高齢者におすすめしたい エアコンを使った熱中症対策
例年熱中症による救急搬送が急増する7月・8月。総務省消防庁の発表では、熱中症による救急搬送人員数を年齢別に見たとき、最も多いのは高齢者という結果も。今回、ご家族や友人など身の回りの高齢者におすすめしたい、エアコンを使った熱中症対策をご紹介します。
*出典:総務省消防庁「熱中症による救急搬送人員に関するデータ」
猛暑や熱中症に関するニュースが増えてきた…
夏も本格化してきて、暑さに参っちゃうなあ…
猛暑や熱中症に関するニュースが多くなっているし、実家にいるうちの親も心配だなあ…
夏時期でもエアコンを使わない・我慢する人は約4割も
総務省消防庁によると、熱中症による救急搬送された人の中で、54%が高齢者という結果に。また、パナソニックは、20~60代の男女1084名に、夏のエアコン利用に関する調査を行ったところ、「夏時期、エアコンをどのくらい利用しますか?」という質問に対して、我慢・あるいは使わない派が約4割もいました。
Q1: 全国の熱中症による救急搬送状況は? (n=4,551)
Q2: 夏時期のエアコンの利用頻度は? (n=1,084)
続いて、通常時エアコンガマン・使わない派に、エアコンの利用を控える理由をたずねたところ、全世代で最も多い回答が「電気代がかかるから」でした。
エアコンを控える理由「電気代がかかる」「冷えすぎる」「体に悪いと思う」(n=301)
さらに、60代以上の回答に注目すると、「冷えすぎるから」(41%)、「体に悪いと思うから」(30%)、「直接風が体に当たるのが嫌だから」(28%)と続きます。60代以上の特徴として、「体に悪いと思うから」・「暑いと思わないから」という回答が、20代に比べると多い点が挙げられます。
一方で、「乾燥するから」と回答した20代は23%で、若い世代ほど乾燥が気になる傾向があるようです。
そういえば、うちの両親もいつもエアコンをつけたがらなかった気がする…
そもそもなんで、高齢者ってエアコンを避けがちなんだろう?
夏時期、どうしてエアコンを使わない?高齢者にありがちな理由を専門家が解説
高齢者でエアコンを避けがちな方は、なぜ使おうとしないのでしょうか?医師の清益功浩先生が解説します。
理由の一つに、老化に伴って皮膚の温度センサーの感度が鈍くなり、暑さを感知しにくくなることがあります。これにより、体温調節機能の発動が遅れることも。
また、発汗能力の低下や身体に含まれる水分量の減少などに加え、脳での察知能力が低下することで喉の渇きを感じにくくなり、脱水症状が進みやすい、ともされています。
このほか、調査結果の通り、“体の冷えがイヤ”、”節電したい”、“エアコンの風が当たるのがイヤ”といった動機から、エアコンをなかなか使わないのも理由のひとつです。
熱中症に特に注意が必要な高齢者には、健康や安全のために、冷房をうまく活用することを推奨したいです。
清益 功浩(きよます たかひろ)先生プロフィール
小児科医・アレルギー専門医。京都大学医学部卒業後、日本赤十字社和歌山医療センター、京都医療センターなどを経て、大阪府済生会中津病院小児科・アレルギー科で診療に従事。論文・学会報告多数。インターネットやテレビ、書籍などでも数多くの情報発信を行っている。
なるほど…そんな理由があったのか
とはいえ、熱中症になったり、体調に影響するから、しっかりエアコンはつけてほしんだけど・・・
積極的にエアコンをつけてもらうのにはどうしたらいいんだろう?
身の回りの高齢者におすすめしたい夏に活躍するエアコン機能4選
もし、身の回りの高齢者にエアコンをおすすめするなら、どのような点に注目すればよいでしょうか? 高齢者にありがちなエアコンへの心配も払拭できる、おすすめのエアコン機能を紹介します。
室温みはり(温度と湿度をみはって自動で運転スタート)
室温や湿度などを考慮して自動で冷暖房がスタートすれば、エアコンをあまり使わない親御さんがいる方も安心です。
リモコンで事前に設定しておけば、高温多湿状態(室温31℃以上湿度60%)が続くと自動で冷房ON、低温状態(室温15℃以下)が続くと自動で暖房ONになります。
自動運転機能(センサーやAIでかしこく自動で省エネ)
ボタンをひとつ押すだけで、温度や湿度、快適さ、省エネなどのバランスを見て最適な運転を自動で行う機能は、家電の操作が苦手な方にもオススメ。最近のエアコンは、センサーやAIがムダを見つけて、自動で快適で省エネな運転をしてくれます。
例えば、人がいなくなると自動で節電運転になったり、一定の時間が経過すると自動でOFFにしてくれる機能もあります。
風よけ
人の居場所に合わせて風を感じさせないように自動調節。エアコンの風が苦手な高齢の方にも好評です。
スマホ連携機能(おへやモニター[ひと検知])(室温みはり通知)
スマホのアプリで離れて暮らす親御さんのエアコンの運転状況が確認できたり、センサーで人の動きの有無をグラフで表示をしてくれる機能もあります。
「室温みはり通知」機能では、エアコンが自動でお部屋の状況をチェックし、室温が31℃以上、もしくは15℃以下になると、自動でスマホに知らせてくれます。例えば、親の家が31℃以上という知らせが届いたら、電話してさりげなくエアコンの使用を促すといった使い方もできます。
高齢者におすすめしたい自動おそうじ機能
エアコンのフィルターは2週間に1度のお掃除がおすすめです。
こまめなフィルターのお掃除は省エネに使うためにも実施いただきたいのですが、高い位置にあるため、特に高齢者にとっては大変な作業です。
一定時間使用すればフィルターを自動でお掃除してくれるだけでなく、内部まで掃除してくれるモデルがおすすめ。
省エネだけでなく、吹き出す空気の清潔性にもつながります。
これらは、上位モデルにならほぼ搭載されているものなので、実は高齢者にこそ高性能モデルをオススメしたいです。
「上位モデルは高価だから」と二の足を踏むかもしれませんが、在宅の時間が長い傾向にある高齢者の方々には、購入価格を時間で割ればコストパフォーマンスはかなり高いと思います。
エオリアスリープの「快適環境運転」
寝るときによりエアコンをガマンしてしまう方や、睡眠時に「冷えすぎる」といったお悩みをお持ちの方にもオススメです。
また、東京都監察医務院によると、「時間帯別」熱中症死亡者数では、日中よりも夜間の方が熱中症の死亡者数が多いことがわかっています(*)。
睡眠時の熱中症にも気をつけて、「快眠環境運転」で積極的にエアコンをご使用いただきたいです。
*出典:東京都監察医務院「令和元年夏の熱中症死亡者数の状況【東京都23区(確定値)】」