開発チームが語るドルツ進化の舞台裏 - Episode 06ライフスタイルをも変える、革新の充電方式。

開発チームが語るドルツ進化の舞台裏 Episode 06 ライフスタイルをも変える、革新の充電方式。技術本部(充電・制御) 筒井 真美×制御設計(充電・制御) 岩村 則宏 開発チームが語るドルツ進化の舞台裏 Episode 06 ライフスタイルをも変える、革新の充電方式。技術本部(充電・制御) 筒井 真美×制御設計(充電・制御) 岩村 則宏

開発チームが語るドルツ進化の舞台裏  - Episode 06

ライフスタイルをも変える、革新の充電方式。

技術本部(充電・制御) 筒井 真美 × 制御設計(充電・制御) 岩村 則宏 

※掲載の商品は、EW-DP52です。

17時間から1時間へ。前人未到の挑戦。

筒井: 従来17時間かかっていたフル充電を、1時間に短縮する。これは、ドルツ充電器の技術開発の歴史の中でも最大級の挑戦でした。
1時間でフル充電するには、短時間で多くの電気を送る必要があり、従来の「電磁誘導」※1方式では送電側(充電器)のコイルを巨大化しなくてはなりません。一方で、ドルツは、小型軽量であることも求められます。コンパクト&スピーディな充電機構を実現するため、従来の「電磁誘導」技術に「磁気共振」※2技術を有効活用した新方式を採用しました。「磁気共振」技術は一般的に、離れた所に電気を送電するために使われる技術ですが、この技術を近距離で用いることで、急速充電を実現しました。まさに、発想の転換ですね。
開発では、磁界解析(シミュレーション)を活用し、何十パターンもコイルの大きさや形状を検討しましたが、最終的な調整は、人の手でしかできません。「まだ誰も到達したことのない技術を実現させたい」という想いで、手作業でコイルを巻き、使った銅線は100m以上にも達しました。

※1 電磁誘導:送電コイルと受電コイルの間で発生する磁束を使って送電する技術。コイル同士が近くないとほとんど送電できない。
※2 磁気共振:送電コイルと受電コイルの周波数を特定の周波数に合わせて共振させることで、離れた場所に送電する技術。距離を縮めれば、多くの電気を送電できるが、電力制御が難しくなる。

筒井 真美さん

手作業でコイルを巻き、検証を重ねました。

商品化に向けて、立ちはだかる壁。

岩村: 新しい充電方式は、電力を制御するのが難しい構造です。
部品のわずかな個体差や、コイルの位置、巻き方のズレによって性能が大きく変わってしまうので、商品化には高いハードルがありました。
この問題を解決するため、私たちは、組み立て工程で部品を1個ずつチューニングする仕組みを考案しました。
これによって、安定した充電性能を確保できただけでなく、製造時に商品を組み立てる人にとっても、取り扱いやすい部品にすることができました。 

この機械で、コイルのチューニングを行います。

充電が変われば、使い勝手も変わる。

岩村: これまでのドルツは、常時充電されているお客様が多かったのですが、新商品ではその必要がなくなります。必要な時にサッと充電すれば良いので、置き場所も、よりフレキシブルになると思います。また、わずか2分の充電で1回磨けるので、急な充電切れの時も安心です。
充電残量不足を音で知らせる機能も、今回から搭載しています。実はこの音、リニアモーターの周波数を、スピーカーのように制御することで鳴らしています。部品点数を増やさず、使い勝手を向上させるために工夫をこらしています。

筒井: 1時間充電を実現できたことも嬉しかったですが、「無接点充電」の強みを活かした「フロートチャージスタイル」も、実現できて良かったです。従来の充電方式では、形状の制約が多く本体底面が汚れやすい構造でしたが、新商品は本体底面が乾燥しやすく、汚れにくい構造です。清潔で、使い続けやすい商品に仕上げることができたと思います。
制御技術を進化させることで、ライフスタイルを変えられる可能性があると改めて感じました。

筒井 真美さんと岩村 則宏さん

チームの連携があったからこそ、実現することができました。