寝苦しい夏におススメ ぐっすり快眠できる「エアコン」活用方法

「ぐっすり快眠できる「エアコン」活用方法」のメインビジュアルのイラストです。 「ぐっすり快眠できる「エアコン」活用方法」のメインビジュアルのイラストです。 

全国で梅雨明けが発表され本格的な夏の暑さがやってきました。今年は夜になっても25度を超えるという熱帯夜にも注意が必要です。そのような熱帯夜をどうすれば快適に過ごせるのか、快眠のためのエアコン活用方法を紹介します。

夜は暑くてよく眠れない…

夏の夜は、温度も湿度も高いし
ムシムシして寝つけない日が多いなあ
睡眠不足で次の日だるくなっちゃうことも多いし…
暑さによる寝苦しさってどれくらいの人が感じているんだろう?
悩ましい表情をしている男性のイラストです。

4割以上が「暑さでよく眠れていない」

パナソニック株式会社は、全国の20歳以上の男女548名を対象に「睡眠に関する実態調査」を行いました。

睡眠の満足度に関する調査では、66%と7割近くの人が「全く満足度していない」「あまり満足していない」と答えており、睡眠負債を抱えていることが分かりました。

その原因について、4割超が「暑さ」と回答。

睡眠を妨げる要因として考えられるアンケート結果の棒グラフのイラストです。

睡眠の質が下がるワケを専門家に聞きました!

ではなぜ、暑さで人は寝苦しいと感じるのでしょうか。

睡眠科学を専門とする白川修一郎先生に「暑さで睡眠の質が下がる理由」を伺いました。白川先生によれば、安定した眠りのカギを握っているのが実は『体温』だといいます。

医師の白川先生の画像です。
「深部体温」が下がることで、眠りにつきやすくなる

人の体には、皮膚表面の体温とそれよりも少し高い『深部体温』と呼ばれる脳を含めた内臓の体温があります。夜になると手や足の表面から放熱して深部体温が下がることで、自然と眠気が高まります。ですが、寝室の温度や湿度が高いと、この深部体温が下がりづらくなり眠りにくくなってしまいます。

白川修一郎(しらかわ しゅういちろう)先生プロフィール

一般社団法人 日本睡眠改善協議会 理事長

(独)国立精神・神経医療研究センター 客員研究員、江戸川大学睡眠研究所客員教授。睡眠科学、脳生理学を専門とする睡眠研究の第一人者。広範な医療・福祉研究分野へ睡眠科学を導入し、脳の機能維持・改善や心の健康づくりのための指導を行う。日本睡眠改善協議会理事長として睡眠改善インストラクター育成に従事している。

約3割以上がストレスで睡眠の満足度が下がった

さらに、「コロナ禍の感染不安や外出自粛によるストレスでの睡眠の満足度の低下に関する調査」では、6.6%が「頻繫にあった」28.8%が「時々あった」と回答しており約3割以上が影響を受けていたことが分かりました。
白川先生によると、強い心理的ストレスにさらされた場合、短期的には入眠困難や中途覚醒を生じ、不眠に陥り睡眠時間が短縮することが多いのです。ストレスにより、脳・自律神経系とホルモン系に変異が生じ、睡眠が阻害されると推定されています。

暑さで寝れないときはどうすればいいの?エアコンを使った快眠のコツ4選をご紹介

ここからは夏にエアコンを上手く活用し快眠できるコツをお伝えします。

エアコンは寝室に入る30分前にON、上に向けて風をあてておく

一般的には、室温26~28℃が心地よく眠れる環境だといわれていますが、温度同様に重要なのはエアコンを運転させるタイミングです。寝室に入る30分前にエアコンをONにし、上に向けて風をあてておくことで、効率よく良い睡眠環境をつくることができます。

タイマーは設定せず、設定温度は26度~28度に

快適な寝室環境を保つには、冷房モードで設定温度を26~28℃にするか、除湿モードに。
特に熱帯夜は途中で運転を停止する設定にはせずに、冷えすぎない温度で朝までつけっぱなしにしましょう。途中で運転を停止してしまうと、その後室温が上がると共に寝苦しくなり途中で目覚めてしまう原因になります。

