夏の寝苦しい夜にぐっすり快眠環境をつくるエアコン活用法

ぐっすり快眠環境をつくるエアコン活用法 ぐっすり快眠環境をつくるエアコン活用法

夏は、夜になっても25℃を超えるような熱帯夜に注意が必要です。お部屋の温度や湿度に着目した快眠環境づくりのためのエアコン設定や、そのほかの対策をご紹介します。

暑さで寝苦しくなるのは
「深部体温」が下がりづらくなるから

白川修一郎(しらかわ しゅういちろう)先生 の写真です。

白川修一郎(しらかわ しゅういちろう)先生 プロフィール

一般社団法人 日本睡眠改善協議会 理事長

江戸川大学睡眠研究所客員教授。睡眠科学、脳生理学を専門とする睡眠研究の第一人者。広範な医療・福祉研究分野へ睡眠科学を導入し、脳の機能維持・改善や心の健康づくりのための指導を行う。日本睡眠改善協議会理事長として睡眠改善インストラクター育成に従事している。

白川先生によると、安定した眠りのカギを握っているのは「体温」。

人の体には、皮膚表面の体温と、それよりも少し高い「深部体温」と呼ばれる脳を含めた内臓の体温があります。夜になると手や足の表面から放熱して深部体温が下がることで、自然と眠気が高まります。ですが、寝室の温度や湿度が高いと、この深部体温が下がりづらく眠りにくくなってしまうのです。

12時から翌日6時までにおける、深部体温と眠気のリズムの関係性を表したグラフです。19時30分ごろ、深部体温のピークが訪れ、下がっていき3時ごろ底を打ります。眠気のリズムは、それと逆相関の推移となっています。21時過ぎから、深部体温と眠気のリズムがクロスに向かうタイミングで、深部体温が下がり始めると眠くなってくる状態です。

エアコンを使った快眠環境づくりのコツ

設定温度は26~28℃、朝までつけっぱなしに

快適な寝室の環境を保つには、冷房モードで設定温度を26~28℃にするか、除湿モードにしましょう。
特に熱帯夜は途中で運転を停止する設定にはせずに、冷えすぎない温度で朝までつけっぱなしにしましょう。途中で運転を停止してしまうと、その後室温が上がるとともに寝苦しくなり、途中で目覚めてしまう原因になります。

エアコンは寝室に入る30分前にオン

設定温度同様に重要なのは、エアコンを運転させるタイミングです。寝室に入る30分前にエアコンをオンにしておくことで、効率よく事前に快眠環境を整えることができます。
また、直接冷風が体にあたらないように風は上に向けておくのが良いでしょう。

上向きの風で冷房をつけながら就寝している女性のイラストです。

湿度は60%以下に保つ

夏場は湿度が高くなりやすく、寝苦しくなりがちです。湿度が高すぎると、途中で目覚めてしまう原因にもなります。

寝室の湿度は60%以下に保つことが重要です。湿度が高い時はエアコンの設定温度を下げる、または、エアコンの除湿運転をすることをおすすめします。

扇風機との併用

エアコンの温度設定は下げすぎず、ただそれだとどうしても室温が高くて寝入りが悪いという方は、扇風機を併用しましょう。表面に太い血管の通っている足首あたりに風をあてると、深部体温が下がり寝入りがよくなります。

上向きの風の冷房とともに扇風機をつけ、足元に当てながら就寝にむかう女性のイラストです。

●風を長時間体にあてないでください。健康を害することがあります。

寝入りをよくする、エアコン以外の対策

寝る1時間前までに入浴、 温度は38~40℃に

深部体温をスムーズに下げるためには、反動を利用するのがコツ。夏でも38~40℃のお風呂に、10~20分ほどつかりましょう。

入浴することで深部体温は約0.2~0.3℃上がるといわれており、一度上がった深部体温は反動で下げようとする体の性質があるため、この落差が寝入りやすさにつながります。

浴槽につかっている女性のイラストです。

シャワーの場合は、お湯のあてる位置を工夫

夏はシャワーだけという場合でも、足首・手首・首の後ろなど太い血管が通っている部分に合計5分ほど少し熱めのシャワーをあてることで、効率よく深部体温を上げることができます。お湯をあてる位置と時間を意識してみましょう。

パジャマはゆったりとした長袖・長ズボンに

睡眠中には、コップ一杯の汗をかくといわれています。全身にかく汗を吸収するために、夏でもゆったりとした長袖・長ズボンが理想的です。

また大量の汗をかくと、背中と敷き布団の間の湿度が高くなり寝苦しさを感じるため、しっかり汗を吸ってくれる綿やシルクのパジャマがおすすめです。

 

ゆったりとした長袖・長ズボンのパジャマを着た女性のイラストです。

リビングや浴室の照度は控えめに

夜間は目から入る光の量が減るほど、睡眠ホルモンであるメラトニンが分泌されやすくなるので、入浴前にリビングの照明をリラックスできるオレンジ色にしましょう。
また、浴室内は天井も低く照明器具が目に近いところにあるため、入浴時に照明を消して脱衣所の灯りだけにするか、浴室用の防水間接照明を利用するのも効果的です。

在宅勤務の人は「入眠儀式」を意識

「入眠儀式(ルーティン)」を意識し、寝る前に習慣的に同じことをすると、脳が「これから寝るんだ」というモードに入り、より眠りやすくなることも。

最近では、在宅勤務の増加により、部屋着のまま仕事をしたり、そのまま寝ている人もいるかもしれません。「在宅勤務になってから寝付きが悪くなった」など、睡眠に関する不調を感じる方は、この「入眠儀式」をつくってみると良いかもしれません。