4人に1人が不審な人が一緒に侵入する「共連れ」を経験。「マンション暮らしに関する防犯意識調査」から考える防犯対策
防犯についての監修:佐々⽊ 成三(ささき なるみ)
ライター:UP LIFE編集部
2025年6月30日
防犯
昨今では侵入強盗など治安の悪化が進み、自分の身を守るための対策がますます重要になってきています。そこで、パナソニックでは「マンション暮らし」の防犯に着目し、マンション住まいにおける防犯意識や危険を感じた経験に関する実態調査を実施。調査結果から見えてきた、マンションに潜む防犯対策の盲点について解説し、防犯対策に役立つ商品をご紹介します。
表面的な安心感と実際の防犯リスクとのギャップが浮き彫りに
警察庁の発表*によると、共同住宅における侵入窃盗のうち、全体の7割以上が窓や表出入口からの侵入です。その原因の多くは「鍵の閉め忘れによる無締り」が占め、次いで多いのが「ガラス破り」による侵入と報告されています。
このような背景を踏まえて、パナソニックは現在オートロック付きマンションに居住している20~69歳の男女800名を対象に、「マンション暮らしに関する防犯意識著調査」を実施しました。調査では、年齢別の防犯意識の違いなども明らかになっています。ここで詳しく解説していきます。
8割以上が「マンションは一軒家に比べてセキュリティが高く安全だ」と回答
「マンションは一軒家に比べてセキュリティが高いため安全だと思いますか」という質問に対し、「とても思う」「やや思う」と回答した人の合計は87.1%に達しました。この結果から、マンションに暮らす多くの人が防犯性に対して安心感を抱いていることが明らかになりました。
とくに50代女性においては、「とても思う」と回答した人が最も多く、47.8%となっています。
さらに、「マンションにオートロックが付いていれば個人での防犯対策は必要ないと思いますか」という質問では、「とても思う」「やや思う」を合わせると27.2%となりました。全体の2割以上の人が、オートロックを過信し、個別の防犯対策は不要と考えている実態も浮かび上がっています。
4人に1人がオートロックのエントランス開錠時に不審者の 「共連れ」を経験
「オートロックのエントランスを開錠した際に、不審な人が一緒に入ってきた(=共連れに遭った)ことはありますか」という質問に対し、26.6%が「ある」と回答。実際にはおよそ4人に1人が「共連れ」を経験していることがわかりました。オートロック機能付きのマンションではエントランスの鍵を開けてからドアが閉まるまでに時間がかかるマンションもあるため、その間に見知らぬ人物が侵入するリスクも存在します。このことから、オートロックだけに頼るのではなく、一人ひとりの防犯意識を高めておくことの重要性が浮き彫りになっています。
約4割が短時間の外出時に鍵をかけていないことが判明
「ゴミ出しや郵便ポストの確認など、短時間の外出時に鍵をかけずに外出することはありますか」という質問に対し、「よくある」「たまにある」と答えた人の割合は38.4%にのぼり、4割近くの人がわずかな時間であれば施錠せずに外出していることがわかりました。
特にオートロック機能付きのマンションでは、「少しの間なら大丈夫」と油断してしまう傾向が見られ、防犯意識が低くなっていることがうかがえます。
たとえ“ほんの数分”の外出であっても、戸締まりの習慣を見直し日常の防犯レベルを高めること、さらには万が一の侵入に備えて屋内カメラなどで確認できる環境を整えることが、マンションの防犯のカギとなりそうです。
半数以上がオートロックを信頼し、ドアガードやドアチェーンを普段から使わないことがあると回答
「オートロックを信頼し、普段からドアガードやドアチェーンを使わないことがありますか」という質問に対して、35.4%の人が「使わないことが多い」と回答しました。中でも最も高い割合を示したのは20代女性で、50.7%と2人に1人がドアガードやドアチェーンを普段から使っていないという実態が明らかに。マンションのセキュリティに対する過信を示す結果と言えそうです。
