腰痛予防や睡眠の質をサポートし、ぽっこりお腹を整える!「反り腰」セルフチェック&ケア方法
監修:安藤 岳彦(あんどう たけひこ)
ライター:UP LIFE編集部
2024年11月1日
健康
年齢とともに気になってくる、ぽっこりお腹。加齢だけでなく、「反り腰」の影響もあるようです。今回は、反り腰の原因とケアの方法について、認定理学療法士の安藤岳彦先生にお話しを聞きました!
ぽっこりお腹の原因!?「反り腰」とは?
年齢とともにお腹が出てきた。腰痛がひどくなった。姿勢を保つのに苦労するようになった…。それらはもしかしたら、「反り腰」が原因かもしれません。反り腰とは、読んで字のごとく、反った腰のこと。もともと腰は、ゆるやかな連続するカーブで構成されていますが、そのカーブがきつくなり、骨盤が前傾するのが反り腰だといわれています。
見栄えにも影響する反り腰
「反り腰の問題点は、腰痛などの痛みに加え、見た目に変化があること。お腹が目立つようになるのは、反り腰によって腹筋がうまく使えていないからです。長年の反り腰から、疲労感やむくみが強くなるなど全体的な身体の衰えにつながるケースもあると思います」と安藤先生。
反り腰の原因は?
「原因はさまざまですが、長時間同じ姿勢でいるのはリスクが大きいかもしれません。デスクワークなどは注意が必要です。仕事中、キャスター付きの椅子に座っている方も多いと思いますが、これらの椅子は姿勢を安定させるために腰に力が入ることが多い。また、良い姿勢で仕事をしていたとしても“長時間”の場合は、少なからず負担に変わっていきます」
その他には、運動不足、足組み、ヒール生活、そして出産による体型の変化も反り腰の原因となるそう。
出産も反り腰のきっかけに
「出産で骨盤や筋肉、靭帯がゆるむとお腹を支える筋肉が弱くなります。それをかばうために腰の筋肉を使うと、反り腰になってしまうことも。あとは肥満になると、お腹が前に出るようになりそのまま反り腰になってしまうこともありますね。いずれの原因にしても、お腹の筋肉の使い方が重要になります」
反り腰のリスクは?
体型の変化や腰痛以外に、反り腰が身体へ与える影響はあるのでしょうか?
「椎間板ヘルニアや坐骨神経痛は定番です。腰の痛みに留まらず、おしりや太もも裏にも痛みが出る場合があります。また、反り腰が進行するとX脚になりやすく、膝にも痛みが出るかもしれません。さらには、腰の硬さから肩や首の凝り、頭痛の原因にも。身体全体に硬さが出てくるので、毛細血管の血流も滞ります。そういった循環の悪さがむくみにもつながります」
あとは、お腹周りの筋肉が使えていない状況が続くので、一度反り腰になると、どんどんおなかが出ていってしまう!ということもあるようです。
気づいていないかも?「反り腰セルフチェック」の方法
そんな反り腰ですが、自分でチェックできる簡単な方法があるといいます。
3秒で完了!簡単・反り腰セルフチェック
- 壁の前に立ち、両足のかかとと、おしり、頭を壁につける
- 1の状態で腰の部分に手首や腕が入るか確認する
壁と腰のすきまの度合いを手で測る方法ですが、指や指の付け根が入るのは正常です。
手のひらや手首が入る、腕まで入ってしまう状態は、壁と身体の間にすき間ができている証拠ですので、反り腰の可能性があるそう。
反り腰が原因の痛み、見た目の変化は改善する!
「ほうっておくと、反り腰が定着してしまうかもしれません。気づいた時がチャンスで、正しいセルフケアをはじめれば、必ず軽減します。痛みや見た目も変わりますし、しかもケアの内容は本当に簡単ですよ!」と安藤先生。
腰に理想のカーブをつくる!「乗るだけ、手間要らず」のセルフケアとは?
【理想のカーブをつくる!美腰メンテナンス】
Step1.コンディショニングポールを使ったストレッチ
コンディショニングポールを身体と平行になるよう床に置き、その上に仰向けに寝る。左右の手は床に、膝を立て、身体が安定したらゆっくりと左右に身体を揺らし、圧を楽しみながら5分待つ
Step2テニスボールを使ったおしりのマッサージ
テニスボールをおしりの下に入れ、おしりのふくらみにあたる大臀筋や、その奥にある梨状筋をゆっくりやさしく揉みほぐす。強さは、気もち良いと感じる程度に留めることが大切
好きなときに行える2つのケア
コンディショニングポールは、背面に程よい圧がかかり、心地よく身体が伸ばせます。不安定なポールの上でバランスをとるので、背骨が自然なカーブを描く矯正効果があります。また、弱った腹筋群を支えるので、姿勢が整う効果も期待できます。
また、テニスボールマッサージは、反り腰はもちろん、硬くこわばった筋肉全般にもおすすめ。体重をすべてボールにかけずやさしく行うことで、筋肉を守りながらケアできます。
簡単すぎて、本を読みながらでもできる!
ストレッチポールは馴れれば、本を読みながらでもできるそう。マッサージも簡単なので、セルフケアがグッと身近に感じられると思います。
腰の調子が良くなると、睡眠の質も上がる!
反り腰による身体の痛みや不快感があると、睡眠の質も浅くなる場合があります。
「腰痛があると横向きでしか寝られない場合も多いんです。腰の痛みが和らげば、寝返りも打ちやすくなりますし、痛みで目が覚めてしまうこともありません。当然睡眠の質もあがります。また、朝、起きた直後の腰痛も感じなくてすみます。この朝の痛みや不快感がなくなるのは、かなり大きいのではないでしょうか?目覚めから変わり、ちがった形で朝のスタートをきることができるのです」と安藤先生。
出ている症状は、必ずやわらげることができる
日々、さまざまな患者さんと向き合う安藤先生いわく、正しいセルフケアはかならず症状をやわらげるそう。
「痛みや動かしづらさ、体型もふくめ、心の中で良くならないとあきらめてしまっている方が多いのだと思います。リハビリ業界では、こうした症状は「軽減できる」のが常識で、自分の身体のことを諦めるのはもったいないことです。思い込みで諦めないでほしいですね。
正しくケアをすれば必ず身体はこたえてくれるはず!この記事をご覧になったみなさんも、セルフケアを取り入れて、より良い人生のステージに立っていただきたいと思います!」
監修
安藤 岳彦(あんどう たけひこ)
地域理学療法認定理学療法士、介護支援専門員、介護老人保健施設めぐみの里・ひまわりの里リハビリテーション部長。秋田大学医療技術短期大学部理学療法学科を卒業後、鶴巻温泉病院、篠原湘南クリニッククローバーホスピタルなどで研鑽を積む。地域住民の療養・生活に寄り添うリハビリテーションに携わるかたわら、ライフワークである湘南西部スポーツクラブ(車いすバスケスクール)を運営。中級障がい者スポーツ指導員としても活躍中。週刊女性セブン(小学館)にて、「若さを保つための“杖”選び&活用法」や、日経新聞記事「転ばぬ先の杖、選び方は?」などの監修も。
2024年11月1日 健康
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