Story No.02 「おいしさ」を科学する、トーストのスペシャリスト。
調理ソフト 平田由美子(左)・金子里緒(右)
冷凍厚切りトーストから焼きいもまで、「おまかせ」でおいしく。
調理ソフト 平田由美子
トースターの開発中は、朝から晩まで一日中、パンを焼き続けます。時に30斤を超えることもありますが、お客さまの焼くパンは一様ではなく、厚み、冷凍か常温かといった保管状況、種類などが様々なので、膨大な量のパンを検証します。
冷凍した厚切りパンも実際に焼いて、焼き上がりの試験を重ねます
庫内の温度を測るため、センサーを入れて実験します
オーブントースター ビストロ「NT-D700」は、センサーで感知した庫内の温度上昇に基づいて判定し、7200通りものパターンから最適なプログラムを選んで、温度を制御しています。例えば、冷凍パンの場合は、まず最初に解凍する工程が入ることで、外は焼き過ぎず、中もしっかり温めるようにプログラムしています。トーストは秒単位で焼き色が刻々と変わっていくので、ベストの焼き色になるように、プログラムも秒単位で設計しています。
トースト内部の温度を測って、焼き上がりをチェックします
パナソニックが考える「おいしいトースト」とは、「外はサクッと香ばしく、中はあつあつ、ふんわり」の食感です。
この食感を実現するため、開発中は理想の焼き方を幾度となく試験します。
測定機で、パンの「外はさっくり」「中はしっとり」を数値化します
試験は、数値評価と官能評価の2種類を行うことで、おいしさの理論を構築しています。
官能評価(食味評価)ができるのは、わずかな味の違いを判別できる舌を持つ、「五味識別テスト」に合格した社内の専門パネリストのみ。こうした専門メンバーが、歴代のトースターの「おいしさ」を支え、また、継承しています。
官能評価では、実際に食べて、香りを嗅ぎ、テクスチャー(食感)の測定をします
近年、ハード系のパンがコンビニなどでも注目されているため、フランスパンメニューを搭載しました。
加えて、冷凍クロワッサンやそうざいパンのあたためにも対応しています。
従来の「焼きいも」メニューに加え、新たに「じっくり焼きいも」メニューを搭載しました
新搭載の「じっくり焼きいも」メニューは、近年話題の「焼きいも専門店」の味を再現したいという想いから生まれました。さつまいもの品種を調べたり、専門書を読んだり、研究者の方にお話を聞きに行ったりして、どう焼いたらおいしくなるのか、実験を重ねました。
温めやリベイクといったトースターの基本性能はしっかり継承しつつ、お客さまが今求めている「おいしさ」を科学的に解明し、一つ一つのプログラムに込めています。ぜひ、焼き立てを味わっていただければと思います。
「じっくり焼きいも」メニューで焼くと、ねっとりとした食感に仕上がります
栄養はもちろん、つくる楽しさも届けたい。
調理ソフト 金子里緒
私の担当は、「アレンジトースト」メニューです。「アレンジトースト」は、パンに色々な具材を載せて焼くので、手軽に栄養をプラスできるのが特長です。
中でも、卵を載せたエッグトーストは代表的なレシピですが、卵はデリケートな食材で、火加減ひとつで、食感が全く変わります。また、パンを焼きながら生卵にも火を通し、かつ、パンの端を焦がさないようにするのが、実は難しいレシピです。
オーブントースター ビストロ「NT-D700」なら、この難しいレシピも「おまかせ」で作れます。忙しい朝でも、手軽に栄養が摂れて、お腹も満足する、現代人にピッタリのメニューです。2枚同時に焼けるので、家族の分も一緒に焼く、といった使い方もおすすめです。
1枚で焼いても、2枚で焼いても、同じようにおいしく焼き上げます
私たち世代のパン好きは、日々、「映える」メニューを出しているお店を探し、足を運んでは、写真で共有しています。そういった「作って楽しい」「共有して楽しい」を実現できるよう、「アレンジトースト」メニューは、エッグトーストだけでなく、様々な具材に対応できるメニューとして開発しました。
ぜひ様々な具材でアレンジしたトーストで、おうちにいながら、「おいしい」「楽しい」をシェアしていただきたいと思います。
調理科学でトーストのおいしさを追求する。
トースターの開発を専門に行う調理ソフトメンバーは、現在3名。
調理科学でトーストのおいしさを追求し、お客さまの食卓に笑顔と感動をお届けすることを目指して、これからも取り組んでいきます。