さらに、「オートロックの安心感から、在宅時はドアの鍵をかけないことはありますか」という質問には、「よくある」「たまにある」と回答した人が合計21.1%にのぼりました。中でも「よくある」「たまにある」を合わせた割合が最も多いのは20代男性で43.8%という結果になりました。特に20代男性においては、4割以上の人が在宅時に施錠をしておらず、在宅時の侵入など「在宅=安全」とは限らない昨今では、日常の防犯行動を見直すことが求められます。
来客時にドア穴で来訪者を確認する人は約2割と少数派
「来客時、どのように来訪者を確認していますか」という質問に対し、1位は「カメラ付きオートロック」で86.1%にのぼりました。一方で、「ドア前のカメラ」が20.9%、「ドア穴」で確認する人は18.5%にとどまり、いずれも約2割と少数派でした。オートロックで一度来訪者を確認したら、その後ドア前での確認はしない人が多い傾向にあるようです。
部屋の明かりが遅い時間に点灯することに防犯上の不安を感じたことがある人は2割
「帰宅が遅くなり、部屋の明かりが遅く点灯することについて、防犯面で不安に感じたことはありますか」との質問に対し、「よくある」「たまにある」と回答した人の割合は21.3%に。特に20~30代の女性では、3割以上が不安を抱えていることから、「帰宅したこと」や「帰宅時間がわかってしまうこと」に対する懸念がうかがえます。部屋の明かりが点灯するタイミングは“生活パターンのヒント”になることから、点灯時間の規則性が不審者への参考情報になってしまう不安もあるのかもしれません。
このように、今回の調査結果では、8割の方が「マンションのセキュリティは一軒家よりも高く安全だ」と感じている一方で、「オートロック機能」や「エントランスのセキュリティ」といった共有部分からの侵入リスクに不安を感じている人も一定数存在することがわかりました。これは、表面的な安心感と実際の防犯リスクとの間にギャップが生じていることが浮き彫りになったと言えます。
また、4人に1人が「共連れ」を経験していることからも、オートロックをすり抜けて侵入されるリスクが現実のものとして存在していることが明らかになりました。
これらの結果から、オートロック付きのマンションでも必ずしも「安全」とは限らないという防犯上の盲点が浮き彫りとなったと言えるでしょう。
以上の調査結果をふまえ、防犯アドバイザーの佐々木 成三さんにお話を伺いました。
佐々木 成三さん:
私は元刑事として多くの事件現場を見てきましたが、実際、空き巣の約3割はマンションで発生しています。
また空き巣被害の約半数が無施錠の玄関や窓からの侵入というデータもあり、一度敷地内に侵入を許すと、多くの部屋に被害が及ぶ可能性があることを身をもって知っています。
加えて近年では、セキュリティ設備が強化される一方で、犯罪者側の手口も日々進化しています。オートロックに頼るだけでは不十分なケースも増えているのが実情です。
こうした現状を踏まえ、防犯アドバイザーとして強く伝えたいのは、「マンションだから安心」という過信を捨て、個人レベルで防犯意識を高めること、そして防犯セキュリティツールを積極的に活用することです。たとえオートロックのあるマンションであっても、「最後に自分を守るのは自分自身」であるという意識が、防犯の第一歩です。
常に「どうすれば犯罪を未然に防げるか」を意識し、住まいに応じた適切な対策ツールを取り入れることが、これからの新しいスタンダードになっていくべきだと考えます。
- パナソニックから佐々木氏に依頼をし、頂いたコメントを編集して掲載しています。
自宅マンションの防犯対策に役立つおすすめ商品
4人に1人が「共連れ」を経験しているという調査結果を考えると、オートロック付きのマンションであってもそれだけで安心とは言いきれません。自身と家族を守るためにも、日頃から防犯について考えておきたいものです。ここでは、自宅マンションの防犯対策に役立つおすすめの商品を3つご紹介します。
玄関ドアの前の来訪者を確認 モニター付きドアカメラ
個別の玄関ドアの前はのぞき窓から見える範囲しか確認できない場合も多く、見知らぬ来訪者の対応時に不安に感じている方も少なくないのではないでしょうか。そんなときは「モニター付きドアカメラ」がおすすめです。玄関のドアに掛けて固定するだけで簡単に設置※1でき、モニター親機とカメラがペアリング済みで設定が不要です。また、来訪者を自動表示※2する「チャイムリンク機能」付きで、呼出音に連動して留守でも来訪者を自動録画できます。
