マイクロ波技術の革新

ビストロものづくりSTORY No.04 解凍の悩みを解決 マイクロ波技術の革新 ホームアプライアンス 開発センター(給電設計) 久保 昌之 電子レンジ技術部 (調理ソフト) 高山 富美子 ビストロものづくりSTORY No.04 解凍の悩みを解決 マイクロ波技術の革新 ホームアプライアンス 開発センター(給電設計) 久保 昌之 電子レンジ技術部 (調理ソフト) 高山 富美子

100パターン以上のアンテナ試作。

久保 昌之さん

久保:ビストロは2015年の商品(NE-BS1200)から、「サイクロンウェーブ加熱」という技術を採用しています。これは、加熱ムラを抑えるため「電波自体」を回転させて食品に当てる技術です。以前は「アンテナ」を回転させることで加熱ムラを抑えていましたが、ある時「電波の出方自体を変えることで何かできないか」という案が浮かびまして。それが、お客様からの解凍性能向上のニーズと結びつき、新技術が生まれました。電波を回転させながら出すには、従来のアンテナとは全く異なる「X」形状のスリットが入った立体アンテナが必要でした。効果的な形を探すため、シミュレーションと実験を繰り返し、スリットの数や位置、大きさを100パターン以上も検証しました。

毎日毎日、お肉を解凍する日々。

高山 富美子さん

高山:試作したアンテナで、あたため・解凍実験をするのが私の仕事です。ミンチ肉、スライス肉、魚介類など、さまざまな食材を100g〜1kgまで解凍して、加熱時間や電波の当て方を調整しました。アンテナの形状が1ミリでも変わると加熱分布が変わります。しかも、解凍が上手くできても、他のレンジ調理が上手くできなくてはダメ。安全面を含め、すべての基準を満たすアンテナにたどり着くまでに、多くの時間を費やしました。
さらに、「64眼スピードセンサー」を使って、食品の量や種類を自動で判別する方法も考えました。食品の大きさや微妙な温度上昇を読み取り、それぞれに最適な加熱プログラムを開発します。苦労の甲斐あって、とくに解凍に関しては、自分でも驚くほどの仕上がりを実現できました。

新しい技術が積み重なり、進化し続けるビストロ。

高山:10年前からビストロに携わってきましたが、解凍性能の向上など、昔は不可能だと諦めていたことが、どんどん実現できています。だから、今はできないことも今後できるようになると思います。これからも、お客様に夢を提供する商品を作り続けていきたいです。
久保:開発を振り返って印象深いのは、最終段階で大きな壁にぶつかったことです。試作品では出ていた性能が、量産品では出ない。アンテナの形状が複雑なため、わずかな寸法のバラつきで性能に差が出ていました。開発は、すべてのお客様に同じ性能をご提供するのが仕事。バラつきを極限まで抑える方法を追求しました。ビストロは毎年進化しています。1つの商品の中に、どんどん新しい技術が積み重なっていく。僕が関わった技術もその一部として形にできたのは、とても嬉しいことですね。

高山 富美子さんと久保 昌之さん

※2016年度取材時の内容です。