湿度は60%以下に保つ

夏場は湿度が高くなりやすく、寝苦しくなりがちです。湿度が高すぎると、途中で目覚めてしまう原因にもなります。寝室の温度だけでなく湿度にも注意しましょう。
寝室の湿度は60%以下に保つことが重要です。
湿度が高い時はエアコンの温度を下げる、または、エアコンを除湿運転する、といった対応をおすすめします。

扇風機との併用使い

エアコンの温度設定は下げすぎず、ただ、どうしても室温が高くて寝入りが悪いという方は、扇風機を併用することもお勧めです。その際は、表面に太い血管の通っている足首あたりに風を当てると深部体温が下がりやすく寝入りが良くなります*。

*風を長時間体に当てないでください。健康を害することがあります。

扇風機とエアコンを併用で使っていることを表すイラストです。

すぐ実践できる!エアコン以外の快眠ワザ

寝る1時間前までにバスタブで入浴、
温度は夏でも38~40℃
 

深部体温をスムーズに下げるためには、反動を利用するのがコツ。夏でも38~40℃のお風呂に、10~20分ほどつかりましょう。

入浴することで深部体温は約0.2~0.3℃上がるといわれており、一度上がった深部体温は反動で下げようとする体の性質があり、この落差が寝入りやすさにつながります。

「寝る一時間前までにバスタブで入浴、温度は夏でも38~40℃」男性が入浴しているイラストです。

シャワーの場合は、お湯の当てる位置を工夫

夏場はシャワーだけという場合でも、足首・手首・首の後ろなど太い血管が通っている部分に合計5分ほど少し熱めのシャワーを当てることで、効率よく深部体温を上げることができます。

夏はシャワーしか浴びない、という人はお湯を当てる位置と時間を意識してみましょう。

パジャマはゆったりとした長袖・長ズボンが理想的
 

質の良い睡眠のためにパジャマは大きな役割を果たします。
睡眠中には、コップ一杯の汗をかくといわれています。
大量の汗をかくことで、背中と敷き布団の間の湿度が高くなり寝苦しさを感じるため、しっかり汗を吸ってくれる綿やシルク製のパジャマの着用がおすすめ。

全身にかく汗を吸収するためにも、夏でもゆったりとした長袖・長ズボンが理想的です。

就寝前、パジャマを着ている男性のイラストです。
リビングや浴室の照度は控えめに
 

夜間は目から入る光の量が減るほど、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されやすくなるので、入浴前に、リビングの照明をリラックスできるオレンジ色にしましょう。

また、浴室内は天井も低く、照明器具が目に近いところにあるため、入浴時に浴室の電気が明るい場合は、照明を消して脱衣所の灯りだけにするか、浴室用の防水間接照明を利用するのも効果的です。

在宅勤務の人は「入眠儀式」を意識すべし
 

『入眠儀式(ルーティン)』を意識し、寝る前に習慣的に同じことをすることによって、脳が『これから寝るんだ』というモードに入り、より眠りやすくなることも。

最近では、在宅勤務の増加により、部屋着のまま仕事をしたり、部屋で過ごし、そのまま寝ている人もいるかもしれません。「在宅勤務になってから寝付きが悪くなった…」など、睡眠に関する不調を感じる方は、この『入眠儀式』をつくってみると良いかもしれません。

エオリアスリープの「快適環境運転」

エオリアスリープの「快眠環境運転」は、ベッドサイドセンサーと連携し、身体が心地よく感じる温度を睡眠の経過時間ごとに制御。

夏場、エアコンを切ると暑くて寝苦しいという方や、朝まで運転したままだと明け方寒さを感じる方の悩みを改善する効果が期待できます。
 

天井シャワー気流
エアコンのほかにも、照明や入浴の工夫も快眠のコツにつながるんだね
これで暑くて眠れない夜には、うまくエアコンを活用してしっかりとした睡眠時間をとれそうだ!
スッキリとした表情の男性のイラストです。