広画角レンズで部屋の様子を見渡せる 屋内HDカメラ
外出中に室内が気になることはありませんか?そのような場合は「屋内HDカメラ」がおすすめです。カメラレンズが水平・垂直方向に動く広画角レンズで、さらに200万画素と高画質なので、室内を広範囲に確認できます。また、動作や音、温度を検知し、反応するとあらかじめ登録したスマートフォン※3に通知が届き室内の変化に気づけます。カメラに内蔵しているスピーカーとマイクで話しかけることもできます。
不在に気付かれないよう照明をオン・オフ設定できる パルック LEDシーリングライト
「部屋の明かりが遅く点灯することに不安がある」といった場合の対策としては、不在に気付かれないよう部屋の電気(あかり)を自動で点けたり消したりすることも防犯対策としておすすめです。
るすばんタイマー付きの「パルックLEDシーリングライト」は、リモコンの「るすばん」ボタンを押すことで、設定時刻になると、あかりのスイッチが3つのパターンでランダムに変わります。帰宅時間が夜遅くなるときや、長期不在にするときの空き巣対策におすすめです。
※ここでご紹介した商品は、侵入や盗難などの犯罪を阻止することや安全を保証するものではありません。万が一、損害が発生した場合、当社は責任を負いかねますのであらかじめご了承ください。商品のご使用と合わせて、施錠・戸締り等の防犯対策を行うことをおすすめします。
まとめ
今回の調査を通じて、マンションにおけるオートロックや防犯カメラなどのセキュリティに対して、多くの人が安心と感じている一方で、実際の防犯リスクとの間にギャップがあることが明らかになりました。こうしたリスクに備えるためには、日頃から防犯意識を高めておくことが重要です。さらに、防犯対策に役立つアイテムなども上手に活用しながら、自分でできる対策を講じることでより安全な暮らしの実現を目指しましょう。
防犯についての監修
佐々⽊ 成三(ささき なるみ)
防犯アドバイザー
元 埼玉県警察本部刑事部捜査第一課警部補
一般社団法人スクールポリス 理事
これまで数多くの捜査本部で、被疑者の逮捕・取り調べや捜査関係者からの情報収集、被害者対策、遺族担当に従事し、数多くの実績をあげる。
発想力、情報収集力、行動力には自信があり、新しい捜査手法、被害者の視点に立った被害者対策を行い、数多くの賞を得ているスゴ腕、人情刑事として活躍していた。
現在スクールポリス理事として中高生を対象としたデジタル危機管理の指導を行っている。
[調査概要]
- エリア:首都圏(1都3県)(東京・神奈川・千葉・埼玉)
- 調査対象:20歳~69歳 男女 計800人【現在、オートロック機能が備わったマンション等の集合住宅に居住している方】
- 調査期間:2025年4月2日(水)~4月3日(木)
- 調査方法:インターネット調査
- ドアカメラの固定ねじはドアに掛けた後に固定してください(固定ねじは抜かないでください)。ドアの形状や材質によっては取り付けられない場合があります。
- モニター親機にご自宅のチャイム音をあらかじめ録音して検知機能を設定する必要があります。チャイム音が鳴る機器と同じ部屋の近くにモニター親機を設置してください(距離の目安 1~4m、ただし、チャイムの音量やモニター親機の設置場所周辺の騒音、または部屋(壁などのしきり)のレイアウトによって変わります)。
- Android™ 8.0 以降を搭載し、Google Play に対応したスマートフォン/タブレット、または iOS 13.0 以降を搭載したiPhone( iPhone 5s 以降)、iPad( iPad Air 以降)に対応しています。ご利用には専用アプリケーション「ホームネットワークW」のインストールが必要です。OSのバージョンアップに伴い「ホームネットワークW」アプリケーションが対応できるバージョンや端末も変更になることがあります。機器の接続にはグローバルIPアドレス[IPv4]「IPv6を用いたIPv4」が付与されるインターネット接続環境と、UPnP機能、「2.4 GHz」の周波数帯域に対応した無線ルーターが必要です。
2025年6月30日 防犯
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