨盤も回復しにくいですし、さまざまな痛みにつながる可能性も」

骨盤ケアの前に知っておきたい、筋肉の状態

骨盤ケアの効果を高めるためにも、まずは筋肉の柔軟性をチェックしてみましょう。
以下は骨盤まわりの筋肉の柔軟性を確認できるチェック項目です。

骨盤周囲の筋肉の硬さがわかる!セルフチェックの方法

  1. ウエストに両手を置き、その位置から10cmほど下がったところを親指で押す。硬いと筋肉に指が入らなかったり、痛みを感じる

     

セルフチェックのイメージイラスト
  1. 仰向けになり、片足の膝を曲げながら両手で胸に抱える。硬さがあると痛みや引っ掛かりを感じる場合も。もう一方も行い股関節の動きに差があるかも確認する
セルフチェックのイメージイラスト
  1. 椅子に座り、足全体を丸太を転がすように左右にブラブラと動かす。硬いと動きに違和感があったり、左右差が出てくる
セルフチェックのイメージイラスト

上記の3点のうち、1点でも当てはまる場合は、骨盤まわりの筋肉に硬さがあるかもしれません。

「骨盤まわりの筋肉が硬いと、骨盤を良い位置に保てなくなってしまいます。骨盤の位置が悪くなると、他の関節にも負担をかけ、さらに周囲の筋肉にストレスがかかり、筋力バランス全体が崩れてしまいます。それらは股関節痛や膝関節の痛みまで引き起こすこともあるのです」

さらに筋肉は、単に柔らかければ良いということではありません。適度なしなりがあり、伸縮できる状態が良いそう。
「筋肉は、伸びと縮みという異なる状態が共に再現できなければなりません。筋肉の伸縮性があれば骨盤も正しい位置に戻りやすいので、筋肉の状態にも注目してみましょう」

筋肉の様子がわかったところで、具体的な骨盤と筋肉のケア方法をチェックしていきましょう!

相乗効果を生む!産後の骨盤と筋肉を回復させる簡単ケア

写真:抱っこされた赤ちゃんを見て微笑むお母さん

ぐーっと伸びて気持ちいい!楽ちん「筋肉ケア」

筋肉の柔軟性に心配がある人は、まず以下のケアからはじめましょう。

  1. 仰向けで息を吐きながら、片膝を曲げ両手で抱き込む。おしりの筋肉が伸びているのを感じながら数秒キープする。逆の足も同様に行う
筋肉ケアのイメージのイラスト
  1. あぐらの姿勢から片膝を立て、立てた足の膝を手前に押さえながら身体をねじり数秒キープ。逆の足も同様に行う
筋肉ケアのイメージのイラスト

いずれもリラックスし、呼吸を繰り返しながら行いましょう。

「これらのケアは、心地よく感じる頻度と回数で行いましょう。赤ちゃんのお世話などでどうしてもできない場合は、マッサージ機を使うのも良いかもしれません。おしりの血流を良くするものであれば筋肉も柔らかくなっていくはずです」

また、テニスボールを使ったマッサージなどは、産後3ヶ月のタイミングではおすすめできないそう。
「テニスボールを使ったマッサージはよく聞きますが、あまりおすすめしません。刺激が強くて筋肉を痛めたり、逆に硬くしてしまうことも。強すぎるマッサージは避けるのがベストです」

寝ながらできる!楽ちん「骨盤ケア」

筋肉がほぐれたところで取り入れたい骨盤ケアは、以下の2つ。

  1. 仰向けになり、膣を締めて息を吐きながらおしりを上げ、数秒キープ。息を吸い、再度吐きながらおしりを下ろす。目安は5回1セット。1日3セットほど
骨盤ケアのイメージのイラスト
  1. 仰向けで息を吐きながら、片足をおしりから持ち上げ数秒キープ、息を吐きながら下げる。逆の足も同様に行う。目安は3回1セット、1日3セットほど
骨盤ケアのイメージのイラスト

上記はいずれも無理な回数は行わないこと。姿勢が崩れては本来の効果を得られないそう。
「回数はあくまで目安。自分の身体と相談しながら、ゆっくり行いましょう」と山崎先生。

産後の骨盤ケアはタイミングを見極めて!

「おさらいですが、産後3ヶ月でやっと積極的な運動が少しずつはじめられます。産後間もない間は慌てず、身体の様子を伺ってみてください。どこが痛むのか、どんな辛さなのか自分の身体と対話したうえで、身体の回復に合わせたケアができると良いですね!」

写真:山崎 愛美さん

監修:山崎 愛美(やまさき かなみ)

理学療法士。産後リハビリテーション研究会代表。海外で行われている産前産後の母親に対するリハビリテーションに感銘を受け、医療職に向けた産前産後の母体へのリハビリを提案する「産後リハビリテーション研究会」を立ち上げる。川崎市を拠点とする「Women’s Body Labo」も主宰。「理学療法士のためのウィメンズ・ヘルス運動療法」(医歯薬出版)の執筆や、「たまごクラブ」(ベネッセコーポレーション)の監修も。

2024年5月7日 健康

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